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カテゴリー: 介護のお金

入居費用と年金の逆算。申請しないと適用されない負担軽減制度。

実際に、いくらかかっているのか

推計ではなく、実際に介護をした人が答えた金額です。生命保険文化センターが2024年に全国4,000世帯へ行った調査のうち、過去3年間に介護経験のある595人の回答です。

9.0万円
月々の平均
47.2万円
最初にかかる一時費用
住宅改修・介護ベッドなど
4年7か月
介護期間の平均
55.0か月
約540万円
上の3つから出した概算
47.2万+9.0万×55か月

出典:生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」表8-24/8-27/8-28(n=595)。「約540万円」は平均どうしを掛けた概算で、調査が出している数字ではありません。

この9.0万円は介護保険の自己負担だけの金額ではありません。保険が効かないおむつ代、配食、交通費、住宅の細かな改造まで含めて「払ったお金」です。だから「1割負担だから安いはず」という感覚と合いません。

知りたいことから、記事へ

下にはもっと細かい記事も並んでいます。まずは上の6つのどれかから読むと早いです。

月にいくら払っているか(人数の分布)

平均の9.0万円だけを見ると誤解します。実際はばらつきが非常に大きく、15万円以上を払っている人が5人に1人います。

出典:同調査 表8-28(n=595)。

在宅と施設で、2.6倍ちがう

5.3万円
在宅で介護した場合の月額平均
2.6倍
13.8万円
施設で介護した場合の月額平均

出典:同調査 表8-28。介護を行った場所は在宅58.3%、施設40.3%(表8-25・複数回答)。

では、介護保険でどこまで賄えるのか

要介護度を選んでください。使えるサービスの上限額と、そのとき自分がいくら払うか、そして実際にはみんなどのくらい使っているかが出ます。


上限額の出典:厚生労働省告示第33号(令和元年10月適用・現在も同額)。1単位=10円で計算した目安で、実際は地域とサービス種類により10〜11.40円です。負担割合の構成比は社会保障審議会介護保険部会 第108回 資料1(令和5年11月)、時点は令和4年前後。平均利用率は厚生労働省「平成29年度 介護給付費等実態調査の概況」図4(平成30年4月審査分)=この指標は現在は公表されていないため、最新の実態とは差がある可能性があります。

上限額いっぱいまで使っている人は、ほとんどいません。いちばん重い要介護5でも、実際の利用は上限の65.6%どまりでした。理由は2つあります。自己負担が増えるからと、そもそも地域にサービスが無いからです。後者は地域のデータで自分の市区町村を確認できます。

保険が効かないもの

月9.0万円の正体はここにあります。介護保険を使っていても、次のものは自費です。

費目 扱い
在宅で使うおむつ代 全額自費(施設入所とショートステイでは保険給付に含まれ、施設は徴収できない)
施設の食費・居住費 自費。ただし住民税非課税世帯などは負担限度額認定で下がる
日常生活費 歯ブラシ・化粧品、クラブ活動の材料費、理美容代、予防接種の費用など
草むしり・ペットの世話・大掃除 生活援助の対象外(老振第76号)。保険外サービスとしてなら頼める
家族の分の食事・洗濯・買い物 対象外。ヘルパーは本人のためだけに動く
配食・見守り・外出の付き添い 多くは保険外。市区町村独自の助成があることも

出典:厚生労働省 老企第54号(平成12年3月30日)/老振第76号・老計第10号/老高発0928第1号(平成30年9月28日)。おむつ代は「施設なら給付に含まれる/在宅なら自費」で、ここを混同している解説が多いので注意してください。

払いすぎたぶんは戻る(高額介護サービス費)

1か月の自己負担が上限を超えたら、超えた分は申請すれば戻ります。ただし食費・居住費・日常生活費・福祉用具購入・住宅改修は、この上限の計算に入りません。

区分 上限額(月額)
生活保護を受給している方等 15,000円(個人)
住民税世帯非課税で、年金収入等が82万6,500円以下 24,600円(世帯)/15,000円(個人)
住民税世帯非課税(上記以外) 24,600円(世帯)
住民税課税〜課税所得380万円未満(年収約770万円未満) 44,400円(世帯)
課税所得380万〜690万円未満(年収約1,160万円未満) 93,000円(世帯)
課税所得690万円以上 140,100円(世帯)

出典:厚生労働省 介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」。年金収入等の基準額は令和8年8月1日から80万9千円→82万6,500円に変わりました。

申請しないと1円も戻らない。出し方はこれだけ

介護のお金で損をするのは、制度を知らないからではなく申請していないからです。どれも役所が勝手にやってはくれません。窓口はほとんどが市区町村の介護保険担当課で、迷ったら担当のケアマネジャーに「これ、出してますか」と聞くのが最短です。

制度 何が変わるか 窓口と出し方
介護保険負担限度額認定 施設入所・ショートステイの食費と居住費が下がる 市区町村の介護保険担当課。住民税非課税世帯で預貯金額の基準を満たす人が対象。通帳の写しとマイナンバーが要ります。有効期間は8月1日から翌年7月31日。毎年出し直しです。
高額介護サービス費 1か月の自己負担が上限を超えた分が戻る 初回だけ申請すれば、以後は自動で振り込む自治体が多いです。該当のお知らせが来ないこともあるので、上限を超えた月があれば自分から確認を。時効は2年。
高額医療・高額介護合算療養費 1年分(8月〜翌年7月)の医療と介護の合計が上限を超えた分が戻る 介護保険担当課、または加入している医療保険の窓口。医療と介護を別々に見ていると気づけません。
住宅改修費(上限20万円)/福祉用具購入費(年10万円) 手すり・段差解消・すべり止めなどの費用の7〜9割が戻る 工事の前に申請します。着工してからでは出ません。ケアマネジャーの理由書が必要です。
障害者控除対象者認定 要介護認定を受けている人は所得税・住民税の障害者控除を受けられる場合がある 市区町村の高齢福祉担当課で「障害者控除対象者認定書」を取ります。障害者手帳は要りません。過去の年分も、更正の請求で5年さかのぼれます。

必要書類と様式は市区町村ごとに違います。電話で「◯◯の申請をしたいのですが、何を持っていけばいいですか」と聞けば、その場で教えてもらえます。毎年出し直すもの(負担限度額認定)と、期限を過ぎると戻らないもの(高額介護サービス費の2年)があります。思い当たったら、その月のうちに動いてください。

みんな、どうしているのか

お金の話の裏側には、必ず「誰がやるのか」があります。

46.1%
同居の家族が主な介護者
配偶者22.5%・子18.2%・子の配偶者4.2%
13.4%
別居の家族等
16.0%
事業者
10.6万人
1年間に介護・看護で離職した人
うち女性が75.3%

出典:厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査」Ⅳ 介護の状況(不詳23.9%)/内閣府「令和7年版高齢社会白書」図1-2-2-10(総務省「就業構造基本調査」令和4年・令和3年10月〜令和4年9月の1年間)。

介護費用の話が「いくら貯めるか」で終わると、たいてい間に合いません。実際に効くのは、負担限度額認定や高額介護サービス費のように申請しないと適用されない制度を取りこぼさないことと、働き続けられる形にすることです。介護休業は93日ありますが、使っている人は介護中の雇用者の1.6%しかいません。

この下に、お金の記事が並んでいます

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