地域包括支援センターに何を頼めるか|全国5,487か所

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親の様子が変わってきた。片づけができなくなった、同じ話が増えた、退院の日が決まった。そこで多くの家庭が「まず誰に相談すればいいのか」で止まります。

答えははっきりしています。親が住民票を置いている市区町村の地域包括支援センターです。介護保険の認定を受けていなくても、まだ何も決まっていなくても、電話していい窓口です。

ただし、名前が長いわりに何をしてくれるところなのかが伝わっていません。相談してみたものの「役所をたらい回しにされた」と感じて離れてしまう家庭もあります。頼めることと頼めないことを先に知っておくと、その差はかなり縮まります。

この記事では、地域包括支援センターに何を頼めるのか、いつ行くのか、行く前に何を用意するのかを順に整理します。あわせて、全国215,550事業所を集計したマモリア独自のデータから、相談できる窓口はあっても地域にサービスがあるとは限らない、という話にも触れます。

最初に電話する先は、親の住所地のセンター

介護は、どこから手をつけるかで最初の1か月が変わります。病院のソーシャルワーカー、市役所の高齢福祉課、民間の紹介会社と入口はいくつもありますが、まだ何も決まっていない段階でいちばん広く受け止めてくれるのが地域包括支援センターです。

理由は3つあります。市区町村が設置の責任を負う公的な窓口であること、相談が無料であること、そして介護保険の認定を受けていない人も対象であることです。「まだ介護保険を申請していないので」と遠慮する必要はありません。むしろ申請前の段階こそ、この窓口の出番です。

電話番号が分からない場合は、市区町村名と「地域包括支援センター」で検索すれば自治体のページに一覧が出ます。名称が「高齢者あんしんセンター」「おとしより相談センター」などに変わっている自治体もありますが、中身は同じです。

出典:厚生労働省「地域包括ケアシステム」/各市区町村の高齢福祉担当課(2026年8月時点)

地域包括支援センターとは何か

2005年の介護保険法改正で作られた、高齢者の相談を包括的に引き受ける窓口です。設置の責任主体は市区町村で、実際の運営は社会福祉法人や医療法人などに委託されている場合が多くあります。委託されていても公的な窓口であることに変わりはなく、相談料は発生しません。

項目 内容
全国の設置数 5,487か所(ブランチ・サブセンターを含めると7,374か所)
時点 2025年4月末
設置の責任主体 市区町村
運営 市区町村の直営、または社会福祉法人などへの委託
相談料 無料
対象 おおむね65歳以上の高齢者と、その家族
認定の要否 不要。申請前でも相談できる

出典:厚生労働省「地域包括ケアシステム」(2025年4月末現在)

数だけ見ると全国に5,487か所ありますが、これは中学校区におおむね1か所という配置です。人口の多い区では1か所が数万人を担当していることもあり、電話がつながりにくい時間帯があります。急ぎでなければ、平日の午前中のほうが落ち着いて話せます。

3つの専門職がいる

地域包括支援センターには、原則として3種類の専門職が配置されています。誰に当たるかで話の進み方が変わるので、こちらの困りごとを最初に一言で伝えると、適した人に回してもらえます。

職種 得意な領域 こう伝えると早い
保健師(または看護師) 健康状態、医療との連携、介護予防 「退院後の生活が心配です」
社会福祉士 制度の案内、権利擁護、虐待、成年後見 「お金や手続きのことが分かりません」
主任介護支援専門員 ケアマネジャーの手配、サービスの組み立て 「ケアマネジャーを探しています」

この3職種がそろっていることが、民間の相談窓口との決定的な違いです。医療のことも、お金のことも、事業所探しも、同じ場所で受けられます。

頼めること、頼めないこと

期待して行ったのに空振りだった、という失望のほとんどは、境界を知らないことから起きます。先に線を引いておきます。

内容 頼めるか 補足
介護保険の申請の代行 できる 家族が行けないときは職員が代行する
要支援と判定された人のケアプラン作成 できる センターの本来業務のひとつ
ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)の紹介 できる 地域の一覧をもらえる
認定を受ける前の相談 できる むしろこの段階が本領
虐待・お金の管理・成年後見の相談 できる 権利擁護は法定の業務
介護予防の教室や通いの場の案内 できる 市区町村ごとに用意が違う
特定の施設を「ここがいい」と推薦する できない 公的窓口なので特定の事業者を推せない
有料老人ホームの空室状況の一括照会 できない 民間施設の在庫情報は持っていない
入居先の見学の同行・手配 できない 紹介会社や施設に直接依頼する
家事代行や見守りの直接提供 できない センター自体はサービスを提供しない

整理すると、公的な制度に乗せるところまでが地域包括支援センターの仕事で、民間サービスを比較して決める段階は別の窓口の仕事です。施設を探す段階に入ったら、紹介サービスがなぜ無料なのかを先に読んでおくと、どちらに何を頼むかの整理がつきます。

特別養護老人ホーム(特養)は、民間の紹介会社では原則として扱われません。申し込みは市区町村または施設に直接します。地域包括支援センターは申し込み方法を教えてくれる立場なので、特養が視野に入っているなら、この窓口で聞くのが最短です。

担当は「親の住所」で決まる

ここを間違えると、たらい回しにあったように感じます。担当センターは介護を受ける本人が住民票を置いている地域で決まります。相談する子の住所ではありません。

状況 連絡する先
親と同居している 自分たちの地域のセンター
親が実家に一人で住んでいる 実家のある市区町村のセンター
親を呼び寄せて住民票を移した 移した先のセンター
親が入院中で、退院先が未定 住民票のある市区町村のセンター(病院の相談室とも並行して)
親が施設に入所して住所を移した 施設のある市区町村のセンター

同じ市の中でも、担当は町丁目で分かれています。自治体のサイトに「〇〇地区担当」という一覧があるので、親の住所で引いてください。分からなければ市の高齢福祉課に電話すれば、その場でつないでもらえます。

いつ行けばいいのか

「まだ大丈夫」と思っているうちに行くのが、いちばん効きます。制度は申し込んでから使えるまでに時間がかかるものが多く、倒れてから動くと選択肢が減るからです。

きっかけ 行くべきか そこで頼むこと
転倒した、骨折した すぐ 介護保険の申請、退院後の段取り
退院の日が決まった すぐ 在宅の準備、福祉用具、住宅改修
同じ話を繰り返す、道に迷った すぐ もの忘れ相談、医療機関の案内
お金の管理が怪しくなった すぐ 権利擁護、成年後見の相談
介護している家族が限界に近い すぐ ショートステイ、負担軽減の制度
今は元気だが一人暮らし 早めに 見守り、通いの場、緊急時の連絡先の登録
親が施設入居を考え始めた 早めに 特養の申し込み方法、費用の軽減制度

認定の申請そのものは、介護保険の申請の流れにまとめています。認定の効力は申請日にさかのぼるので、迷っているなら先に申請しておくほうが得です。

要支援と要介護で、担当が変わる

認定の結果によって、ケアプランを作る人が変わります。ここは知らないと混乱するところです。

認定 ケアプランを作るのは 窓口の実感
非該当(自立) 市区町村の総合事業や通いの場を案内される
要支援1・2 地域包括支援センター(介護予防支援) センターが担当を続ける
要介護1〜5 居宅介護支援事業所のケアマネジャー センターから引き継がれる

2024年4月から、要支援の人のケアプラン作成(介護予防支援)を、居宅介護支援事業所が市区町村の指定を受けて直接行えるようになりました。地域包括支援センターの業務が過密になっていることへの対応です。つまり要支援でも、そのままケアマネジャーが担当する地域が増えています。

要介護になってからのケアマネジャー選びは、その後の介護の質を大きく左右します。ケアマネジャーの選び方と変え方で、合わないときの変え方まで書いています。

相談は無料。認定前でもいい

よくある誤解をまとめておきます。どれも「行かなくていい理由」になってしまっているものです。

よくある思い込み 実際
認定を受けてからでないと相談できない 申請前でも相談できる。申請の代行もしてくれる
相談したらお金がかかる 無料。ケアプラン作成にも自己負担はない
本人が行かないと相談できない 家族だけで相談できる。本人不在でも話は進む
相談したらサービスを使わされる 使うかどうかは家族が決める
親が拒否しているから意味がない 拒否されている前提での進め方を相談できる
市役所に行けば同じこと 市役所は手続きの窓口。段取りの相談はセンターのほうが厚い

とくに最後の1つは大きな差です。市区町村の窓口は申請という行為を処理する場所で、地域包括支援センターはその家の事情に合わせて順番を決める場所です。両方使ってかまいません。

窓口はあっても、地域にサービスがあるとは限らない

ここからは、マモリアが厚生労働省の公表データを独自に集計して分かったことです。相談窓口は全国5,487か所ありますが、相談した先で使えるサービスがその地域にあるかどうかは、まったく別の問題です。

全国1,889市区町村について、主要なサービスが1つも存在しない自治体の数を数えました。

サービス 1つもない市区町村 割合
夜間に来てもらえる3サービスがどれもない 1,089 57.6%
夜間対応型訪問介護 1,776 94.0%
看護小規模多機能型居宅介護 1,332 70.5%
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 1,280 67.8%
認知症対応型通所介護 914 48.4%
訪問リハビリテーション 647 34.3%
小規模多機能型居宅介護 608 32.2%
通所リハビリテーション(デイケア) 420 22.2%
訪問看護 363 19.2%
リハビリの受け皿がどれもない 359 19.0%
訪問介護(ホームヘルプ) 113 6.0%
特別養護老人ホーム(広域型・地域密着型のどちらも) 91 4.8%
窓口はあっても、地域にサービスがあるとは限らない夜間対応型訪問介護 1,776自治体 94.0%; 看護小規模多機能型居宅介護 1,332自治体 70.5%; 定期巡回・随時対応型 1,280自治体 67.8%; 夜間の3サービスがどれもない 1,089自治体 57.6%; 認知症対応型通所介護 914自治体 48.4%; 訪問リハビリテーション 647自治体 34.3%; 小規模多機能型居宅介護 608自治体 32.2%; 通所リハビリ(デイケア) 420自治体 22.2%; 訪問看護 363自治体 19.2%; リハビリの受け皿がどれもない 359自治体 19.0%; 訪問介護(ホームヘルプ) 113自治体 6.0%; 特別養護老人ホーム 91自治体 4.8%窓口はあっても、地域にサービスがあるとは限らない全国1,889市区町村のうち、そのサービスが1つもない自治体夜間対応型訪問介護1,776自治体 94.0%看護小規模多機能型居宅介護1,332自治体 70.5%定期巡回・随時対応型1,280自治体 67.8%夜間の3サービスがどれもない1,089自治体 57.6%認知症対応型通所介護914自治体 48.4%訪問リハビリテーション647自治体 34.3%小規模多機能型居宅介護608自治体 32.2%通所リハビリ(デイケア)420自治体 22.2%訪問看護363自治体 19.2%リハビリの受け皿がどれもない359自治体 19.0%訪問介護(ホームヘルプ)113自治体 6.0%特別養護老人ホーム91自治体 4.8%相談してから「ないんです」と言われる前に、地域に何があるかを先に調べておく

出典:マモリア独自集計。介護サービス情報公表システム(厚生労働省)2026年6月末時点。全国1,889市区町村について、そのサービスの事業所が1つも存在しない自治体を数えたもの

出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)/2026年6月末時点のデータをマモリアが集計。同一施設の重複を名寄せしたうえで市区町村ごとに数えています。定員欄は未報告が半数近くを占めるため集計に使用していません。

とくに影響が大きいのが夜間です。夜間に自宅へ来てもらえるサービスが1つもない市区町村は1,089、全体の57.6%にあたります。「24時間対応があるから在宅で大丈夫」という説明は、半分以上の地域では最初から成り立ちません。夜中に親が倒れたら誰が来るのかで、その場合に何ができるかを整理しています。

相談に行くときは、親の住む市区町村に何があるかを先に調べてから行くと話が速くなります。「うちの地域には訪問看護がないと聞きましたが、その前提でどう組みますか」と聞ける家族と、そうでない家族とでは、出てくる案が変わります。

ケアマネ事業所の34.7%はホームページがない

要介護と判定されると、地域包括支援センターから居宅介護支援事業所へ引き継がれます。このとき「自分で探してください」と一覧を渡されることがあります。ここで多くの家族がつまずきます。

項目 実測値
全国の居宅介護支援事業所 36,171
公式サイトを持っていない割合 34.7%
事業所が1つしかない市区町村 201
1つもない市区町村 31
市区町村あたりの中央値 9事業所
HPなし率が高い県 宮崎県 50.0%/大阪府 45.4%
HPなし率が低い県 福井県 20.3%

出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)/2026年6月末時点をマモリアが集計

3件に1件はネット上に情報がありません。つまり検索だけで選ぼうとすると、地域の選択肢の3分の1が最初から視界に入りません。だからこそ、地域包括支援センターで一覧をもらう意味があります。紙の一覧には、サイトを持たない事業所も載っています。

一覧を受け取るときは、「この中で、今すぐ受けられるところはどこですか」と一言添えてください。空きの状況はセンターの職員がいちばん把握しています。訪問介護が見つからない理由と探し方でも同じ構造を扱っています。

遠くに住んでいる場合

子が別の都道府県に住んでいる、いわゆる遠距離介護でも、相談は成り立ちます。窓口は親の住所地のセンターです。

やること ポイント
電話で相談を始める 初回から訪問しなくてよい。まず電話で状況を伝える
帰省の日程を先に伝える その日に合わせて面談や認定調査を組んでもらえる
連絡先を家族として登録する 緊急時にどこへ連絡するかを決めておく
近所の人の連絡先を共有する 異変に最初に気づくのは近隣であることが多い
呼び寄せを検討する場合 住民票を移すと担当センターも変わる。移す前に両方へ相談

認定調査は本人と会って行うため、日程調整が必要です。帰省の予定が決まっているなら、その日を先に伝えておくと1回の帰省で済みます。

相談の前に用意しておくもの

手ぶらでも相談はできますが、次の情報があると初回で話が進みます。

用意するもの なぜ必要か
介護保険被保険者証 65歳の誕生月に届いている。申請に使う
健康保険証 医療との連携に必要
かかりつけ医の名前と病院名 主治医意見書の依頼先になる
飲んでいる薬(お薬手帳) 状態の把握が早くなる
困っていることを3つ書いたメモ 口頭だと要点が散る。順位をつけて伝える
1日の過ごし方のメモ 起床・食事・排泄・就寝の様子。認定調査でも使う
家族が出せる時間と距離 誰が何曜日に動けるかで、組めるプランが変わる

とくに効くのが最後の1つです。家族が出せる時間を先に伝えると、実現しないプランを組まずに済みます。「毎日は無理だが週末は行ける」と正直に言ってかまいません。

うまくいかないと感じたとき

公的な窓口とはいえ、担当者との相性はあります。話が進まないと感じたときの手だては3つあります。

状況 できること
担当者と話が噛み合わない センター内の別の職種に相談したいと伝える
センター全体の対応に不満がある 市区町村の高齢福祉課に相談する。委託元は市区町村
要介護になり、ケアマネジャーが合わない 事業所は変更できる。理由の説明は不要
施設探しの段階に入った 紹介サービスや施設への直接連絡に切り替える
費用が続くか不安 負担限度額認定など軽減制度を市区町村で確認する

センターは市区町村から委託を受けて運営されているので、最終的な責任は市区町村にあります。苦情の持ち込み先は高齢福祉課です。遠慮する必要はありません。

施設を検討する段階に入ったら、老人ホームの種類と費用の比較特養の待機期間年金だけで入れる施設を順に読むと、費用の全体像がつかめます。認知症がある場合は認知症でも入れる施設はどこか、見学に行くなら見学で必ず聞くべき12の質問が役に立ちます。

よくある質問

親はまだ元気ですが、相談していいですか。

かまいません。介護保険の認定を受けていない人も対象です。むしろ元気なうちに一度つないでおくと、倒れたときの動き出しが早くなります。見守りや通いの場など、認定がなくても使える仕組みを案内してもらえます。

相談にお金はかかりますか。

かかりません。相談も、申請の代行も、要支援の人のケアプラン作成も自己負担はありません。費用が発生するのは、実際に介護サービスを使い始めてからです。

本人が「まだ必要ない」と拒みます。

家族だけで相談できます。本人が拒否している前提で、どう切り出すか、誰から話すと受け入れやすいかまで相談に乗ってもらえます。「介護保険」という言葉を使わず、「市の健康チェック」と伝えて進める家庭もあります。

私は遠方に住んでいます。どこに連絡しますか。

親が住民票を置いている市区町村のセンターです。子の住所は関係ありません。初回は電話でかまいません。帰省の日程を伝えておくと、その日に面談や認定調査を合わせてもらえます。

市役所とどう使い分けますか。

市区町村の窓口は申請などの手続きを処理する場所、地域包括支援センターは家の事情に合わせて順番を決める場所です。申請だけなら市役所で完結しますが、何から手をつけるか分からない段階ではセンターのほうが向いています。両方使ってかまいません。

おすすめの施設を教えてもらえますか。

特定の事業者を推薦することはできません。公的な窓口だからです。ただし地域にどんな種類の施設があるか、特養の申し込み方法、費用の軽減制度は教えてもらえます。民間施設を比較する段階になったら、紹介サービスや施設への直接連絡に切り替えることになります。

要支援と要介護で、担当は変わりますか。

要支援1・2は地域包括支援センターが介護予防支援を担当し、要介護1〜5は居宅介護支援事業所のケアマネジャーに引き継がれます。ただし2024年4月から、要支援の人のケアプラン作成も居宅介護支援事業所が市区町村の指定を受けて直接行えるようになりました。地域によって運用が違います。

ケアマネジャーの一覧をもらいましたが、選べません。

「この中で今すぐ受けられるところはどこですか」と聞いてください。空き状況はセンターがいちばん把握しています。なお全国の居宅介護支援事業所の34.7%は公式サイトを持っていないため、ネット検索だけで選ぼうとすると選択肢の3分の1が見えません。一覧をもらう意味はそこにあります。

相談したら、サービスを使うことになりますか。

なりません。使うかどうかを決めるのは家族です。情報だけ持ち帰って、いま何もしないという結論でもかまいません。ただし介護保険の申請だけは、認定に1か月前後かかるので先に出しておくほうが選択肢が広がります。

地域に必要なサービスがないと言われました。

実際に起こります。夜間に来てもらえるサービスが1つもない市区町村は1,089、全体の57.6%です。訪問看護がない市区町村も363あります。その場合は、隣接する市区町村の事業所が来られるか、ショートステイで補えるか、通いの回数を増やせるかを順に検討することになります。地域密着型のサービスは原則その市区町村の住民しか使えないので、そこも含めて相談してください。

相談はできても地域にそのサービスが存在しない場合、残る選択肢は保険外の自費サービスです。介護保険を使わないため費用は全額自己負担になりますが、時間帯・内容・回数を自由に決められ、保険では頼めない付き添いや見守りも依頼できます。夜間だけ、退院後の2週間だけ、といった短期の使い方もできます。

お金の管理が怪しくなってきたとき、地域包括支援センターは相談に乗ってくれますが、実際の手続きは家族が選んで進めることになります。対策には成年後見制度と家族信託の2つがあります。家族信託は財産の管理を家族に託す契約で、親に判断能力があるうちでなければ結べません。認知症が進んでからでは選べなくなる仕組みなので、迷っている段階で一度確認しておくほうが選択肢が残ります。契約には費用がかかります。

親が施設に移ったあと、実家をどうするか

在宅から施設へ切り替えると、実家が空いたままになります。空き家は持っているだけで固定資産税と管理の負担が続きます。急いで決める必要はありませんが、選択肢だけは知っておいてください。姉妹サイトの実家じまいナビで扱っています。

相談の結果、施設も視野に入れることになったら、次にやることは資料を集めることです。パンフレットの月額と、実際に毎月出ていく額は別物なので、複数の施設の資料を並べて比べてください。