投稿者: kn-mamoria

  • 訪問介護が見つからない理由|事業所の4割はネットに出ていない

    ※ 本ページはプロモーションを含みます。

    「ヘルパーさんに来てもらいたいのに、どこも空きがないと言われる」

    在宅介護を始めた方から、いちばんよく聞く困りごとです。

    事業所の数が足りないわけではありません。訪問介護は全国に35,044事業所あり、介護サービスの中で最多です。それでも見つからない。理由は別のところにあります。

    全国215,404の介護事業所を集計したデータから、その構造をお伝えします。

    訪問介護で何をしてもらえるか

    まず整理しておきます。訪問介護は大きく2つに分かれます。

    区分 内容 時間の目安
    身体介護 入浴、排泄、食事、着替え、体位変換、通院の付き添い 20分〜1時間以上
    生活援助 調理、洗濯、掃除、買い物、薬の受け取り 20分〜45分以上

    そして「できないこと」があります。ここを知らずに頼んで断られるケースが多くあります。

    できないこと 理由
    本人以外の食事を作る 本人へのサービスに限られる
    本人が使わない部屋の掃除 同上
    庭の草むしり、ペットの世話 日常生活の援助の範囲外
    大掃除、窓拭き、家具の移動 日常的な家事の範囲外
    金銭の管理、預貯金の引き出し 原則不可
    家族の分の買い物 本人の分のみ
    医療行為 一部を除き不可

    同居家族がいる場合、生活援助は原則使えません。やむを得ない事情(家族が働いている、病気、障害があるなど)があれば認められますが、ケアマネジャーが理由をプランに記載する必要があります。

    事業所は多い。でも1つひとつが小さい

    全国の訪問介護事業所35,044か所を運営しているのは24,670法人です。そのうち──

    21,702法人(88%)が、事業所を1つしか運営していません。

    つまり大半が、数人から十数人のヘルパーで回している小さな事業所です。大手チェーンのようにヘルパーを融通し合える体制ではありません。

    1人が辞めると、その分の稼働がそのまま消えます。だから「空きがない」と言われる。事業所の数の問題ではなく、1事業所あたりの余力の問題です。

    地域の分布

    全国の事業所数 35,044
    存在する自治体 1,775
    ゼロの自治体 114
    1自治体あたりの中央値 7事業所
    1事業所しかない自治体 286

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)2026年6月末時点。当サイトで重複を整理して集計。

    286の自治体では事業所が1つだけ。そこが埋まっていれば、選択肢がありません。

    そして、40%はネットに情報を出していない

    訪問介護事業所の40.2%は、公式サイトを持っていません。

    これは全サービス種別の中でも高い数字です。参考までに、特別養護老人ホームは3.4%です。

    理由は上と同じで、小規模な事業所が多いためです。ホームページを作る余力も、その必要性もない。多くはケアマネジャーからの紹介だけで利用者が埋まります。

    地域差は2倍

    情報が出ていない県 事業所数 HPなし率
    大阪府 5,096 54.2%
    和歌山県 574 53.7%
    三重県 582 48.1%
    宮崎県 444 48.0%
    情報が出ている県 事業所数 HPなし率
    東京都 2,951 28.0%
    新潟県 361 28.3%
    長野県 468 29.5%
    神奈川県 2,111 32.8%

    大阪府は事業所数5,096で全国最多なのに、半数以上がネットに情報を出していません。数の多さと調べやすさは、まったく別の話です。

    つまりネットで「地域名+訪問介護」と検索しても、事業所の4割はそもそも出てきません。自力で探そうとすると、最初から6割しか見えていない状態になります。

    だから、ケアマネジャー経由が基本

    訪問介護を探す正しい方法は、担当のケアマネジャーに依頼することです。

    ケアマネジャーは地域の事業所と日常的にやり取りしていて、どこに空きがあるか、どこが何を得意としているかを把握しています。ネットに出ていない事業所も知っています。

    もしケアマネジャーがまだ決まっていないなら、地域包括支援センターへ。市区町村が設置している無料の相談窓口です。

    それでも見つからないときの6つのコツ

    ケアマネジャーに頼んでも決まらない場合、条件の出し方を変えると動くことがあります。

    1. 曜日と時間帯を広げる

    平日の午前中に希望が集中します。多くの家庭が同じ時間を求めるためです。

    時間帯 混み具合
    平日 8〜11時 最も混む(起床、朝食、排泄の介助)
    平日 11〜14時 混む(昼食)
    平日 14〜17時 比較的空いている
    平日 17〜19時 混む(夕食)
    土日 比較的空いている

    「この時間でないと駄目」を一度外して、可能な範囲を全部伝えてください。

    2. 短時間から始める

    いきなり週3回・1回2時間を求めると、受け手が限られます。週1回・30分から始めて、関係ができてから増やす方が入りやすいです。

    3. 複数の事業所を組み合わせる

    1つの事業所ですべての曜日を埋める必要はありません。月水は A 事業所、金は B 事業所、という組み方ができます。ケアマネジャーに「複数でも構いません」と伝えてください。

    4. 隣接する市区町村も対象に入れる

    訪問介護は地域密着型ではないため、市外の事業所も利用できます。(訪問できる距離であれば)

    自宅が市境に近い場合、隣の市の事業所の方が近いこともあります。

    5. 小規模多機能型を検討する

    通い・訪問・泊まりを1つの事業所がまとめて提供します。「訪問だけ」で探すより枠が取りやすいことがあります。

    ただし全国5,373か所で、608自治体(32%)には存在しません。地域にあるかは確認が必要です。

    6. 定期巡回を確認する

    1日複数回の短時間訪問と、緊急時の呼び出しがセットになった月額定額のサービスです。排泄介助が1日に何度も必要な場合は、訪問介護を細切れに使うよりこちらが向いています。

    ただし1,418事業所しかなく、1,273自治体(67%)には存在しません。

    依頼するときに伝えるべきこと

    事業所側も、条件が合わないと受けられません。最初に正確に伝えると話が早く進みます。

    伝えること 具体例
    やってほしいこと 「入浴介助」「排泄介助」「調理」など具体的に
    本人の状態 歩けるか、体重、麻痺の有無
    認知症の有無と症状 拒否や暴言があれば必ず伝える
    医療的ケア たん吸引などの有無
    家族の在宅状況 誰かいるのか、独居なのか
    住環境 エレベーターの有無、駐車場、玄関の段差
    外せない曜日・時間 通院日、家族が対応できる日

    とくに認知症で拒否がある、暴言があるという場合は、隠さず伝えてください。

    ヘルパーが訪問して初めて分かると、そのまま続けられなくなります。最初から分かっていれば、対応できる経験のあるヘルパーを充ててもらえます。

    ヘルパーが来る日の準備

    初回訪問の前に整えておくと、その後がスムーズです。

    準備すること 理由
    使う道具の場所を決める 掃除用具、タオル、着替えの位置を固定する
    手順を紙に書いて貼る 担当者が代わっても同じようにできる
    本人に説明しておく 「知らない人が家に入る」と混乱する
    貴重品を片付ける トラブルを未然に防ぐ
    鍵の受け渡しを決める 不在時に入る場合はキーボックス等

    本人への説明がいちばん大事です。認知症がある場合、突然知らない人が来ると強く拒否することがあります。

    「体を楽にするために来てもらう人」「お手伝いに来てくれる人」といった説明を、事前に何度か伝えておいてください。

    初回で拒否されたら

    珍しくありません。1回で諦めないでください。

    対応 内容
    家族が同席する 初回だけでも一緒にいる
    短時間から始める 15〜20分の掃除だけなど
    顔なじみを作る 同じヘルパーに数回来てもらう
    目的を変える 介護ではなく「話し相手」から入る

    事業所に「拒否がある」と伝えておけば、経験のあるヘルパーを充ててもらえます。

    よくある失敗

    失敗 なぜ起きるか 対策
    平日午前だけで探した 家族の都合を優先 夕方・土日も候補に入れる
    いきなり週3回2時間を希望 必要量から逆算した 短時間から始めて増やす
    1事業所で全部埋めようとした 分けられると知らない 複数の組み合わせを依頼
    認知症の症状を隠した 断られるのが怖い 最初に伝える方が続く
    ネットだけで探した 40%が情報なし ケアマネか地域包括へ
    「できないこと」を頼んだ 範囲を知らない 事前に確認する
    市内だけで探した 制限があると思い込み 市外の事業所も使える

    ヘルパーとの付き合い方

    決まった後も、続けるための工夫があります。

    やること 理由
    やってほしいことを紙に書いて貼る 担当者が代わっても伝わる
    本人の好みを伝える 食事、入浴の温度、呼び方など
    変更は事業所に伝える ヘルパー個人に直接頼まない
    感謝を伝える 人が動いている。関係が続く

    ヘルパー個人に直接お願いごとをするのは避けてください。サービス内容の変更はケアプランに関わるため、事業所またはケアマネジャーを通す必要があります。ヘルパー本人も困ります。

    また、担当者が固定とは限りません。シフト制なので複数の人が来ます。だからこそ、手順を紙にしておくと引き継ぎがスムーズです。

    ヘルパーが確保できないときは

    在宅介護は、訪問介護が入らないと成立しません。

    家族だけで、食事・入浴・排泄をすべて担うのは、働きながらでは持ちません。数か月で限界が来ます。

    ヘルパーが確保できない状態が続くなら、在宅を続けること自体を見直す時期かもしれません。

    代替案 内容
    デイサービスを増やす 全国24,124か所。入浴も食事も対応
    ショートステイを定期的に 14,963か所。ゼロの自治体は83だけ
    小規模多機能型に切り替える 通い・訪問・泊まりを一体で
    施設入居を検討する 限界が来る前に情報だけでも

    在宅を続けながらでも、施設の情報は集めておいてください。

    限界が来てから探すと、空いているところに入るしかなくなります。資料を取り寄せておくだけで、判断の速さが違います。

    条件に合う施設の資料を無料で取り寄せる

    まとめ

    1. 事業所は多いが、88%が1事業所のみの小規模運営。余力がないので空きが出にくい
    2. 40%はネットに情報がない。自力で検索しても4割は見えない
    3. ケアマネジャー経由が基本。いなければ地域包括支援センターへ
    4. 時間帯を広げる、短時間から始める、複数事業所を組み合わせる
    5. 市外の事業所も使える
    6. できないことを知っておく。同居家族がいると生活援助は原則不可
    7. 確保できない状態が続くなら、在宅の継続を見直す時期

    限度額を使い切っているか確認する

    見落とされがちですが、区分支給限度額に余裕があるのに使っていないケースが多くあります。

    要介護度 区分支給限度額(月)
    要介護1 約17万円
    要介護2 約20万円
    要介護3 約27万円
    要介護4 約31万円
    要介護5 約36万円

    ※ 金額は目安。地域区分により変動します。自己負担はこの1〜3割です。

    ケアプランに利用率が書かれています。50%程度なら、まだ増やせます。

    遠慮して使っていないと、特養の申込みでも不利になります。「在宅サービスを使い切ってもなお厳しい」という記録が、必要性の証明になるからです。

    次にやること

    まずケアマネジャーに、上のコツを踏まえて条件を出し直してください。それでも決まらないなら、在宅以外の選択肢も並行して見ておいてください。

    資料を取り寄せて、見学を申し込む

    ※ 無料で利用できます。特別養護老人ホームはこのサービスの対象外です。特養は市区町村の窓口かケアマネジャーへ。

    よくある質問

    同居している家族がいると、ヘルパーは使えませんか。

    身体介護は使えます。生活援助(調理・掃除など)は原則使えませんが、家族が働いている、病気や障害がある、高齢であるといった事情があれば認められます。ケアマネジャーが理由をケアプランに記載する必要があるので、家族の状況を正確に伝えてください。

    ヘルパーが合わない場合、変えてもらえますか。

    変えてもらえます。事業所またはケアマネジャーに伝えてください。ヘルパー本人に直接言う必要はありません。相性の問題は誰にでもあるので、遠慮しなくて構いません。

    費用はどのくらいかかりますか。

    介護保険の1〜3割負担です。身体介護30分未満で1回あたり数百円程度(自己負担1割の場合)が目安です。ただし要介護度ごとの限度額を超えると全額自己負担になります。ケアマネジャーが限度額内で調整します。

    通院の付き添いは頼めますか。

    条件付きで可能です。「通院等乗降介助」というサービスがあり、車の乗り降りの介助が対象になります。ただし病院内での待ち時間や受診の付き添いは原則対象外です(院内での介助が必要と認められる場合を除く)。

    緊急のときも来てもらえますか。

    通常の訪問介護はあらかじめ決まった時間に来るサービスです。緊急時の呼び出しには対応しません。呼び出し対応が必要なら定期巡回・随時対応型を検討してください。ただし1,273自治体には存在しません。

    市外の事業所でも使えますか。

    使えます。訪問介護は地域密着型サービスではないため、市区町村をまたいで利用できます。訪問できる距離であることが条件です。自宅が市境に近い場合は、隣の市の事業所も候補に入れてください。

    ヘルパーが毎回違う人で不安です。

    シフト制なので複数の人が来るのが一般的です。やってほしいことを紙に書いて貼っておくと、誰が来ても手順が伝わります。どうしても固定してほしい場合は事業所に相談してみてください(人員体制によります)。

    サービスの内容を後から変えられますか。

    変えられます。ケアマネジャーに相談してください。ケアプランの変更手続きが必要ですが、費用はかかりません。本人の状態は変化するので、定期的な見直しはむしろ当然です。月1回の訪問時に伝えるのが確実です。

    男性のヘルパーを断ることはできますか。

    希望は伝えられます。入浴や排泄の介助では同性を希望する方が多く、事業所も配慮します。ただし人員体制によっては応じられない場合もあります。契約前に「同性介助を希望する」と伝えておいてください。

    ヘルパーに家の物が壊されたら、どうなりますか。

    事業所が損害賠償保険に加入しているのが一般的です。契約前に保険の有無を確認しておいてください。万一の際は、まず事業所に連絡します。ヘルパー個人と直接やり取りしないでください。

    事業所が地域に1つしかありません。

    全国で286の自治体が、この状況です。まずその事業所に空きがあるか確認し、なければ隣接する市区町村の事業所を当たってください。市外の事業所も利用できます。それも難しければ、デイサービスやショートステイで補う形をケアマネジャーと相談してください。

    この記事のデータについて

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)/2026年6月末時点

    同一事業所が複数の指定区分で重複登録されているケースを、事業所名と住所で名寄せして整理しています。都道府県別の比率は事業所数300件以上の県で算出しています。

    サービスの利用可否や提供範囲は事業所ごと、また市区町村の運用によって異なります。実際の利用は担当のケアマネジャーにご相談ください。制度の内容は改正により変更される場合があります。

  • 有料老人ホームの入居一時金|返金の条件と確認すべき3つの数字

    ※ 本ページはプロモーションを含みます。

    有料老人ホームの入居一時金は、数十万円から数千万円まで幅があります。

    そしてこの一時金をめぐるトラブルが、施設に関する相談で最も多いとされています。「短期間で亡くなったのに、ほとんど返ってこなかった」というものです。

    これは施設が悪いのではなく、仕組みを知らずに契約したことが原因であることがほとんどです。この記事では、契約前に必ず確認すべき3つの数字を説明します。

    そもそも一時金とは何か

    将来受け取る家賃を、前払いしているお金です。

    たとえば「一時金600万円、想定居住期間5年」なら、5年分の家賃を前払いしていることになります。そのぶん月額が安く設定されます。

    だから5年住めば、一時金はすべて使い切ったことになります。返金はありません。これは正常な仕組みです。

    問題は、5年より早く退去した場合に何が起きるかです。

    確認すべき3つの数字

    1. 初期償却率

    入居した時点で、返金対象から外れる割合です。

    初期償却30%なら、一時金600万円のうち180万円は入居初日に消えます。翌日に亡くなっても返ってきません。

    • 一般的には0〜30%
    • 0%の施設もあります。必ず確認してください
    • ここが最も見落とされます

    2. 償却期間

    残りの金額を、何年かけて使い切るかです。

    初期償却30%・償却期間5年なら、残りの420万円を60か月で割って、月7万円ずつ減っていきます。

    • 3年の施設もあれば、7年、10年の施設もあります
    • 期間が長いほど、早く退去したときの返金は多くなります

    3. 途中退去したときの返金額

    上の2つから計算できますが、必ず具体的な金額を出してもらってください。

    「1年で退去した場合、いくら戻りますか」

    「3年で退去した場合は」

    口頭ではなく、書面で出してもらうのが確実です。契約書には計算式しか書かれていないことが多く、実際の金額がイメージできません。

    計算してみる

    一時金600万円、初期償却30%、償却期間5年の場合。

    退去時期 返金額
    入居直後 420万円
    1年後 336万円
    2年後 252万円
    3年後 168万円
    5年後 0円

    入居直後でも180万円は戻りません。これが初期償却です。

    同じ600万円でも、初期償却0%・償却期間5年なら、入居直後の返金は600万円です。初期償却率の違いだけで180万円の差が出ます。

    90日以内なら全額返る(クーリングオフ)

    老人福祉法により、入居から90日以内に契約を解除した場合、一時金は全額返還されます。

    • 実際に居住した日数分の家賃・食費・介護費は差し引かれます
    • 初期償却分も返還対象です
    • 本人が亡くなった場合も適用されます

    これを「短期解約特例制度」といいます。

    入居後3か月は、この制度が使える期間だと覚えておいてください。「合わない」と感じたら、90日以内に判断する。実際に住んでみないと分からないことは多いので、この期間は貴重です。

    一時金ゼロの施設という選択肢

    入居一時金が0円で、月額のみの施設が増えています。

    メリット デメリット
    一時金あり 月額が安い。長く住むほど得 初期費用が重い。早期退去で損
    一時金なし 初期費用が軽い。退去しやすい 月額が高い

    どちらが得かは、何年住むかで決まります。そして何年住むかは、誰にも分かりません。

    高齢で、持病があり、状態が変わりやすい。そういう状況なら、一時金ゼロの方がリスクは低いと言えます。まとまった資金を動かさずに済むので、合わなかったときに次を探しやすい。

    契約前のチェックリスト

    • 初期償却率と償却期間
    • 短期解約特例の記載
    • 退去要件 ── 「終身」と書いてあっても、医療依存度が上がると該当することがあります
    • 月額に含まれないもの ── おむつ代、医療費、レクリエーション費、理美容代など
    • 値上げの条件

    重要事項説明書は必ずもらって、持ち帰って読んでください。その場で契約する必要はまったくありません。

    費用を抑えたいなら、一時金なしの選択肢もある

    種類 施設数 一時金 月額
    特別養護老人ホーム 7,916 なし 5〜15万円
    地域密着型特養 2,528 なし 5〜15万円
    介護老人保健施設 3,994 なし 8〜15万円
    グループホーム 14,181 0〜数十万円 12〜20万円

    特養は要介護3以上・待機ありという条件がありますが、費用面では最も負担が軽い選択肢です。

    一時金の有無を含めて、複数の施設を比較してください

    同じ地域でも、施設によって条件はまったく違います。予算を伝えれば、その範囲の施設だけを出してもらえます。

    条件に合う施設の資料を無料で取り寄せる

    まとめ

    1. 一時金は「家賃の前払い」。使い切れば返らないのは正常
    2. 初期償却率を必ず確認する。ここで数百万円の差が出る
    3. 償却期間と、途中退去時の返金額を書面で出してもらう
    4. 90日以内なら全額返る。入居後3か月は判断期間
    5. 何年住むか分からないなら、一時金ゼロの方がリスクは低い
    6. 重要事項説明書は持ち帰って読む。その場で契約しない

    次にやること

    候補が絞れてきたら、複数の施設から重要事項説明書を取り寄せて、一時金の条件を並べて比べてください。同じ地域・同じ価格帯でも、初期償却率がまったく違うことがあります。

    資料を取り寄せて、見学を申し込む

    ※ 無料で利用できます。特別養護老人ホームはこのサービスの対象外です。特養は市区町村の窓口かケアマネジャーへ。

    この記事のデータについて

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)/2026年6月末時点。施設数は当サイトで重複を整理して集計したものです。一時金の計算例は仕組みを説明するための仮定であり、実際の条件は施設ごとに異なります。契約前に必ず重要事項説明書と契約書をご確認ください。

  • 退院後のリハビリはどこで受けるか|受け皿がない自治体が19%

    ※ 本ページはプロモーションを含みます。

    脳梗塞や骨折で入院した親が、退院を告げられる。

    「あとは自宅でリハビリを続けてください」と言われても、どこで受けられるのかを説明されないまま退院日が来ることがあります。

    そして退院してから探し始めると、地域によっては受け皿がありません。全国215,404の介護事業所を集計したところ、リハビリを受けられる事業所が1つもない市区町村が359ありました。

    退院後にリハビリを受ける方法は3つ

    方法 全国の事業所数 ない自治体 内容
    デイケア(通所リハビリ) 7,630 420(22.2%) 施設に通ってリハビリを受ける
    訪問リハビリ 4,880 649(34.4%) 自宅に来てもらう
    介護老人保健施設(老健) 3,994 516(27.3%) 入所してリハビリに専念する

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)2026年6月末時点。当サイトで重複を整理して集計。全国1,889市区町村を対象。

    この3つのどれか1つでもある自治体は1,530。残りの359自治体(19%)には、介護保険で受けられるリハビリの受け皿がありません。

    とくに訪問リハビリは3分の1の自治体に存在しません。外出が難しい状態で退院した場合、この選択肢がない地域では自宅でのリハビリが成り立ちません。

    退院前にやるべきこと

    退院日が決まってから動くと、間に合いません。

    入院中に「退院調整」を依頼する

    病院には医療ソーシャルワーカー(MSW)、または地域連携室があります。ここに相談すると、退院後の生活を組み立ててくれます。

    入院が決まった時点で相談して構いません。退院間際ではなく、早いほど選択肢があります。

    要介護認定を入院中に申請する

    認定には原則30日かかります。退院してから申請すると、その間サービスが使えません。

    入院中でも申請できます。病院に相談してください。認定が下りる前でも「暫定ケアプラン」でサービスを開始できる場合があります。

    自分の地域にリハビリの受け皿があるか確認する

    これが今日いちばんお伝えしたい点です。

    「デイケア、訪問リハビリ、老健のどれがこの地域にありますか」とMSWかケアマネジャーに聞いてください。

    「ない」と言われたら、そのときは選択肢が変わります。

    リハビリの受け皿がない地域では

    老健を広域で探す

    介護老人保健施設は、原則として市外・県外からでも入所できます。(地域密着型ではないため)

    自宅の近くになくても、通える範囲の別の市に老健があれば選択肢になります。期間は原則3〜6か月で、在宅復帰を目指す施設です。

    その間に自宅の環境を整える、ということもできます。

    医療保険のリハビリを確認する

    介護保険の対象外でも、病院の外来リハビリが使える場合があります。ただし発症からの日数に制限があります(脳血管疾患は原則180日など)。主治医に確認してください。

    訪問看護のリハビリを使う

    訪問看護ステーションから、理学療法士や作業療法士が来る形があります。訪問リハビリがない地域でも、訪問看護が使えれば実質的にリハビリを受けられることがあります。

    ただし訪問看護そのものが362自治体(19.2%)には存在しません。ここも確認が必要です。

    リハビリが受けられないと何が起きるか

    退院直後は、身体機能が最も落ちている時期です。ここで動かさないと、そのまま固定します。

    • 歩けていた人が歩けなくなる
    • トイレに自分で行けなくなる
    • 寝ている時間が増え、認知機能も落ちる

    そして介護度が上がります。要介護1で退院した人が、数か月後に要介護3になる。この経過をたどる家庭が実際にあります。

    介護度が上がると、家族の負担も費用も跳ね上がります。退院後の数か月は、その後の何年かを決める期間です。

    在宅が難しいと判断したら

    正直に言うと、リハビリの受け皿がない地域で、家族が働きながら在宅を維持するのは相当に厳しいです。

    • 日中に誰もいない
    • 通所の送迎がない、あっても本人が拒否する
    • 自宅に段差があり、そもそも動けない

    こういう条件が重なると、在宅を続けること自体がリハビリの妨げになります。

    老健に入所してリハビリに専念し、その間に自宅を改修する。あるいは、そのまま施設での生活に切り替える。どちらも「諦め」ではなく、機能を守るための選択です。

    老健や、リハビリ体制のある施設の情報も先に集めておいてください

    退院日が決まってから探すと、空いているところに入るしかなくなります。

    条件に合う施設の資料を無料で取り寄せる

    まとめ

    1. 入院が決まった時点で、病院の地域連携室に相談する
    2. 要介護認定は入院中に申請する。退院後だと30日待つことになる
    3. 地域にリハビリの受け皿があるか確認する。19%の自治体には何もない
    4. 訪問リハビリがなくても、訪問看護から来られる場合がある
    5. 老健は市外からでも入所できる。近くになければ広域で探す
    6. 退院後の数か月が、その後を決める。ここで動かさないと機能が固定する

    次にやること

    まず病院の地域連携室、または担当ケアマネジャーに、地域のリハビリ体制を確認してください。

    そのうえで、在宅での継続が難しそうなら、老健を含めた施設の情報も並行して集めてください。退院日までの時間は限られています。

    資料を取り寄せて、見学を申し込む

    ※ 無料で利用できます。特別養護老人ホームはこのサービスの対象外です。特養は市区町村の窓口かケアマネジャーへ。

    この記事のデータについて

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)/2026年6月末時点。同一事業所が複数の指定区分で重複登録されているケースを、事業所名と住所で名寄せして整理しています。公表データの「定員」欄は未報告が半数近くを占めるため集計に使用せず、事業所の「数」のみを用いています。医療保険のリハビリの算定日数や要件は制度改正により変わります。実際の可否は主治医・医療機関にご確認ください。

  • ケアマネジャーの選び方と変え方|合わないなら変更できます

    ※ 本ページはプロモーションを含みます。

    介護保険を使うと決まったら、最初にやることはケアマネジャーを決めることです。

    そしてこの人選が、その後の介護の質をほぼ決めます。受けられるサービスも、施設に入るタイミングも、家族の負担も、担当者によって変わります。

    にもかかわらず、多くの方が「病院で紹介された人」「最初に電話がつながった事業所」で決めてしまいます。

    この記事では、全国36,169か所のケアマネ事業所を集計したデータをもとに、選び方と、合わなかったときの変え方をお伝えします。

    ケアマネジャーは何をする人か

    正式には「介護支援専門員」。所属先は居宅介護支援事業所です。

    やってくれること 内容
    要介護認定の申請代行 本人・家族の代わりに手続き
    ケアプランの作成 どのサービスをどれだけ使うかの計画書
    サービス事業者との調整 訪問介護、デイ、福祉用具などの手配と契約の窓口
    月1回の訪問(モニタリング) 状況を確認し、必要ならプランを見直す
    特養など施設の申込み相談 紹介サービスでは扱われない特養もここ
    サービス担当者会議の開催 関係者を集めて方針を共有

    費用は全額介護保険から出ます。利用者の自己負担はゼロです。

    ここは重要で、お金がかからないので遠慮する必要がありません。

    要支援の場合は窓口が違う

    認定 担当
    要介護1〜5 居宅介護支援事業所のケアマネジャー
    要支援1〜2 地域包括支援センター(委託される場合もある)

    要支援の段階では地域包括支援センターが計画を作ります。要介護になった時点で、居宅介護支援事業所に移ります。

    まず、地域にいくつあるか

    全国のケアマネ事業所は36,169か所。1,858の市区町村に存在します。

    ただし分布に偏りがあります。

    全国の事業所数 36,169
    存在する自治体 1,858
    ゼロの自治体 31
    1自治体あたりの中央値 9事業所
    1事業所しかない自治体 201

    中央値は9事業所。半数の自治体では9か所以下しかありません。

    1事業所しかない地域では、事実上「選ぶ」ことができません。その場合は、事業所内で担当者を替えてもらう交渉になります。

    ケアマネ事業所が多い自治体 事業所数
    和歌山県 和歌山市 212
    愛媛県 松山市 201
    東京都 世田谷区 201
    大阪府 東大阪市 196
    東京都 足立区 187

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)2026年6月末時点。当サイトで重複を整理して集計。

    探すときの障害:3分の1がネットに情報を出していない

    ここが実務上いちばん厄介な点です。

    ケアマネ事業所の34.7%は、公式サイトを持っていません。

    高齢者向け住まい全体のHPなし率が13.4%ですから、2.6倍です。介護の入口となる事業所が、いちばん調べられない状態にあります。

    理由は運営規模です。27,605法人のうち23,955法人(87%)が、事業所を1つしか持っていません。多くは病院や地域包括支援センターからの紹介で利用者が埋まるため、一般の利用者に向けて営業する必要がないのです。

    地域差も大きい

    情報が出ていない県 事業所数 HPなし率
    宮崎県 470 50.0%
    山梨県 311 49.5%
    和歌山県 473 45.9%
    大阪府 3,267 45.4%
    高知県 216 44.4%
    情報が出ている県 事業所数 HPなし率
    福井県 241 20.3%
    佐賀県 230 22.2%
    山形県 304 22.7%
    新潟県 587 24.5%
    京都府 727 24.9%

    宮崎県では半数がネットに情報を出していません。

    注目すべきは大阪府です。事業所数3,267と全国最多クラスなのに、HPなし率45.4%。数が多くても、調べられるとは限らないという例です。

    では、どうやって探すか

    地域包括支援センターに行ってください。

    市区町村が設置している高齢者の相談窓口です。ここで「居宅介護支援事業所の一覧をください」と言えば、地域のリストがもらえます。無料で、誰でも使えます。

    「近くの地域包括支援センター」で検索するか、市区町村の高齢福祉課に電話すれば場所が分かります。

    良いケアマネジャーを見分ける7つの質問

    一覧をもらったら、2〜3か所に電話してみてください。契約前に話をするのは普通のことです。

    1.「対応できる時間帯は。緊急のときは連絡がつきますか」

    夜間や休日に連絡がつくかどうかは、いざというとき決定的です。

    2.「うちの地域で、どのサービスが不足していますか」

    この質問の答え方で力量が分かります。

    地域の実情を把握している人は具体的に答えます。「訪問看護が少ない」「夜間対応がない」「特養の待機が長い」など。「特にありません」と返す人は、地域を見ていない可能性があります。

    3.「特養の申し込みも手伝ってもらえますか」

    紹介サービスでは特養を扱いません。特養はケアマネか市区町村の窓口経由です。ここを頼めるかは重要です。

    4.「今、何人を担当していますか」

    上限は原則44人(一定の要件下では49人)ですが、上限近くを抱えている人は物理的に手が回りません。

    5.「介護福祉士や看護師の資格をお持ちですか」

    ケアマネの元の職種によって得意分野が違います。

    元の職種 得意な領域
    看護師 医療的ケア、主治医との連携、急変時の判断
    介護福祉士 生活面の支援、身体介護の具体的な調整
    社会福祉士 制度の活用、家族関係の調整、権利擁護
    理学療法士など リハビリ、住宅改修、福祉用具の選定

    親の状態に合わせて選ぶと、話が早く進みます。

    6.「主任ケアマネジャーはいますか」

    主任ケアマネは、より上位の資格です。複雑なケースの経験が豊富なことが多く、事業所全体の質にも関わります。

    7.「特定の事業者と資本関係はありますか」

    訪問介護やデイサービスを併設している法人の場合、自社サービスを優先的に組み込む傾向が出ることがあります。悪いこととは限りませんが、知っておいて損はありません。

    合わないと感じたら、変えられます

    ここを知らない方が本当に多いのですが、ケアマネジャーは変更できます。

    変更できるか いつでもできる
    理由の説明 不要
    費用 かからない
    今のサービス 継続できる
    手続き 新しい事業所と契約するだけ

    こういう場合は変更を検討してください

    サイン 内容
    連絡がつかない 折り返しが来ない、何日も待たされる
    提案がない こちらから言ったことしかやらない
    特定の事業者ばかり勧める 自社サービスに偏っている可能性
    家族の事情を聞かない 介護者の負担を考慮しない
    施設の相談で話をそらす 在宅サービスが減ると収入も減るため
    制度を知らない 負担限度額認定などを教えてくれない
    高圧的、話を聞かない 相性の問題も含めて

    5番目は特に注意してください。在宅サービスの利用が減ると事業所の収入も減るため、施設への移行に消極的な担当者がまれにいます。

    変更のしかた

    言いにくければ、直接本人に言う必要はありません。

    方法 内容
    地域包括支援センターに相談 間に入ってもらえる。いちばん角が立たない
    新しい事業所に先に相談 引き継ぎは事業所間でやってもらえる
    市区町村の窓口に相談 事業所一覧をもらい直せる
    直接伝える 「事業所を変えることにしました」で十分

    遠慮しないでください。合わない担当者と何年も付き合うことのほうが、はるかに損失が大きいです。

    変更のタイミング

    月の途中でも変更できますが、ケアプランの区切りを考えると月末・月初がスムーズです。ただし緊急性がある場合は、いつでも構いません。

    ケアプランの見方

    ケアマネジャーが作る計画書です。「お任せします」で済ませないでください。

    見るところ 確認すること
    利用者の意向 本人と家族の希望が正しく書かれているか
    総合的な援助の方針 何を目指しているのかが明確か
    サービスの種類と回数 なぜこの組み合わせなのか説明を求めてよい
    区分支給限度額と利用率 限度額のどれだけを使っているか
    自己負担額 月にいくらかかるか

    とくに「利用率」を見てください。

    限度額の50%しか使っていないなら、まだ増やせる余地があります。遠慮して使っていないケースが非常に多く、これは特養の申込みでも不利になります(「まだ余裕がある」と判断されるため)。

    要介護度 区分支給限度額(月)
    要支援1 約5万円
    要支援2 約10万円
    要介護1 約17万円
    要介護2 約20万円
    要介護3 約27万円
    要介護4 約31万円
    要介護5 約36万円

    ※ 金額は目安。地域区分により変動します。自己負担はこの1〜3割です。

    「限度額いっぱいまで使いたい」と伝えて構いません。それが本来の制度の姿です。

    よくある失敗

    失敗 なぜ起きるか 対策
    最初に紹介された人で決めた 選べることを知らない 2〜3か所に電話して比べる
    合わないまま何年も続けた 変更できると知らない いつでも変更できる
    ネットだけで探そうとした 34.7%が情報を出していない 地域包括支援センターで一覧をもらう
    家族の事情を伝えていない 遠慮している 働いている、遠方に住んでいるは必ず伝える
    制度を教えてもらえなかった 自分から聞かなかった 負担限度額認定などは自分から確認
    施設の相談ができなかった 担当者が消極的 変更するか、市区町村に直接相談

    上手な付き合い方

    決まった後の関わり方でも、受けられる支援が変わります。

    やること 効果
    困りごとを具体的に伝える 「大変です」ではなく「夜に3回起こされる」
    記録を見せる 日付と回数のメモが最も伝わる
    家族の限界を隠さない 無理をしていると分からない
    月1回の訪問に家族も同席する 本人だけだと実態が伝わらない
    プランに疑問があれば聞く なぜこのサービスなのか説明を求めてよい

    とくに月1回の訪問には、可能なかぎり家族が同席してください。

    本人は「大丈夫です」と答えてしまいます。診察室と同じで、他人の前ではしっかりして見えるものです。実態を知っているのは家族だけです。

    施設を考え始めたら

    ケアマネジャーは地域の施設事情に詳しく、特養の申し込みも手伝ってもらえます。まずは相談してください。

    ただし、民間の有料老人ホームやグループホームについては、ケアマネが全てを把握しているとは限りません。担当エリアの事業所は知っていても、隣接する市区町村まで含めた比較は難しい場合があります。

    ケアマネへの相談と並行して、民間施設の資料も取り寄せておくと選択肢が広がります。

    条件に合う施設の資料を無料で取り寄せる

    誰に 何を頼むか
    ケアマネジャー 地域の全体像、特養の申込み、在宅サービスの調整
    市区町村の窓口 特養、負担限度額認定、独自の助成制度
    紹介サービス 民間施設の比較と資料請求、見学の手配

    役割を分けて使うのが効率的です。

    まとめ

    1. 地域包括支援センターで事業所一覧をもらう。ネットには3分の1が出ていない
    2. 2〜3か所に電話して、7つの質問をする。契約前に話すのは普通のこと
    3. 費用は全額保険。自己負担ゼロなので遠慮しない
    4. 元の職種で得意分野が違う。親の状態に合わせて選ぶ
    5. 合わなければいつでも変更できる。理由の説明も不要
    6. 言いにくければ地域包括支援センターに間に入ってもらう
    7. 月1回の訪問には家族も同席する

    次にやること

    まだケアマネジャーが決まっていないなら、地域包括支援センターへ。すでにいる場合は、上の7つの質問をしてみてください。答え方で、その人の力量が見えます。

    施設も検討し始めているなら、資料の取り寄せは並行して進められます。

    資料を取り寄せて、見学を申し込む

    ※ 無料で利用できます。特別養護老人ホームはこのサービスの対象外です。特養はケアマネジャーか市区町村の窓口へ。

    よくある質問

    ケアマネジャーに費用はかかりますか。

    かかりません。居宅介護支援は全額が介護保険から支払われ、利用者の自己負担はありません。だから複数の事業所に相談することも、変更することも、費用面では何の問題もありません。

    まだ要介護認定を受けていませんが、相談できますか。

    できます。要介護認定の申請自体を代行してもらえます。まず地域包括支援センターに相談すれば、認定の見込みや、どの事業所に頼むかを含めて案内してもらえます。

    担当者を変えたいのですが、同じ事業所内では可能ですか。

    可能です。事業所の管理者に相談してください。事業所そのものを変えるより手続きが簡単です。ただし小規模な事業所では他に担当できる人がいない場合があります。その場合は事業所ごと変えることになります。

    変更したら、今使っているサービスはどうなりますか。

    継続できます。訪問介護やデイサービスの契約は各事業者と結んでいるので、ケアマネジャーが変わっても続けられます。引き継ぎは事業所間で行われます。

    何度も変更していると、印象が悪くなりませんか。

    気にする必要はありません。ただし、変更を繰り返しても改善しない場合は、こちらの伝え方に原因がある可能性も考えてみてください。「困っている」だけでなく、具体的に何をどうしてほしいかを伝えると、対応が変わることがあります。

    遠方に住んでいますが、ケアマネジャーとどう連携すればいいですか。

    最初に「自分は片道○時間の距離にいる」と明確に伝えてください。そのうえで、電話やメールでの連絡を基本にしてもらう、月1回の訪問時に電話をつないでもらう、といった調整ができます。緊急連絡先の順番も決めておいてください。

    主任ケアマネジャーとは何ですか。

    ケアマネジャーとして5年以上の実務経験を積み、所定の研修を修了した上位資格者です。複雑なケースの経験が豊富なことが多く、他のケアマネジャーへの指導も行います。事業所を選ぶ際の目安のひとつになります。

    ケアプランに納得できない場合は、どうすればいいですか。

    同意する前に、理由を説明してもらってください。ケアプランは利用者の同意がないと確定しません。「なぜこのサービスなのか」「なぜこの回数なのか」を聞くのは当然の権利です。それでも納得できなければ、修正を依頼できます。

    サービスを増やしたいのに、提案してもらえません。

    区分支給限度額の利用率を確認してください。まだ余裕があるなら、増やせます。「限度額のうち何割使っていますか」と聞いて、余裕があるのに増やせない理由を説明してもらってください。納得できなければ、事業所の変更も検討してください。

    事業所が1つしかない地域では、どうすればいいですか。

    全国で201の自治体が、この状況です。まずその事業所内で担当者を替えてもらえるか相談してください。それも難しければ、隣接する市区町村の事業所が対応可能か確認する方法があります。居宅介護支援は地域密着型サービスではないため、市外の事業所でも訪問できる距離であれば利用できます。

    この記事のデータについて

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)/2026年6月末時点

    同一事業所が複数の指定区分で重複登録されているケースを、事業所名と住所で名寄せして整理しています。都道府県別の比率は事業所数200件以上の県で算出しています。

    担当件数の上限や変更手続きの詳細は制度改正により変わる場合があります。最新の取扱いは市区町村にご確認ください。

  • 夜中に親が倒れたら誰が来るのか|24時間対応がない自治体57%

    ※ 本ページはプロモーションを含みます。

    「24時間対応の介護サービスがあるから、在宅でも大丈夫」

    パンフレットにはそう書いてあります。ケアマネジャーからもそう説明されるかもしれません。

    ただし、それはあなたの住む市区町村にそのサービスが存在すればの話です。

    全国215,404の介護事業所を集計したところ、夜間に対応できるサービスが1つもない市区町村が1,085ありました。全体の57%です。

    夜間に対応できるサービスは3つしかない

    介護保険で夜間・深夜に自宅へ来てもらえるサービスは、実質この3種類です。

    サービス 全国の事業所数 存在する自治体 ゼロの自治体
    定期巡回・随時対応型訪問介護看護 1,418 616 1,273(67.4%)
    看護小規模多機能型居宅介護 1,142 557 1,332(70.5%)
    夜間対応型訪問介護 131 105 1,784(94.4%)

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)2026年6月末時点。当サイトで重複を整理して集計。全国1,889市区町村を対象。

    3つのどれか1つでもある自治体は804。残りの1,085自治体(57%)には、夜間に来てくれるサービスが存在しません。

    とくに「夜間対応型訪問介護」は全国に131事業所しかありません。94%の自治体には存在しない制度です。名前だけは制度として存在していますが、実態は都市部の一部にしかありません。

    3種類そろっている自治体はごくわずか

    揃っているサービスの数 自治体数
    3種類すべて 73
    2種類 328
    1種類だけ 403
    ゼロ 1,085

    3種類そろっているのは全国で73自治体だけ。全体の4%です。

    3つのサービスは何が違うのか

    サービス 内容 向いている状況
    定期巡回・随時対応型 1日複数回の短時間訪問+呼び出し対応。看護師も来る 排泄介助や服薬確認が1日に何度も必要
    看護小規模多機能型 通い・訪問・泊まりに訪問看護が加わる 医療的ケアがあり、状態が不安定
    夜間対応型訪問介護 夜間帯(22時〜6時など)の巡回と呼び出し 夜間だけ不安がある

    定期巡回がいちばん実用的です。月額の定額制で、決まった時間の訪問と、緊急時の呼び出しの両方が使えます。

    ただし1,418事業所しかなく、3分の2の自治体には存在しません。

    地域による差が8倍ある

    夜間対応サービスがある自治体の割合を、都道府県別に見ました。

    整っている県 自治体数 ある 割合
    神奈川県 58 46 79.3%
    大阪府 72 55 76.4%
    東京都 60 45 75.0%
    兵庫県 49 35 71.4%
    埼玉県 72 48 66.7%
    空白が大きい県 自治体数 ある 割合
    鳥取県 19 2 10.5%
    高知県 33 4 12.1%
    青森県 40 5 12.5%
    和歌山県 30 5 16.7%
    徳島県 24 4 16.7%
    北海道 188 37 19.7%

    神奈川県79.3%に対して鳥取県10.5%。8倍近い差があります。

    鳥取県では19市町村のうち、夜間対応サービスがあるのは2つだけ。残り17市町村では、夜中の対応は家族がするしかありません。

    これが何を意味するか

    夜中の2時に、親がベッドから落ちたとします。あるいは、おむつを替えてほしいと呼ばれる。熱を出す。

    あなたの自治体にこれらのサービスがなければ、来るのは家族です。

    • 同居していれば、あなたが起きる
    • 別居していれば、車を出して駆けつける
    • どちらも無理なら、救急車を呼ぶしかない

    在宅介護で家族が最初に限界を迎えるのは、日中の介護量ではなく、夜眠れないことです。

    夜間に起きること 頻度の例
    トイレの介助 一晩に2〜4回
    おむつ交換 一晩に1〜2回
    転倒・ベッドからの転落 不定期
    徘徊(外に出ようとする) 認知症の場合
    大声・幻覚による混乱 認知症の場合
    発熱・体調急変 不定期

    夜間に2回起こされる生活が続くと、働きながらの介護はまず持ちません。

    「24時間対応がある」という前提で在宅を選ぶと、この計算が狂います。

    まず、自分の地域にあるか確認してください

    これは調べれば分かります。担当のケアマネジャーに、こう聞いてください。

    「この市区町村に、定期巡回・随時対応型か、看護小規模多機能はありますか」

    「ある」なら、在宅を続ける選択肢に現実味があります。

    「ない」なら、夜間は家族が対応するしかないという前提で計画を立てる必要があります。

    ケアマネジャーが即答できない場合、そのサービス自体が地域にない可能性が高いです。

    隣接する市区町村も確認する

    定期巡回と夜間対応型は地域密着型サービスなので、原則としてその市区町村の住民しか使えません。

    ただし、看護小規模多機能型も地域密着型ですが、市区町村同士の協議で他市の住民の利用が認められる場合があります。隣の市にあるなら、使えるかどうかケアマネジャーに確認する価値があります。

    夜間サービスがない地域で、在宅を続けるには

    選択肢がゼロではありません。ただし、どれも家族の負担を前提にしています。

    ショートステイを定期的に組み込む

    数日〜1週間の宿泊です。全国に14,963か所あり、ゼロの自治体は83だけ。在宅サービスの中で最も全国に行き渡っています。

    「限界が来たら使う」ではなく、最初から月に数日を予定に入れてください。家族が倒れてからでは予約が取れません。

    ショートステイの使い方 効果
    月に2〜3日を定期的に 家族が確実に休める
    連続7日程度を年に数回 まとまった休養が取れる
    本人を慣れさせる 急な入所時の適応が違う

    小規模多機能型居宅介護を使う

    通い・訪問・泊まりを同じ事業所が組み合わせて提供します。急に泊まりに切り替えられるのが強みです。

    ただし全国5,373か所で、608自治体(32%)には存在しません。ここも地域差があります。

    緊急通報装置を導入する

    多くの自治体が高齢者向けに補助や貸与をしています。ボタンひとつで委託先のセンターや消防に繋がります。

    夜間サービスの代わりにはなりませんが、駆けつけの判断は早くなります。市区町村の高齢福祉課に問い合わせてください。

    見守りセンサーを使う

    ベッドからの離床、居室の動き、トイレの使用回数などを検知して通知する機器があります。介護保険の福祉用具貸与の対象になるものと、自費のものがあります。

    別居している場合、これがあるだけで安心感が違います。

    訪問看護の緊急時対応を確認する

    訪問看護ステーションの多くは、24時間の電話相談と緊急訪問の体制を持っています(加算がつきます)。

    ただし訪問看護そのものが362自治体(19.2%)には存在しません。まず地域にあるかを確認してください。

    家族で夜間を分担する

    一人で抱え込むと、確実に潰れます。同居している家族が一人で対応している場合が、いちばん危険です。

    分担の型

    内容 向いている状況
    曜日で分ける 平日は同居家族、週末は別居の兄弟が泊まる 兄弟が近隣にいる
    期間で分ける 月ごと、季節ごとに主担当を交代 遠方だが長期休暇が取れる
    費用で分ける 対応できない側が費用を多く負担 距離や仕事の都合で動けない
    外部に出す ショートステイの費用を分担 全員が対応できない

    「できない」なら費用で負担するという形も、立派な分担です。動けないことを責め合うより、役割を分けた方が続きます。

    話し合いのときに使えること

    主観で「大変だ」と伝えても、離れている家族には伝わりません。記録を見せてください。

    8/15 2:10 トイレ介助

    8/15 4:30 大声で起きる

    8/16 1:45 トイレ介助

    8/16 3:20 ベッドから落ちる

    2週間分のこれを見せる方が、どんな説明よりも伝わります。

    在宅から施設へ切り替える判断

    明確な基準はありませんが、次のうち複数が当てはまるなら、検討する時期です。

    サイン 内容
    夜間の対応が週4回以上 睡眠が慢性的に不足している
    介護者が体調を崩した 腰痛、不眠、抑うつ
    仕事に支障が出ている 遅刻、早退、欠勤が増えた
    感情的になることが増えた 声を荒げる、手が出そうになる
    本人の転倒が増えた 見守りが追いつかない
    火の始末が危険 在宅の継続そのものがリスク

    とくに4番目が出たら、限界に近いと考えてください。介護者が自分を責める必要はまったくありません。環境が持たないという話です。

    よくある失敗

    失敗 なぜ起きるか 対策
    「24時間対応がある」と信じて在宅を選んだ 制度の存在と地域の実在を混同 ケアマネに地域の有無を確認
    ショートステイを限界まで使わなかった 「かわいそう」と感じる 最初から予定に組み込む
    家族が一人で抱え込んだ 兄弟に言い出せない 早い段階で分担を決める
    夜間の負担を記録していなかった 主観で説明してしまう 回数を記録する。特養の申込みでも使える
    限界が来てから施設を探し始めた 準備していない 在宅を続けながら候補を確保

    夜間に起こされた回数は記録しておいてください。「毎晩大変です」と言うより、「一晩に平均3回、週に5日」と伝える方が、ケアマネジャーにも施設にも伝わります。特養の申込書にも書けます。

    それでも夜が持たないなら

    在宅の継続を諦めるべき、という話ではありません。判断の材料を持っておくべきだという話です。

    夜間サービスのない地域で、家族が夜間対応を続けている。この状態は長くは持ちません。実際に多くの家庭が数か月から1年程度で限界を迎えています。

    限界が来てから探し始めると、費用も条件も妥協した選択になります。空いている施設に入るしかなくなるからです。

    在宅を続けながらでも、施設の候補は先に持っておいてください。

    資料を取り寄せておくだけで、いざというときの判断がまったく違います。すぐに入居する必要はありません。

    条件に合う施設の資料を無料で取り寄せる

    費用の目安を知っておくだけでも意味があります。「月20万かかる」と分かっていれば、年金と貯蓄からいつまで持つかを計算できます。何も知らないまま限界を迎えるのが、いちばん危険です。

    施設なら夜間はどうなるか

    参考までに、施設に入った場合の夜間体制です。

    施設の種類 夜間の職員体制
    特別養護老人ホーム 入居者25人に1人以上の夜勤職員
    介護付有料老人ホーム 施設により差が大きい。見学時に必ず確認
    グループホーム 1ユニット(5〜9人)に1人
    介護老人保健施設 看護職員の配置あり

    グループホームは夜勤1人体制が基本です。少人数なので手厚く見えますが、その1人が対応できる範囲には限りがあります。

    見学のときは「夜勤は何人か。入居者何人に対して何人か」を必ず聞いてください。日中の配置はどこも似ていますが、差が出るのは夜間です。

    まとめ

    1. 「24時間対応がある」は全国共通ではない。57%の自治体には存在しない
    2. 地域差が8倍ある。神奈川79.3%、鳥取10.5%
    3. ケアマネジャーに、地域にあるかを直接聞く。即答できなければ無い可能性が高い
    4. ない地域では、夜間は家族が対応する前提で計画を立てる
    5. ショートステイを「限界が来たら」ではなく最初から予定に入れる
    6. 夜間に起こされた回数を記録する。説明にも申込みにも使える
    7. 在宅を続けながらでも、施設の候補と費用は把握しておく

    次にやること

    まずケアマネジャーに地域の状況を確認してください。そのうえで、夜間の見通しが立たないなら、施設の情報も並行して集めてください。

    資料を取り寄せて、見学を申し込む

    ※ 無料で利用できます。特別養護老人ホームはこのサービスの対象外です。特養は市区町村の窓口かケアマネジャーへ。

    よくある質問

    定期巡回と訪問介護は何が違うのですか。

    訪問介護は1回ごとの契約で、決まった時間に決まった内容を行います。定期巡回は月額定額制で、1日複数回の短時間訪問と、緊急時の呼び出しがセットになっています。夜間や早朝も対応範囲です。ただし1,418事業所しかなく、3分の2の自治体には存在しません。

    地域に夜間サービスがない場合、隣の市のものは使えますか。

    原則として使えません。定期巡回・夜間対応型・看護小規模多機能はいずれも地域密着型サービスで、その市区町村の住民が対象です。ただし市区町村同士の協議で例外が認められる場合があるため、ケアマネジャーに確認してみてください。

    訪問看護は夜間も来てくれますか。

    24時間対応の体制を持つ事業所が多いです(加算がつきます)。ただし医療的な必要性がある場合が中心で、おむつ交換や体位変換といった介護目的では呼べません。また訪問看護そのものが362自治体には存在しません。

    緊急通報装置はどこで借りられますか。

    市区町村の高齢福祉課です。多くの自治体が補助や貸与の制度を持っています。所得によって自己負担が変わることがあります。民間のサービスもありますが、まず自治体の制度を確認してください。

    夜勤の人数は、どのくらいが適切ですか。

    特養は法令上、入居者25人に1人以上とされています。それより手厚ければ良いと考えて構いません。ただし人数だけでなく、フロアの構造も影響します。1人で複数階を見る施設と、1フロアに専任がいる施設では対応速度が違います。

    別居していますが、夜間に何かあったらどうすればいいですか。

    見守りセンサーと緊急通報装置の併用を検討してください。離床や動きの異常を検知して通知が来ます。そのうえで、駆けつけられる距離かどうかを現実的に考えてください。片道1時間以上かかる場合、夜間の急変には実質的に対応できません。

    ケアマネジャーが「大丈夫です」としか言いません。

    具体的なサービス名で聞いてください。「この市に定期巡回はありますか」「看護小規模多機能はありますか」と。それでも曖昧なら、市区町村の高齢福祉課に直接聞くか、地域包括支援センターに相談してください。ケアマネジャーは変更することもできます。

    夜勤の職員が1人だと不安です。

    人数だけでなくフロアの構造も見てください。1人で複数階を担当する施設と、1フロアに専任がいる施設では、呼び出しへの到達時間がまったく違います。見学時に「夜勤の方は何フロアを担当しますか」と聞いてみてください。

    施設に入っても、夜中に呼び出されることはありますか。

    あります。急変時や入院が必要になったときは、家族に連絡が来ます。そのため、施設からの距離は現実的に考えてください。片道2時間の施設だと、そのたびに1日が潰れます。

    夜間の負担を、どう記録すればいいですか。

    日付・時刻・内容を一行ずつ書くだけで十分です。「8/15 2:10 トイレ介助」「8/15 4:30 大声で起きる」といった形です。1〜2週間分あれば、状況が客観的に伝わります。特養の申込書や、要介護認定の調査時にも使えます。

    この記事のデータについて

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)/2026年6月末時点

    同一事業所が複数の指定区分で重複登録されているケースを、事業所名と住所で名寄せして整理しています。公表データの「定員」欄は未報告が半数近くを占めるため集計に使用せず、事業所の「数」のみを用いています。

    事業所の有無は指定状況にもとづくもので、実際に受け入れ可能かどうかは各事業所の状況によります。サービスの利用可否や提供範囲は、担当のケアマネジャーにご確認ください。夜間の職員配置基準は制度改正により変更される場合があります。

  • 年金だけで入れる施設はあるか|費用を抑える4つの選択肢

    ※ 本ページはプロモーションを含みます。

    「親の年金は月12万円。これで入れる施設はありますか」

    結論から言うと、あります。ただし選択肢は限られ、住んでいる地域によって、その限られた選択肢の数がまったく違います。

    全国35,538施設の公的データを集計したところ、費用を抑えられる施設の比率は都道府県によって2倍近い開きがありました。

    費用を抑えられる施設は4種類

    種類 全国の施設数 月額の目安 入居一時金 主な条件
    特別養護老人ホーム 7,916 5〜15万円 なし 要介護3以上
    介護老人保健施設 3,994 8〜15万円 なし 要介護1以上。原則3〜6か月
    地域密着型特養 2,528 5〜15万円 なし 要介護3以上。その市区町村の住民のみ
    軽費老人ホーム(ケアハウス) 575 6〜15万円 0〜数十万円 自立〜軽度中心

    合計15,013施設。全国の高齢者向け住まいの42%がこの4種類です。

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)2026年6月末時点。当サイトで重複を整理して集計。費用は一般的な目安であり、所得区分と地域で変わります。

    これらが安いのには理由があります。運営の9割前後が社会福祉法人で、公的な性格が強いためです。民間の介護付有料老人ホームは83%が株式会社などの営利法人で、そのぶん費用が上がります。

    なお、この4種類がゼロの自治体は72だけです。特養単体では91自治体にありませんが、老健やケアハウスまで含めれば、ほとんどの地域に何かしらの選択肢はあります。

    地域によって、選択肢の比率が2倍違う

    ここが今日いちばんお伝えしたい点です。

    各都道府県の高齢者向け住まいのうち、費用を抑えられる4種類が占める割合を計算しました。

    低費用系が少ない県(民間頼み) 割合
    佐賀県 29.3%
    神奈川県 31.7%
    東京都 32.4%
    高知県 33.5%
    北海道 35.5%
    低費用系が多い県 割合
    山梨県 61.0%
    茨城県 55.4%
    栃木県 55.2%
    岩手県 53.9%
    山形県 52.4%

    東京都32.4%に対して、山梨県61.0%。ほぼ2倍です。

    東京や神奈川では、施設の3分の2が民間の有料老人ホームやグループホームです。選択肢は多いが、そのほとんどが費用の高い施設という構造になっています。

    一方、山梨や茨城では半数以上が特養・老健・ケアハウスです。

    つまり「年金だけで入れるか」という問いへの答えは、住んでいる場所によって変わります。

    知られていない選択肢:軽費老人ホーム(ケアハウス)

    575施設しかないため、ほとんど知られていません。

    項目 内容
    月額 6〜15万円。所得に応じて負担が下がる仕組みがある
    入居一時金 0〜数十万円(施設による)
    要介護認定 なくても入れるタイプがある(自立〜軽度向け)
    運営 90%が社会福祉法人
    公式サイト 96.2%が持っている(情報が調べやすい)

    ただし1,511の市区町村には1つもありません。存在する自治体は378だけです。

    ケアハウスが多い県 施設数
    北海道 54
    兵庫県 44
    大阪府 31
    埼玉県 25
    岡山県 25
    福岡県 25

    もし地域にあるなら、特養の待機中の住まいとして有力な選択肢になります。市区町村の高齢福祉課に問い合わせてみてください。

    ケアハウスには2種類ある

    種類 特徴
    一般型(自立型) 自立〜軽度の方向け。介護が必要になったら外部サービスを使う
    介護型(特定施設) 介護サービスが付いている。要介護でも住み続けられる

    「介護型」の方が長く住めます。申し込む前にどちらのタイプかを確認してください。

    特養の費用は、申請すればさらに下がります

    これを知らずに損している方が多い制度です。

    所得と資産が一定以下の場合、特養・老健・ショートステイの食費と居住費が軽減されます。

    項目 内容
    制度名 介護保険負担限度額認定
    申請先 市区町村の窓口
    対象 特養・老健・介護医療院・ショートステイ
    対象外 有料老人ホーム、グループホーム、サ高住
    注意 申請しないと適用されない。自動では適用されない
    効果 該当すると月額が数万円下がることがある

    判定には預貯金額も含まれます。詳しい要件は市区町村によって案内が異なるので、まず窓口で「負担限度額認定を受けられますか」と聞いてください。

    この制度は民間施設には使えません。ここが特養と有料老人ホームの費用差をさらに広げています。

    高額介護サービス費も確認する

    自己負担が一定額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。

    こちらは申請すれば以後は自動的に適用されることが多いですが、最初の申請は必要です。市区町村から通知が来る場合もあります。

    年金額から逆算する

    まず、親の年金額を正確に把握してください。年金振込通知書か、ねんきんネットで確認できます。

    そのうえで計算します。

    計算する項目
    年金月額 12万円
    施設の月額(総額) 16万円
    毎月の不足 4万円
    貯蓄 500万円
    持つ期間 約10年

    この計算をしないまま施設を決めるのが、いちばん危険です。

    入居して2年で資金が尽きると、退去して別の施設を探すことになります。認知症のある方にとって、環境が変わることの負担は非常に大きいので、これは避けたい事態です。

    月額に含まれない費用も入れて計算する

    パンフレットの月額だけで計算すると、確実に足りなくなります。

    追加でかかるもの 月額の目安
    おむつ代 5,000〜15,000円
    医療費・薬代 数千〜数万円
    理美容代 2,000〜4,000円
    日用品費 数千円
    レクリエーション費 実費

    合計で月2〜5万円は見ておいてください。

    費用が足りないときに検討すること

    方法 内容
    負担限度額認定を申請 特養・老健の場合。数万円下がることがある
    高額介護サービス費 自己負担の上限を超えた分が戻る
    高額医療・高額介護合算制度 医療費と介護費の合計に上限がある
    生活保護 該当すれば特養に入所できる
    兄弟姉妹で分担 記録に残す。口約束は後で揉める
    親の自宅を売却 時間がかかるので早めに動く

    兄弟間の費用分担は、必ず記録に残してください。「親の年金から出す」「足りない分は長男が」といった取り決めが曖昧なまま数年経つと、相続の際に必ず問題になります。

    最後の項目については、実家をどうするかという別の判断が必要になります。売却するにしても、査定から成約まで数か月かかります。施設を決める前から動き始めておくのが現実的です。

    民間施設も、実は幅があります

    「有料老人ホーム=高い」と決めつけて見ないのはもったいないです。

    都市部の相場 地方の相場
    入居一時金 数百万〜数千万円 0〜数十万円のことも
    月額 20〜30万円以上 15万円台から

    入居一時金がゼロで、月額15万円台から入れる施設もあります。地域や築年数、居室の広さによって幅が大きい領域です。

    特に地方では、都市部の相場より大幅に安いことがあります。

    複数の施設から資料を取り寄せて、実際の金額を比べてください。

    「思っていたより安い」も「想定より高い」も、資料を見るまで分かりません。

    条件に合う施設の資料を無料で取り寄せる

    予算を伝えれば、その範囲で入れる施設だけを出してもらえます。

    施設の種類ごとの費用構造

    同じ月額でも、内訳は施設によってまったく違います。

    種類 家賃 食費 介護費 軽減制度
    特別養護老人ホーム 居住費として設定 定額 介護保険(1〜3割) あり
    介護老人保健施設 居住費として設定 定額 介護保険(1〜3割) あり
    軽費老人ホーム 所得に応じて変動 定額 外部サービスまたは包括 一部あり
    グループホーム 施設が設定 実費 介護保険(1〜3割) なし
    介護付有料老人ホーム 施設が設定 実費 介護保険(1〜3割) なし

    軽減制度があるかどうかが、最も大きな差になります。

    所得が低い方の場合、特養なら負担限度額認定で月額が数万円下がりますが、有料老人ホームやグループホームには同じ制度がありません。

    居室のタイプで費用が変わる

    とくに特養では、居室のタイプによる差が大きくなります。

    居室タイプ 特徴 費用
    多床室 2〜4人部屋 最も安い
    従来型個室 個室。共用のリビングなし 中間
    ユニット型個室的多床室 個室に近い仕切り 中間
    ユニット型個室 個室+少人数の共用リビング 最も高い

    新設の特養はユニット型個室が中心なので、費用を抑えたい場合は多床室のある既存施設を探すことになります。申し込む際に希望の居室タイプを伝えてください。

    よくある失敗

    失敗 なぜ起きるか 対策
    負担限度額認定を申請していない 制度を知らない 市区町村の窓口で確認
    パンフレットの月額だけで計算した その他費用を見ていない 月2〜5万円を上乗せして計算
    貯蓄が尽きて退去になった 何年持つか計算していない 入居前に必ず逆算する
    兄弟の分担が口約束だった 言い出しにくい 記録に残す
    民間施設を最初から除外した 高いと思い込んでいる 資料を見てから判断する
    ケアハウスを知らなかった 情報が少ない 市区町村の高齢福祉課に確認

    手続きの流れ

    段階 やること 申請先
    1 年金額を確認する 年金振込通知書・ねんきんネット
    2 要介護認定を受ける 市区町村
    3 負担限度額認定を申請する 市区町村の窓口
    4 特養に申し込む(要介護3以上) 市区町村または施設
    5 ケアハウスの有無を確認する 市区町村の高齢福祉課
    6 民間施設の資料を取り寄せる 紹介サービス
    7 何年持つか計算する
    8 見学して決める

    まとめ

    1. 費用を抑えられる施設は4種類・全国15,013施設ある
    2. 地域によって選択肢の比率が2倍違う。都市部ほど民間施設の割合が高い
    3. 軽費老人ホーム(ケアハウス)は知られていないが有力。ただし1,511自治体にはない
    4. 特養は負担限度額認定を申請すると費用が下がる。申請しないと適用されない
    5. 年金額から逆算して、何年持つかを必ず計算する
    6. 月額には2〜5万円上乗せして考える
    7. 民間施設も幅がある。決めつけずに実際の金額を見る

    次にやること

    まず親の年金額を確認してください。そのうえで、特養に申し込みつつ、負担限度額認定の対象になるか市区町村の窓口で確認を。

    並行して、予算内で入れる民間施設の資料も取り寄せておいてください。特養の待機は長いので、その間の選択肢が必要になります。

    予算を伝えて、条件に合う施設を探す

    ※ 無料で利用できます。特別養護老人ホームはこのサービスの対象外です。特養と負担限度額認定は市区町村の窓口へ。

    よくある質問

    年金が月8万円しかありません。入れる施設はありますか。

    あります。特別養護老人ホームで負担限度額認定を受ければ、月額が数万円まで下がることがあります。それでも足りない場合は生活保護の対象になる可能性があります。まず市区町村の窓口で相談してください。

    負担限度額認定は誰でも受けられますか。

    いいえ。所得と預貯金の両方に基準があります。単身の場合、預貯金が一定額を超えると対象外です。配偶者がいる場合は配偶者の資産も見られます。基準は改正されることがあるため、必ず市区町村の窓口で最新の要件を確認してください。

    有料老人ホームでも負担限度額認定は使えますか。

    使えません。対象は特養・老健・介護医療院・ショートステイです。有料老人ホーム、グループホーム、サ高住は対象外です。この違いが費用差をさらに広げています。

    ケアハウスは要介護認定がなくても入れますか。

    一般型(自立型)なら入れます。60歳以上で、身寄りがない、または家族の援助を受けられないといった条件があります。ただし介護が必要になったときに住み続けられるかは、施設のタイプによります。「介護型(特定施設)」なら要介護になっても住み続けられます。

    施設に入ると、親の年金は誰が管理しますか。

    多くの場合、家族が管理して施設に支払います。施設が直接年金を受け取ることはできません。親の判断能力が低下している場合、代理で口座を扱えるようにしておく必要があります。金融機関によって手続きが異なるので、早めに窓口で相談してください。判断能力が失われてからでは、成年後見の手続きが必要になります。

    貯蓄がいくらあれば安心ですか。

    一概には言えませんが、月々の不足額 × 想定居住年数で計算してください。平均的な入居期間は施設の種類によって異なりますが、数年から10年程度を見ておくと現実的です。足りない場合は、実家の売却を含めた資金計画が必要になります。

    途中でお金が足りなくなったらどうなりますか。

    退去を求められます。環境の変化は本人の負担が大きいので、これは避けたい事態です。入居前に必ず逆算し、足りない見込みなら最初から費用の低い施設を選ぶか、資金の手当てを済ませてください。

    兄弟で費用を分担する場合、注意点はありますか。

    必ず記録に残してください。誰がいくら出したかが不明確なまま数年経つと、相続の際に必ず問題になります。簡単な覚書でも、振込の記録でも構いません。口約束は避けてください。

    多床室と個室では、どのくらい費用が違いますか。

    施設と所得区分によりますが、月に数万円の差が出ることがあります。個室の方が高くなります。新設の特養はユニット型個室が中心なので、費用を抑えたい場合は多床室のある既存施設を探すことになります。申込み時に希望の居室タイプを伝えてください。

    入居後に年金額が変わることはありますか。

    年金額そのものは大きく変わりませんが、配偶者が亡くなると世帯の収入構成が変わります。遺族年金に切り替わる、あるいは世帯が単身になることで負担限度額認定の判定が変わることがあります。世帯状況が変わったら、市区町村に届け出てください。

    親の家を売って費用に充てたいのですが。

    可能ですが、時間がかかります。査定から成約まで数か月、条件によっては1年以上かかることもあります。また、親の判断能力が低下していると売却手続きが複雑になります(成年後見が必要になる場合があります)。施設を探し始めた時点で、並行して動き始めてください。

    この記事のデータについて

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)/2026年6月末時点

    同一施設が複数の指定区分で重複登録されているケースを、施設名と住所で名寄せして整理しています。公表データの「定員」欄は未報告が半数近くを占めるため集計に使用せず、施設の「数」のみを用いています。都道府県別の比率は施設数200件以上の県で算出しています。

    費用の目安は一般的な水準であり、実際の金額は施設・地域・所得区分によって変わります。負担限度額認定・高額介護サービス費の要件は制度改正により変更される場合があります。最新の内容は市区町村にご確認ください。

  • 老人ホーム紹介サービスはなぜ無料か|紹介されない施設が43%

    ※ 本ページはプロモーションを含みます。

    老人ホームを探していると「無料で相談できます」「無料で見学を手配します」というサービスに行き当たります。

    親身に相談に乗ってくれて、資料もまとめて届く。それでこちらは1円も払わない。気持ち悪いと感じた方は、まっとうな感覚です。

    仕組みを説明します。あわせて、このサービスを使うときに知っておくべきいちばん重要な注意点もお伝えします。

    無料の理由:施設側が紹介料を払っている

    紹介サービスは、入居が決まると施設から紹介手数料を受け取ります。相場は入居者1人あたり、月額利用料の1〜3か月分程度と言われます。

    つまりお金の流れはこうです。

    あなた ──(無料で相談)── 紹介サービス ──(紹介料)── 施設

    あなたが払わないだけで、誰も損をしていないわけではありません。紹介料は施設の運営コストに含まれ、めぐりめぐって入居費用の一部になっています。

    無料という言葉を額面通りに受け取らず、「施設が広告費を払っている」と理解しておくのが正確です。

    紹介会社の種類

    一口に「紹介サービス」といっても、いくつか性格が違います。

    種類 特徴 向いている場面
    大手ポータル型 掲載施設数が多い。Webで検索・比較できる 自分で比較したい
    相談員が付くタイプ 電話や面談で条件を聞き、候補を絞る 何から手をつけるか分からない
    地域密着型 特定エリアに強い。施設との関係が深い 地方で、地域の実情を知りたい

    どのタイプでも、収益構造は同じです。施設から紹介料を受け取ります。

    なぜ施設は、紹介料を払ってでも埋めたいのか

    ここは公的データを見ると腑に落ちます。

    全国の高齢者向け住まい35,538施設を運営しているのは、17,430の法人です。このうち──

    11,155法人(64%)は、施設を1つしか運営していません。

    運営規模 法人数 割合
    1施設のみ 11,155 64%
    2〜4施設 5,256 30%
    5施設以上 1,019 5.8%

    5施設以上を持つ大手は1,019法人にすぎません。

    つまり、あなたが検討する施設の多くは、営業部門も広報担当もいない小さな事業者だということです。ホームページを持っていない施設が全体の13.4%あるのも、同じ理由です。

    自力で入居者を集める手段がない。だから紹介会社に頼る。これが「無料」を成立させている構造です。

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)2026年6月末時点。当サイトで重複を整理して集計。

    最大の注意点:紹介されない施設がある

    ここがこの記事でいちばん大事な部分です。

    紹介サービスは施設から紹介料をもらいます。裏を返せば、紹介料を払わない施設は、紹介されません。

    全国35,538施設の内訳を、この観点で分けるとこうなります。

    区分 種類 施設数
    紹介の対象になりやすい グループホーム 14,181
    介護付有料老人ホーム 4,693
    サービス付き高齢者向け住宅 662
    軽費老人ホーム 575
    小計 20,111
    原則として対象外 特別養護老人ホーム 7,916
    介護老人保健施設 3,994
    地域密着型特養 2,528
    介護医療院 933
    介護療養型医療施設 56
    小計 15,427

    特別養護老人ホームは、紹介サービスでは基本的に扱われません。社会福祉法人が運営する公的性格の強い施設で、紹介料を払う仕組みがないからです。特養は市区町村の窓口か、施設に直接申し込みます。

    老健も同様です。こちらは病院の地域連携室やケアマネジャー経由が基本になります。

    つまり紹介サービスに相談すると、選択肢の43%が最初から視野に入っていない状態で話が進みます。

    これは紹介サービスが悪いという話ではありません。そういう仕組みだと知らずに使うと、費用の安い選択肢を見落とすという話です。

    地域によって、紹介サービスの有効性が2倍違う

    紹介対象になる施設の割合は、都道府県によって大きく違います。

    民間施設の割合が高い県 割合
    佐賀県 68.4%
    神奈川県 68.1%
    東京都 66.9%
    北海道 64.2%
    愛媛県 63.3%
    民間施設の割合が低い県 割合
    山梨県 37.7%
    茨城県 43.2%
    栃木県 45.2%
    新潟県 46.3%
    山形県 46.5%

    神奈川県68.1%に対して山梨県37.7%。

    神奈川では施設の約7割が紹介サービスの対象になるので、相談すればほぼ全体像が見えます。

    一方、山梨では6割以上が公的施設です。紹介サービスだけに頼ると、地域の選択肢の大半を見落とすことになります。こうした地域では、市区町村の窓口とケアマネジャーの比重が上がります。

    それでも紹介サービスに価値がある場面

    構造を理解したうえで言うと、使う価値がある場面は明確にあります。

    1. 情報が公開されていない施設が多い地域

    公式サイトを持たない施設の割合は、地域によって違います。当サイトの集計では、施設数の少ない自治体ほど情報が出ていません。

    その自治体の施設数 自治体数 公式サイトがない割合
    1〜4施設 477 19.2%
    5〜9施設 387 18.0%
    10〜19施設 407 15.3%
    20〜49施設 404 13.0%
    50施設以上 166 11.8%

    選択肢が少ない地域ほど、その少ない選択肢すら調べられない。この状況では、施設の情報を持っている紹介会社の価値は実際に高いです。

    とくにグループホームは全体の24.2%が公式サイトを持っていません。ネットで比較しようとしても、4件に1件は存在すら分かりません。

    2. 急いでいるとき

    退院日が決まっている、家族が限界に近い。こういう場面では、1件ずつ電話して空室を確認する時間がありません。空室状況をまとめて把握している紹介会社は、率直に速いです。

    3. 認知症で受け入れ先が限られるとき

    認知症の程度によっては、断られる施設が出てきます。どこが受け入れているかを個別に当たるのは消耗します。

    4. 予算の上限がはっきりしているとき

    「月18万円まで」と伝えれば、その範囲の施設だけを出してもらえます。自分で1件ずつ料金表を確認する手間が省けます。

    使うときに伝えるべきこと

    最初に条件を正確に伝えると、話が早く進みます。曖昧なまま進めると、後で候補がすべて条件外だったということになります。

    伝えること 具体例
    要介護度 認定前なら「申請中」と伝える
    医療的ケア たん吸引、経管栄養、インスリン、透析の有無
    認知症の症状 徘徊、暴言、昼夜逆転の有無と程度
    予算の上限 月額でいくらまでか。一時金は出せるか
    希望エリア 「○○市内」「実家から車で30分以内」など
    時期 「今すぐ」か「1年以内に」か

    医療的ケアと認知症の症状は、隠さず伝えてください。入居前の面談で必ず判明します。そのとき一からやり直す方が、はるかに消耗します。

    使うときの注意点

    注意点 内容
    複数社に登録しない 同じ施設に別々の会社から打診が行き、施設側が混乱する
    「まだ検討段階」と伝える 連絡の頻度が下がる
    提案された施設をそのまま信じない 紹介料の高い施設が優先される可能性はゼロではない
    必ず自分で見学する 資料と実物は違う
    特養は自分で申し込む 紹介サービスでは扱われない

    提案が2〜3件しか出てこない場合は、条件を広げるか、別の会社にも相談してください。その会社の提携先が少ないだけの可能性があります。

    使い方:ケアマネと併用するのが正解

    紹介サービスだけに頼らないでください。特養が抜け落ちるからです。

    現実的な進め方はこうです。

    誰に 何を頼むか
    担当ケアマネジャー 特養を含めた地域の全体像。紹介料と無関係の立場で話が聞ける
    紹介サービス 有料老人ホーム・グループホームの比較と資料請求
    市区町村の窓口 特養の申込み、負担限度額認定の申請

    この3つを同時に回すのが、いちばん取りこぼしが少ない方法です。

    まだケアマネジャーが決まっていない場合は、地域包括支援センターに相談してください。市区町村が設置している無料の窓口です。

    民間施設の資料をまとめて取り寄せる

    仕組みを理解したうえで使うなら、紹介サービスは有効です。有料老人ホームやグループホームを検討しているなら、複数の施設から資料を取り寄せて比べてください。1件ずつ電話するのは現実的ではありません。

    繰り返しになりますが、このサービスで特養は出てきません。特養は市区町村の窓口へ。両方やってください。

    相談から入居までの流れ

    紹介サービスを使った場合、実際にはこう進みます。

    段階 内容 期間の目安
    1 電話またはWebで条件を伝える 30分程度
    2 条件に合う施設の提案を受ける 即日〜数日
    3 資料が届く 数日
    4 見学したい施設を選ぶ
    5 見学の日程を調整してもらう 数日
    6 見学する(1件30分〜1時間) 1〜2週間
    7 申込み・面談 施設側の受け入れ判定
    8 契約・入居 1〜2週間

    急ぐ場合は、この流れが2週間程度に圧縮されることもあります。退院日が決まっているなど期限がある場合は、最初にそれを伝えてください。

    費用が発生するタイミング

    利用者に費用が発生する場面はありません。

    段階 利用者の負担
    相談 なし
    資料請求 なし
    見学の手配 なし
    見学 なし(交通費のみ自己負担)
    契約 施設への支払いのみ

    紹介サービスに対して支払うものはありません。入居後に請求が来ることもありません。

    紹介サービスを使わない選択肢

    そもそも使わずに探すこともできます。地域と状況によっては、その方が確実です。

    方法 向いている場面 注意点
    地域包括支援センター 何から手をつけるか分からない 無料。特養も含めた全体像が分かる
    担当ケアマネジャー 既に在宅サービスを使っている 地域の実情に詳しい。紹介料と無関係
    市区町村の窓口 特養・費用軽減制度 民間施設の情報は限定的
    病院の地域連携室 入院中・退院予定 老健やリハビリ施設に強い
    自分でネット検索 都市部で、時間がある 13.4%はサイトがなく見つからない

    公的施設の比率が高い地域では、地域包括支援センターとケアマネジャーの比重が上がります。当サイトの集計では、山梨県では施設の6割以上が公的施設です。

    逆に、神奈川県や東京都のように民間施設が7割近い地域では、紹介サービスの効率が良くなります。

    まとめ

    1. 無料なのは、施設が紹介料を払っているから。相場は月額の1〜3か月分程度
    2. 運営法人の64%が1施設のみ。営業手段がないから紹介会社に頼る
    3. 紹介対象は20,111施設。特養など15,427施設(43%)は対象外
    4. 地域によって有効性が違う。民間比率は神奈川68.1%〜山梨37.7%
    5. 情報が出ていない地域ほど価値が高い。施設数の少ない自治体は19.2%がHPなし
    6. ケアマネ・市区町村と併用する。紹介サービス単独では特養が抜ける

    判断のめやす

    紹介サービスを使うべきかどうかは、状況で決まります。

    こういう場合 判断
    特養だけを考えている 不要。市区町村の窓口へ
    有料・グループホームを比較したい 有効
    時間がない、急いでいる 有効
    地方で公的施設が中心の地域 ケアマネと市区町村を優先
    ケアマネが親身に動いてくれている まずそちらに相談

    次にやること

    まず担当のケアマネジャーに、地域の全体像を聞いてください。特養の申込みもそこで相談できます。

    そのうえで、民間施設の比較は紹介サービスを使うのが効率的です。

    資料を取り寄せて、見学を申し込む

    ※ 無料で利用できます。特別養護老人ホームは対象外です。特養は市区町村の窓口かケアマネジャーへ。

    よくある質問

    本当に費用はかからないのですか。

    利用者の負担はありません。入居が決まったときに施設が紹介料を支払う仕組みです。ただし、その紹介料は施設の運営コストに含まれるため、間接的には入居費用の一部になっています。

    紹介料が高い施設ばかり勧められませんか。

    可能性はゼロではありません。だからこそ提案された施設をそのまま信じず、必ず自分で見学してください。また、ケアマネジャーにも同じ地域の施設について聞いておくと、偏りに気づけます。

    なぜ特養は紹介されないのですか。

    特養は社会福祉法人が運営する公的性格の強い施設で、紹介料を支払う仕組みがありません。申込みは市区町村の窓口か施設に直接行います。費用が安いため、費用を抑えたい場合は必ず並行して申し込んでください。

    複数の紹介会社に登録した方がいいですか。

    おすすめしません。同じ施設に別々の会社から打診が行き、施設側が混乱します。最初の1社で提案が2〜3件しか出てこない場合に、別の会社を検討する程度で十分です。

    しつこく営業されませんか。

    事業者によります。「まだ検討段階です」「連絡はメールでお願いします」と最初に伝えておくと、頻度は下がります。それでも過度に感じる場合は、担当者の変更や利用の中止を申し出て構いません。

    資料請求だけして、入居しなくても大丈夫ですか。

    大丈夫です。費用は一切かかりません。むしろ、限界が来る前に費用の目安を知っておく方が、いざというときの判断が速くなります。

    地方に住んでいますが、使えますか。

    使えますが、地域によって効果が違います。当サイトの集計では、民間施設の割合は神奈川県68.1%に対し山梨県37.7%です。公的施設の比率が高い地域では、市区町村の窓口とケアマネジャーの比重が上がります。

    ケアマネジャーがいれば、紹介サービスは不要ですか。

    補完関係にあります。ケアマネジャーは地域の全体像と特養の申込みに強く、紹介サービスは民間施設の比較と空室情報に強い。担当エリア外の施設まで含めた比較は、ケアマネジャーには難しい場合があります。

    個人情報はどう扱われますか。

    相談時に伝えた情報(要介護度、症状、予算など)は、提案する施設に共有されます。そうしないと受け入れ可否の判断ができないためです。どの範囲まで伝わるか気になる場合は、最初に確認してください。また、利用をやめる際にデータの削除を依頼できるかも聞いておくと安心です。

    入居後にトラブルがあったら、紹介会社は対応してくれますか。

    原則として対応しません。紹介会社の役割は入居までです。入居後の問題は、施設との間で解決するか、市区町村の介護保険担当窓口や国民健康保険団体連合会(国保連)の苦情窓口に相談することになります。この点は契約前に理解しておいてください。

    紹介された施設が合わなかったら、断れますか。

    断れます。契約前であれば、いつでも辞退できます。入居後であっても、90日以内なら一時金は全額返還されます(短期解約特例)。

    この記事のデータについて

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)/2026年6月末時点

    同一施設が複数の指定区分で重複登録されているケースを、施設名と住所で名寄せして整理しています。公表データの「定員」欄は未報告が半数近くを占めるため集計に使用せず、施設の「数」のみを用いています。都道府県別の比率は施設数200件以上の県で算出しています。

    紹介対象の区分は、施設の運営主体と一般的な商慣行にもとづく当サイトの整理です。実際の取扱いは紹介事業者によって異なる場合があります。紹介手数料の相場は業界で一般に言われている水準を記載したもので、実際の料率は事業者と施設の契約によって異なります。

  • 老人ホーム見学で聞くべき12の質問|断られない伝え方も

    ※ 本ページはプロモーションを含みます。

    パンフレットと、実際に住む場所は違います。見学は、その差を埋める唯一の機会です。

    ただ、初めての見学で「何を聞けばいいか分からないまま案内が終わってしまった」という話をよく聞きます。案内する側も慣れているので、聞かなければ聞かれないことは説明されません。

    この記事では、必ず聞くべき12の質問をまとめます。あわせて、全国35,538施設の公的データから見えた、見学の効率を上げる13番目の質問もお伝えします。

    見学前に決めておくこと

    質問の前に、こちらの条件を整理しておいてください。これがないと、聞いても判断できません。

    項目 確認しておくこと
    要介護度 認定前なら「申請中」と伝える
    医療的ケア インスリン、たん吸引、経管栄養、透析、酸素療法の有無
    認知症 診断の有無。徘徊、暴言、昼夜逆転の有無と程度
    予算 年金額+家族が負担できる額。一時金を出せるか
    住民票 どの市区町村にあるか

    とくに医療的ケアと認知症の症状は、入居を断られるいちばんの理由です。隠して話を進めても、入居前の面談で必ず判明します。最初に正直に伝えてください。

    住民票も重要です。グループホームと地域密着型特養は、原則としてその市区町村に住民票がある人しか入れません。

    お金について聞く4つの質問

    1. 月額の総額はいくらか。パンフレットの金額に含まれないものは何か

    「月額18万円」と書いてあっても、それは家賃・管理費・食費だけのことが多いです。

    含まれないことが多い項目 月額の目安
    おむつ代 5,000〜15,000円
    医療費・薬代 数千〜数万円
    理美容代 2,000〜4,000円
    レクリエーション費 実費
    日用品費 数千円

    実際は月2〜5万円上振れします。「これ以外に毎月かかるものを全部教えてください」と聞いてください。

    2. 入居一時金は、途中で退去したらいくら戻るか

    有料老人ホームの一時金には償却期間があります。確認すべき数字は3つです。

    確認する数字 意味
    初期償却率 入居した時点で返金対象から外れる割合。0〜30%が一般的
    償却期間 残りを何年で使い切るか。3〜10年
    途中退去時の返金額 上の2つから計算できるが、具体的な金額を書面で出してもらう

    「5年で全額償却、初期償却30%」なら、一時金600万円のうち180万円は入居初日に消えます。

    「1年で退去した場合、いくら戻りますか」と具体的に聞いてください。

    3. 要介護度が上がったら、月額はいくら増えるか

    介護度が上がれば自己負担も上がります。要介護3から5になった場合の金額を、具体的に出してもらってください。

    4. 値上げの実績はあるか。過去3年で何回上げたか

    これから何年も住む場所です。過去の実績が、将来の見通しになります。

    体制について聞く4つの質問

    5. 夜勤は何人か。入居者何人に対して何人か

    日中の人員配置はどこも似ています。差が出るのは夜間です。

    入居者50人を夜勤2人で見る施設と、3人で見る施設では、呼び出しへの対応がまったく違います。

    6. 職員の平均勤続年数はどのくらいか

    数字を持っていない施設もありますが、聞くこと自体に意味があります。答えに詰まる、あるいは「若い職員が多くて」と濁される場合は、入れ替わりが激しい可能性があります。

    7. 看護師は常駐か、日中のみか、オンコールか

    医療的ケアが必要なら、ここが決定的です。「看護師配置あり」の中身は施設によってまったく違います。

    体制 対応できること
    24時間常駐 たん吸引、経管栄養なども対応可能なことが多い
    日中のみ 夜間の医療的ケアは不可
    オンコール 呼べば来るが、常時対応ではない
    配置なし 医療的ケアは原則不可(グループホームに多い)

    8. どういう状態になったら退去をお願いされるか

    これは必ず聞いてください。「終身」と謳っていても、実際には医療依存度が上がると退去要件に該当するケースがあります。

    契約書のどこに書いてあるかまで確認してください。

    暮らしについて聞く4つの質問

    9. 家族はいつでも面会できるか。人数や時間の制限は

    10. 居室に持ち込めるものは何か。仏壇やテレビは置けるか

    11. 通院はどうなるか。付き添いは職員か家族か、費用はかかるか

    通院付き添いが家族対応の施設だと、月に何度も呼び出されます。遠方に住んでいる場合は特に重要です。

    12. 入居している方の平均年齢と要介護度は

    同じ「介護付有料老人ホーム」でも、自立に近い方が多い施設と、寝たきりの方が中心の施設ではまるで違います。親の状態と合っているかを判断する材料になります。

    データから分かった、13番目の質問

    ここからは公的データを集計して見えたことです。

    全国の高齢者向け住まいを運営する17,430法人のうち、6,275法人が2施設以上を運営しています。施設数でみると──

    施設数 割合
    系列の他施設がある施設 24,257 68%
    うち同じ市区町村内に系列がある 15,233 43%

    さらに、住まいと在宅サービス(訪問介護やデイサービス)の両方を持つ法人が10,681あります。

    つまり──

    「こちらが空いていない場合、系列の他の施設や、在宅のサービスを紹介していただけますか」

    この質問が有効な施設が、全体の3分の2以上あるということです。

    見学した施設が満室でも、話はそこで終わりません。同じ法人の別施設なら、状況を引き継いだうえで検討してもらえます。空室待ちの間、系列のデイサービスやショートステイでつなぐ提案が出ることもあります。

    1件断られるたびに一からやり直すのは、消耗します。断られたときこそ、次に繋がる質問をしてください。

    系列施設の空き状況をまとめて確認する方法もあります。

    紹介サービスは複数施設の空室状況を把握しているため、1件ずつ問い合わせる手間を省けます。

    空きのある施設をまとめて調べる

    見学のときに、目で見ておくこと

    質問への答えと同じくらい、その場で観察できることがあります。

    見るところ 何が分かるか
    におい 換気と排泄ケアの質
    職員の声かけ 子ども扱いしていないか。名前で呼んでいるか
    入居者の様子 全員がテレビの前に座らされていないか
    職員同士の様子 表情が硬い、私語がまったくない職場は余裕がない可能性
    廊下・共用部 案内された場所以外も見る
    掲示物 行事の写真、献立表が最新か
    私物の置き方 居室に生活感があるか

    できれば食事の時間帯に行ってください。生活の実態がいちばん出ます。

    案内された場所だけでなく、廊下やフロアの様子を見てください。

    見学当日の進め方

    限られた時間で必要な情報を得るには、順番があります。

    順番 やること 理由
    1 玄関に入った瞬間のにおいを確認 慣れると分からなくなる。最初の数秒が勝負
    2 施設側の説明を一通り聞く 相手のペースを尊重する
    3 こちらの状況を正直に伝える 受け入れ可否がここで大体分かる
    4 12の質問をする メモを見ながらで構わない
    5 居室・共用部を見せてもらう 案内された場所以外も歩く
    6 入居者の様子を見る 説明を聞きながらでも観察できる
    7 重要事項説明書をもらう 「持ち帰って読みます」と伝える

    3を先にやってしまうと、受け入れ不可の場合に残りの時間が無駄になります。逆に言えば、早めに伝えれば別の施設を探す時間が確保できます。

    質問しにくいと感じたら

    「こんなことを聞いていいのか」と遠慮する方が多いのですが、聞かれ慣れています。

    とくに費用と退去要件は、後でトラブルになるくらいなら最初に聞いた方が施設側にとってもよいことです。曖昧に答える施設、答えを渋る施設は、それ自体が判断材料になります。

    言いにくければ、「他の施設でも同じことを伺っています」と前置きすると聞きやすくなります。

    よくある失敗

    失敗 なぜ起きるか 対策
    1件しか見学しなかった 時間がない 最低3件。比較しないと基準ができない
    案内されるまま見て終わった 質問を用意していない この記事の12項目をメモして持参する
    月額だけ確認して契約した その他費用を聞いていない 「毎月かかるものを全部」と聞く
    医療的ケアを伝えなかった 断られるのが怖い 最初に伝える
    その場で契約した 押しに弱い 重要事項説明書を持ち帰って読む
    本人を連れて行かなかった 説得できていない 可能なら本人も一緒に。相性がある
    平日昼間だけ見た 都合がつかない 夕方や食事時も見ると印象が変わる

    その場で契約する必要はまったくありません。重要事項説明書は必ずもらって、持ち帰って読んでください。

    見学の流れ

    段階 やること 目安
    1 条件を整理する 要介護度・医療的ケア・予算・エリア
    2 資料を取り寄せる 数日
    3 候補を3〜5件に絞る
    4 見学の日程を調整する まとめて依頼できる
    5 見学する(1件30分〜1時間) 1〜2週間で回る
    6 重要事項説明書を持ち帰る
    7 家族で比較・検討する
    8 申込み・面談 施設側の受け入れ判定

    4の日程調整は、まとめて頼めます。1件ずつ電話をかけて予定を合わせるのは、働きながらでは現実的ではありません。

    見学は複数行ってください

    1件だけ見ても、それが良いのか悪いのか分かりません。最低3件、できれば5件見ると基準ができます。

    3件見ると、この記事の12の質問への答えが施設によってどれだけ違うか分かります。夜勤の人数も、退去要件も、聞いてみると本当にバラバラです。

    次にやること

    日程の調整は、まとめて頼んでください。

    見学したい施設を選んで、日程を申し込む

    ※ 無料で利用できます。特別養護老人ホームは対象外なので、特養も検討する場合は市区町村の窓口かケアマネジャーへ。

    3件を比べるための記録シート

    見学から帰ると、どこがどうだったか必ず混ざります。その場でメモを取り、家に帰ってから表に整理してください。

    項目 A施設 B施設 C施設
    月額(総額)
    一時金・初期償却率
    夜勤の人数
    看護師の体制
    退去要件
    通院の付き添い
    面会の制限
    におい
    職員の声かけ
    入居者の様子
    自宅からの距離
    総合

    数字と印象を分けて記録するのがコツです。数字は後から比較できますが、印象は時間が経つと薄れます。

    決め手になりやすい項目

    家族の状況によって、優先すべき項目が変わります。

    家族の状況 重視すべき項目
    遠方に住んでいる 通院の付き添い、緊急時の連絡体制
    働きながら介護 面会時間の柔軟さ、通院付き添いの有無
    医療的ケアが必要 看護師の体制、退去要件
    費用が厳しい 月額総額、値上げの実績、一時金の償却条件
    認知症がある 職員の声かけ、入居者の様子、夜勤体制

    すべてを満たす施設はありません。何を優先するかを、見学前に家族で決めておいてください。

    入居が決まってからやること

    見学して申し込み、受け入れが決まると、1〜2週間で入居というスケジュールになることがあります。

    やること 備考
    必要書類の準備 健康診断書、住民票、印鑑証明など。施設により異なる
    身元引受人を決める 契約時に必ず求められる
    日用品の準備 衣類、洗面用具、寝具(施設による)
    在宅サービスの解約 ケアマネジャーに依頼
    住所変更の手続き 施設に住民票を移すかは要相談
    医療機関への連絡 紹介状、お薬手帳の引き継ぎ

    衣類にはすべて名前を書く必要があります。数が多いので、早めに始めてください。

    そして、住んでいた家をどうするかという問題が同時に始まります。

    よくある質問

    見学に本人を連れて行くべきですか。

    可能なら連れて行ってください。本人と施設の相性は、実際に行かないと分かりません。ただし認知症が進んでいて混乱が予想される場合は、先に家族だけで下見をして、候補を絞ってから連れて行く方が負担が少ないことがあります。

    1件あたりどのくらい時間がかかりますか。

    30分から1時間程度です。移動時間を含めると、1日に回れるのは2〜3件が現実的です。

    見学に費用はかかりますか。

    かかりません。施設の見学は無料です。紹介サービス経由で申し込んでも費用は発生しません。

    予約なしで行ってもいいですか。

    必ず予約してください。担当者が不在だと、施設内を案内してもらえません。また、食事の時間帯を希望する場合は事前に伝えておくと調整してもらえます。

    何を持って行けばいいですか。

    この記事の12の質問をメモにしたもの、要介護認定の通知書(あれば)、お薬手帳のコピー、筆記用具です。その場でメモを取ってください。3件も回ると、どこがどうだったか必ず混ざります。

    施設側からはどんなことを聞かれますか。

    要介護度、認知症の有無と症状、医療的ケアの内容、服薬状況、経済状況、家族の連絡体制などです。答えられるように整理しておくと、判定が早く進みます。

    見学した施設が満室でした。どうすればいいですか。

    「系列の他の施設に空きはありますか」と聞いてください。全国の施設の68%は系列の他施設があり、43%は同じ市区町村内に系列を持っています。また、空室待ちの登録ができるかも確認しておいてください。

    見学の予約はどのくらい前に取ればいいですか。

    1週間前が目安です。施設側も担当者の予定を空ける必要があります。ただし急ぐ事情がある場合は、その旨を伝えれば数日以内に対応してもらえることもあります。複数施設を回るなら、同じ日に近い施設をまとめると効率的です。

    断られた理由を教えてもらえますか。

    聞けば教えてもらえることが多いです。理由が分かれば、次の施設選びの基準になります。医療的ケアが理由なら看護師常駐の施設を、症状が理由なら主治医に相談してから次を当たる、という判断ができます。

    家族の意見が割れたら、どうすればいいですか。

    見学に複数人で行ってください。同じ施設を見ても、印象は人によって違います。一人が見て報告するより、複数の目で見た方が納得が得られます。どうしても割れる場合は、「誰が主に対応するか」を基準にしてください。通院の付き添いや呼び出しに応じるのは、結局その人です。

    遠方の施設でも見学した方がいいですか。

    自宅から通える距離かどうかは、想像以上に重要です。入居後、体調不良や通院で呼び出されることがあります。片道2時間の施設だと、そのたびに1日が潰れます。費用や設備が多少良くても、距離が現実的でなければ続きません。

    契約を急かされたら、どうすればいいですか。

    その場で契約しないでください。「重要事項説明書を持ち帰って家族と相談します」と伝えて構いません。急かす施設は、それ自体が判断材料になります。

    この記事のデータについて

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)/2026年6月末時点

    同一施設が複数の指定区分で重複登録されているケースを、施設名と住所で名寄せして整理しています。公表データの「定員」欄は未報告が半数近くを占めるため集計に使用せず、施設の「数」のみを用いています。

    費用や退去要件は施設ごとに異なります。契約前には必ず重要事項説明書と契約書をご確認ください。

  • 認知症でも入れる施設はどこか|断られる本当の理由は3つ

    ※ 本ページはプロモーションを含みます。

    「認知症があると、施設に入れないのでは」

    そう心配される方が多いのですが、実際は逆です。認知症の方のために作られた施設が、全国に14,181か所あります。特別養護老人ホームの1.8倍です。

    問題は「入れるかどうか」ではありません。どの症状だと断られるのか、そしてどうやって探すのかです。

    この記事では、全国35,538施設の公的データをもとに、その2点をはっきりさせます。

    認知症の方が入れる施設は3種類ある

    種類 全国の施設数 月額の目安 特徴
    グループホーム 14,181 12〜20万円 認知症の方専用。5〜9人の小規模
    特別養護老人ホーム 10,444 5〜15万円 要介護3以上。費用は安いが待機あり
    介護付有料老人ホーム 4,693 15〜30万円以上 費用は高いが空きがあれば早い

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)2026年6月末時点。当サイトで重複を整理して集計。特養は広域型7,916と地域密着型2,528の合計。

    最有力はグループホームです。認知症と診断された方だけが入る施設で、5〜9人が1つのユニットで暮らします。少人数で顔ぶれが変わらないため、認知症の方が混乱しにくい設計になっています。

    グループホームの入居条件

    3つの条件をすべて満たす必要があります。

    条件 内容 注意点
    医師の診断 認知症と診断されていること 診断書が必要。「もの忘れが多い」だけでは入れない
    要介護度 要支援2以上 要支援1では入れない
    住民票 その市区町村にあること 地域密着型のため。遠方の親は呼び寄せられない

    住民票の条件がいちばん見落とされます。

    「遠方の親を自分の近くのグループホームに」と考えても、そのままでは申し込めません。先に住民票を移す必要があります。

    住民票を移すと、介護保険の保険者もその市区町村に変わります。手続きは市区町村の窓口で相談してください。転居先での要介護認定の引き継ぎもあわせて確認が必要です。

    住民票を移さずに入れる施設

    呼び寄せを考えているなら、こちらが選択肢になります。

    種類 市外・県外から申し込めるか
    介護付有料老人ホーム できる
    特別養護老人ホーム(広域型・7,916件) できる
    介護老人保健施設 できる
    グループホーム できない
    地域密着型特養(2,528件) できない

    断られる本当の理由は「認知症」ではない

    認知症そのものを理由に断られることは、実はあまりありません。断られるのはこの3つです。

    理由 内容 対応
    医療的ケア たん吸引、経管栄養、インスリン、透析、酸素療法 看護師常駐の施設を探す。医療対応可の有料老人ホームか介護医療院
    症状の程度 暴力、大声、激しい徘徊 薬の調整で落ち着くことがある。主治医に相談してから施設を当たる
    要介護度 条件に合わない 特養は要介護3以上、GHは要支援2以上

    グループホームは看護師の配置義務がありません。そのため医療的ケアが必要な方は、ここで断られることが最も多くなります。

    見学や相談のときは、最初に正直に伝える

    隠して話を進めても、入居前の面談で必ず判明します。そのとき一からやり直しになる方が、ずっと消耗します。

    伝えるべきこと。

    • 医療的ケアの有無と内容(具体的に)
    • 認知症の症状(徘徊、暴言、昼夜逆転、失禁など)
    • 要介護度(認定前なら申請中と伝える)
    • 服薬の状況

    探すときの最大の障害

    ここからは、あまり語られていない話です。

    全国のグループホーム14,181施設を運営しているのは8,394法人。そのうち6,261法人(75%)は、施設を1つしか持っていません。

    運営主体の内訳はこうです。

    運営主体 割合
    営利法人(株式会社等) 55%
    社会福祉法人 23%
    医療法人 14%
    NPO法人 3%

    特養が社会福祉法人94%なのに対し、グループホームは営利法人が過半数です。ただしその多くは小規模な事業者で、大手チェーンばかりではありません。

    そして、この構造が探しにくさを生んでいます。

    グループホームの24.2%は、公式サイトを持っていません。

    これは高齢者向け住まいの中で最も高い数字です。特別養護老人ホームは3.4%ですから、7倍の差があります。

    種類 公式サイトがない割合
    グループホーム 24.2%
    介護付有料老人ホーム 10.2%
    介護老人保健施設 6.3%
    特別養護老人ホーム 3.4%

    つまり、いちばん選択肢が多いはずのグループホームが、いちばんネットで調べられないという状態です。

    小さな事業者が多く、ホームページを作る余力がないためです。運営の質とは関係ありません。ただ、探す側にとっては「比較する材料がない」という現実的な問題になります。

    サイトを持たない施設の情報も、紹介サービスは把握しています。

    ネットに出てこない施設を含めて、条件に合うところの資料をまとめて取り寄せられます。

    認知症に対応できる施設の資料を無料で請求する

    地域によって、調べられる度合いが3倍違う

    グループホームの情報開示は、都道府県によって大きく差があります。

    情報が出ていない県 HPなし率 GH数
    秋田県 39.5% 190
    茨城県 38.6% 267
    長崎県 38.2% 330
    宮崎県 38.2% 186
    青森県 37.3% 314
    情報が出ている県 HPなし率 GH数
    東京都 11.9% 714
    奈良県 13.2% 151
    新潟県 15.0% 286
    大阪府 15.1% 680
    長野県 15.5% 265

    秋田県では約4割がネットに情報を出していません。東京の3倍以上です。

    こうした地域では、自力でネットを検索しても選択肢の6割しか見えません。ケアマネジャーか紹介サービスを使わないと、実質的に探せないということになります。

    お住まいの地域に、いくつあるか

    グループホームは全国1,698の市区町村にあります。逆に言えば、191の市区町村にはグループホームが1つもありません。

    そして施設数の中央値は5施設です。半数の自治体では、選べる候補が5つ以下ということになります。

    参考までに、グループホームが多い自治体はこちらです。

    自治体 GH数
    愛媛県 松山市 131
    鹿児島県 鹿児島市 121
    北海道 旭川市 82
    岡山県 倉敷市 76
    広島県 福山市 74

    都市部にお住まいなら選択肢は多いですが、地方では「あるかないか」の世界です。まずお住まいの地域に何があるかを確認してください。

    施設に入る前に:認知症の方が使える在宅サービス

    施設だけが選択肢ではありません。在宅で続けるための仕組みもあります。

    サービス 全国の事業所数 ない自治体 内容
    認知症対応型デイサービス 2,951 888(47%) 少人数で認知症の方に合わせた通所
    小規模多機能型居宅介護 5,373 608(32%) 通い・訪問・泊まりを同じ事業所が提供
    看護小規模多機能型 1,142 1,332(71%) 上記に訪問看護が加わる

    認知症対応型デイサービスは、約半分の自治体に存在しません。

    通常のデイサービスより少人数で、認知症の方に合わせた対応をします。在宅で介護を続けながら、日中を預けることができる仕組みですが、地域差が非常に大きい領域です。

    小規模多機能型は、通い・訪問・泊まりを1つの事業所が組み合わせて提供します。急に泊まりに切り替えられるのが強みで、症状が不安定な認知症の方には向いています。

    在宅を続けるか施設に移るかは、これらの選択肢が地域にあるかどうかでも変わります。担当のケアマネジャーに確認してみてください。

    グループホームでの暮らし

    施設の種類が決まっても、実際どう過ごすのかが分からないという声をよく聞きます。

    1日の流れ(一般的な例)

    時間帯 内容
    起床、洗面、朝食の準備を一緒にする
    午前 掃除、洗濯、買い物などの家事に参加
    昼食。調理に関わることも
    午後 散歩、体操、レクリエーション、入浴
    夕方 夕食の準備
    就寝

    特徴は「家事に参加する」ことです。

    他の施設が「サービスを受ける」場所であるのに対し、グループホームはできることは自分でやるという設計になっています。米をとぐ、洗濯物をたたむ、テーブルを拭く。こうした役割があることが、認知症の進行を緩やかにすると考えられています。

    「何もしなくていいですよ」と言われる施設よりも、「一緒にやりましょう」と言う施設の方が、グループホームとしては適切です。見学のときに確認してみてください。

    費用の内訳

    項目 目安 備考
    家賃 3〜6万円 地域差が大きい
    食費 3〜5万円 1日3食
    光熱費 1〜2万円
    介護サービス費 2〜3万円 要介護度と自己負担割合による
    その他 1〜3万円 おむつ、医療費、理美容など
    月額合計 12〜20万円

    特養と違い、グループホームには食費・居住費の軽減制度(負担限度額認定)がありません。この点は費用を考えるうえで重要です。

    なお自治体によっては、家賃の一部を助成する制度を独自に設けている場合があります。市区町村の高齢福祉課に確認してみてください。

    よくある失敗

    失敗 なぜ起きるか 対策
    遠方の親をGHに呼び寄せようとした 地域密着型と知らない 住民票を先に移す。または広域型を選ぶ
    診断書がなくて申し込めなかった 「もの忘れ」で済ませていた 先に医師の診断を受ける
    医療的ケアを伝えずに進めた 断られるのが怖い 最初に伝える。必ず判明する
    ネットだけで探して候補が見つからない 24.2%が情報を出していない ケアマネか紹介サービスを使う
    症状が激しいまま施設を当たった 薬の調整をしていない 主治医に相談してから動く
    特養だけを待った 待機が長い GHと並行して検討する

    手続きの流れ

    段階 やること 備考
    1 医師の診断を受ける 認知症の診断書。GHには必須
    2 要介護認定を申請する 申請から結果まで原則30日
    3 ケアマネジャーを決める 地域の事情を把握している
    4 医療的ケアの有無を整理する 選択肢が大きく変わる
    5 住民票の場所を確認する GHは原則その市区町村のみ
    6 特養に申し込む(要介護3以上) 待機が長いので早めに
    7 GH・有料老人ホームの資料を取り寄せる まとめて請求できる
    8 見学する 最低3件

    まとめ:どう動くか

    1. まず医師の診断を確認する。グループホームには診断書が必要
    2. 医療的ケアの有無を整理する。たん吸引などがあると選択肢が絞られる
    3. 住民票のある市区町村を確認する。GHは原則そこだけ
    4. 並行して特養に申し込んでおく。待機が長いので早いほど有利
    5. 民間施設はまとめて資料請求する。サイトのない施設も含めて比較できる
    6. 在宅サービスの選択肢も確認する。地域にあれば施設入居を遅らせられる

    次にやること

    候補が2〜3か所に絞れたら、必ず見学してください。認知症の方の施設は、入居者の様子とスタッフの接し方に差が出ます。パンフレットでは分かりません。

    資料を取り寄せて、見学を申し込む

    ※ 無料で利用できます。特別養護老人ホームはこのサービスの対象外です。特養は市区町村の窓口かケアマネジャーへ。

    よくある質問

    認知症の診断がないと、グループホームには入れませんか。

    入れません。医師による認知症の診断が必須です。「もの忘れが増えた」という状態では申し込めないため、まず医療機関を受診してください。かかりつけ医から、もの忘れ外来や認知症疾患医療センターを紹介してもらえます。

    要介護1ですが、グループホームに入れますか。

    入れます。グループホームは要支援2以上が対象なので、要介護1なら条件を満たします。ただし特別養護老人ホームは原則要介護3以上なので、そちらは対象外です。

    徘徊がひどいのですが、受け入れてもらえますか。

    程度によります。他の入居者の安全に関わるため、激しい場合は断られることがあります。ただし薬の調整や環境の変化で落ち着くケースも多いので、まず主治医に相談してください。症状が安定してから施設を当たる方が、話が進みます。

    たん吸引が必要ですが、グループホームは無理ですか。

    難しいことが多いです。グループホームには看護師の配置義務がありません。医療的ケアが必要な場合は、看護師が常駐する介護付有料老人ホーム、介護医療院、または医療対応可能な施設を探すことになります。

    遠方の親を、自分の近くのグループホームに入れたいのですが。

    そのままでは申し込めません。グループホームは地域密着型サービスで、原則としてその市区町村に住民票がある方が対象です。呼び寄せる場合は、先に住民票を移す必要があります。住民票を移さずに入れる施設としては、介護付有料老人ホーム、広域型の特養、老健があります。

    グループホームは何人くらいで暮らすのですか。

    5〜9人で1つのユニットを作り、共同生活をします。1施設あたり1〜2ユニットが一般的です。少人数で顔ぶれが変わらないことが、認知症の方の混乱を減らすとされています。

    認知症が進行したら、退去しなければなりませんか。

    施設によります。寝たきりになった、医療的ケアが常時必要になったといった場合に退去要件に該当することがあります。契約前に「どういう状態になったら退去をお願いされますか」を必ず確認し、契約書のどこに書いてあるかまで見ておいてください。

    見学のとき、どこを見ればいいですか。

    入居者の様子とスタッフの接し方です。認知症の方の施設は、ここに差が出ます。入居者が全員テレビの前に座らされていないか、スタッフが子ども扱いしていないか、何か役割を持って動いている方がいるか。できれば食事や家事の時間帯に行ってください。生活の実態がいちばん出ます。

    空きがないと言われました。どうすればいいですか。

    「系列の他の施設に空きはありますか」と聞いてください。全国のグループホームのうち、複数施設を運営する法人が持つものが少なくありません。1件断られたからといって、その法人との話が終わるわけではありません。また、空室待ちの登録ができるかも確認してください。

    費用は特養より高いですか。

    一般的にはグループホームの方が高くなります。特養が月5〜15万円に対し、グループホームは12〜20万円が目安です。ただし特養は要介護3以上・待機ありという条件があるため、単純な比較はできません。所得が低い場合、特養には食費・居住費の軽減制度(負担限度額認定)があります。

    この記事のデータについて

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)/2026年6月末時点

    同一施設が複数の指定区分で重複登録されているケースを、施設名と住所で名寄せして整理しています。公表データの「定員」欄は未報告が半数近くを占めるため集計に使用せず、施設の「数」のみを用いています。都道府県別の比率はグループホーム150件以上の県で算出しています。

    受け入れ条件は施設ごとに異なります。実際の可否は各施設にご確認ください。制度の内容は改正により変更される場合があります。

  • 特養の待機期間は本当に長いのか|1施設だけの自治体が401ある

    ※ 本ページはプロモーションを含みます。

    「特養は何年も待つ」と言われます。実際、地域によっては数年かかります。

    ただ、待機期間は住んでいる場所によってまったく違います。そして「申し込んでも無駄だ」と諦めてしまうのは、最ももったいない判断です。

    この記事では、全国10,444か所の特養の公的データをもとに、待機の実態と、待つ間にやるべきことを整理します。

    特養は全国に10,444か所ある

    種類 施設数 定員規模 申込みできる人
    特別養護老人ホーム(広域型) 7,916 30人以上 要介護3以上。市外・県外からも可
    地域密着型特養 2,528 29人以下 要介護3以上。原則その市区町村の住民のみ

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)2026年6月末時点。当サイトで重複を整理して集計。

    この2つを分けて考えていない人が多いのですが、重要な違いです。

    広域型は市外・県外からでも申し込めます。地域密着型は住民票がその市区町村にある人だけ。

    つまり親を呼び寄せたい場合、地域密着型の2,528か所は最初から対象外になります。使えるのは全体の76%です。

    逆に言えば、今住んでいる場所の特養なら、地域密着型も含めて申し込めます。選択肢が増えます。

    地域差がすべて

    全国1,889市区町村のうち、特養がある自治体は1,798。91の自治体には1つもありません。

    そして施設数の中央値は3施設。さらに、401の市区町村には特養が1つしかありません。

    都道府県別の施設数

    特養が多い県 施設数
    東京都 593
    大阪府 566
    千葉県 479
    埼玉県 470
    北海道 470
    特養が少ない県 施設数
    鳥取県 48
    佐賀県 61
    高知県 64
    徳島県 79
    沖縄県 81

    「1施設しかない自治体」が多い県

    都道府県 特養が1施設だけの自治体数
    北海道 102
    長野県 27
    福島県 22
    沖縄県 17
    青森県 12

    北海道は102の自治体で特養が1施設しかありません。さらに11の自治体には1つもない。

    こうした地域では「複数申し込んで比較する」という戦略が取れません。その1施設に空きが出るまで待つか、隣接する自治体の広域型に申し込むかになります。

    つまり──

    • 都市部:候補が多く、複数申し込める。競争率は高いが回転もある
    • 地方:候補が1〜3か所。空きが出るまで動かない

    「特養は何年待ち」という一般論が意味を持たないのは、この差があるからです。あなたの地域に何か所あるかで、話がまったく変わります。

    待機期間が長くなる本当の理由

    特養は先着順ではありません。必要度の高い人から入ります。

    各施設が点数をつけて順位を決めています。評価されるのは主にこの4点です。

    評価される点 内容
    要介護度 重いほど優先
    介護者の状況 独居、高齢の配偶者のみ、家族が病気・障害など
    在宅サービスの利用状況 限度額いっぱい使っていても足りていないか
    住まいの状況 階段しかない、風呂に入れない、火の始末が危険など

    つまり「困っている度合い」で決まります。

    ここが重要です。申し込んだときの状況が、そのまま順位になるわけではありません。状況が変われば順位は変わります。

    だから──

    状況が悪化したら、必ず施設に連絡して申込内容を更新してください。

    要介護度が上がった、介護している配偶者が入院した、徘徊が始まった、火を消し忘れるようになった。こうした変化を伝えていないと、古い情報のまま順位がつき続けます。

    申し込んだことを忘れて何年も放置し、いつまでも順番が来ないケースは、これが原因のことがあります。

    いま申し込むべき3つの理由

    入居する気がまだ固まっていなくても、申し込みだけは今しておくべきです。

    1. 申込みは無料で、複数の施設に出せる

    1か所に絞る必要はありません。通える範囲の特養すべてに出しておいて構いません。

    1. 順番が来ても断れる

    打診が来たときに「今は在宅で大丈夫です」と断ることができます。ただし施設によっては、断ると順位が下がる、または申込みが取り消される場合があります。断ったときの扱いを、申込時に確認しておいてください。

    1. 状況は必ず変わる

    親の状態も、介護する側の状況も、確実に変化します。そのときゼロから申し込むのと、既に申し込んで数年経っているのとでは、まったく違います。

    待っている間にやること

    待機中を「何もできない期間」にしないでください。やるべきことがあります。

    やること 理由
    在宅サービスを限度額まで使う 使い切ってもなお厳しい、という記録が必要性の証明になる
    ショートステイを定期的に使う 介護者が休める。本人も施設に慣れる
    状況が変わったら申込内容を更新 これをしないと順位が動かない
    負担限度額認定を申請する 該当すれば月額が数万円下がる
    民間施設も並行して見ておく 特養一本は危険

    在宅サービスを使い切る

    これは順位にも影響します。サービスを使い切ってもなお在宅が厳しい、という記録が必要性の証明になります。遠慮して使っていないと、「まだ余裕がある」と判断されかねません。

    ケアマネジャーに「使える上限まで使いたい」と伝えてください。

    ショートステイを組み込む

    数日〜1週間の宿泊です。全国に14,963か所あり、ゼロの自治体は83だけなので、比較的どの地域でも使えます。

    介護する側が休めますし、親も施設での生活に慣れます。急な入所になったときの適応が違います。

    「限界が来たら使う」ではなく、最初から月に数日を予定に入れてください。家族が倒れてからでは予約が取れません。

    家族の分担を決めておく

    入所の連絡が来てから慌てないよう、待機中に決めておくことがあります。

    決めておくこと 理由
    誰が手続きの窓口になるか 施設からの連絡先を一本化する
    費用を誰がどう負担するか 兄弟間で後から揉める最大の原因
    身元引受人を誰にするか 入所時に必ず求められる
    荷物の準備を誰がするか 1〜2週間で用意することになる

    費用の分担は、口約束にせず記録に残してください。「親の年金から出す」「足りない分は長男が」といった取り決めが曖昧なまま数年経つと、相続の際に必ず問題になります。

    民間施設も並行して見ておく

    これが一番大事です。特養だけを待って、他を何も見ていない状態が最も危険です。

    在宅が限界に来たとき、特養の順番はまだ来ていない。その状況で慌てて探すと、費用も条件も妥協した選択になります。

    資料の取り寄せは無料です。すぐに入居する必要はありません。費用の目安を知っておくだけでも、判断の速さが変わります。

    特養を待ちながら、民間施設の候補も確保しておく

    費用の目安と、下げる方法

    種類 入居一時金 月額の目安
    特別養護老人ホーム なし 5〜15万円
    介護老人保健施設 なし 8〜15万円
    グループホーム 0〜数十万円 12〜20万円
    介護付有料老人ホーム 0〜数千万円 15〜30万円以上

    特養が安いのは、運営の94%が社会福祉法人という公的な性格によるものです。この差が待機を生んでいるとも言えます。

    負担限度額認定を必ず申請する

    これを知らずに損している方が多い制度です。

    所得と資産が一定以下の場合、特養・老健・ショートステイの食費と居住費が軽減されます。

    制度名 介護保険負担限度額認定
    申請先 市区町村の窓口
    注意 申請しないと適用されない。自動では適用されない
    効果 該当すると月額が数万円下がることがある

    判定には預貯金額も含まれます。詳しい要件は市区町村によって案内が異なるので、まず窓口で「負担限度額認定を受けられますか」と聞いてください。

    特養に申し込むときに必ず確認すべき項目です。

    申込書に何を書くかで、順位が変わる

    特養の申込書には、必ず「介護の状況」を書く欄があります。ここの書き方で順位が変わります。

    多くの方が遠慮して控えめに書きますが、これは謙遜する場面ではありません。事実を漏れなく書いてください。

    書き忘れが多い項目

    項目 書くべき内容の例
    夜間の状況 「夜間2〜3回起こされる」「昼夜が逆転している」
    排泄 「失禁がある」「トイレの場所が分からなくなる」
    火の始末 「鍋を焦がしたことが○回」「ガスを消し忘れる」
    徘徊 「外に出て戻れなくなったことが○回」「警察に保護された」
    介護者の状況 「介護者も○歳」「持病がある」「フルタイムで働いている」
    住まいの構造 「2階に寝室があり階段の上り下りが危険」「風呂に手すりがない」
    家族の距離 「子は片道○時間の距離」「近隣に頼れる親族がいない」

    回数や時間を具体的な数字で書くと、状況が伝わります。「時々」ではなく「週に2回」と書いてください。

    医師の意見書と食い違わないようにする

    申込書の内容が、主治医の意見書や認定調査の結果と大きく食い違うと、信頼性を疑われることがあります。

    受診時に、家庭での様子を医師に伝えておいてください。診察室では本人がしっかり受け答えできてしまい、実態が伝わらないことがよくあります。メモにして渡すのが確実です。

    特養以外に、費用を抑えられる選択肢

    特養を待つ間、あるいは要介護度が足りない場合に検討できる選択肢があります。

    種類 施設数 月額 特徴
    介護老人保健施設 3,994 8〜15万円 一時金なし。原則3〜6か月
    軽費老人ホーム(ケアハウス) 575 6〜15万円 所得に応じた軽減あり。要介護認定なしでも可のタイプあり
    地域密着型特養 2,528 5〜15万円 住民票がその市区町村にあれば申込可

    軽費老人ホーム(ケアハウス)はほとんど知られていません。575施設しかなく、1,511の市区町村には存在しません。ただし地域にあれば、特養の待機中の住まいとして有力な選択肢になります。

    90%が社会福祉法人の運営で、公式サイトを持っている施設が96.2%と情報も比較的出ています。市区町村の高齢福祉課に問い合わせてみてください。

    よくある失敗

    失敗 なぜ起きるか 対策
    申し込んだまま放置して順番が来ない 状況変化を伝えていない 変化があるたび施設に連絡
    1か所しか申し込んでいない 遠慮している 通える範囲すべてに出す
    特養だけを待って他を見ていない 「安いから」 民間施設の候補も確保
    負担限度額認定を申請していない 制度を知らない 市区町村の窓口で確認
    在宅サービスを遠慮して使っていない 迷惑をかけたくない 使い切ることが必要性の証明になる
    呼び寄せ先の地域密着型に申し込もうとした 住民票の条件を知らない 広域型(76%)を選ぶ

    手続きの流れ

    段階 やること 備考
    1 要介護認定を受ける 特養は原則要介護3以上
    2 ケアマネジャーに相談 申込みを代行してもらえる
    3 通える範囲の特養をリストアップ 広域型・地域密着型を区別する
    4 複数の施設に申し込む 無料。何か所でも可
    5 負担限度額認定を申請 市区町村の窓口
    6 在宅サービスを使い切る 限度額まで
    7 状況が変わるたび申込内容を更新 これを忘れない
    8 並行して民間施設の候補も確保 限界が来る前に

    まとめ

    1. 今すぐ申し込む。無料で、複数出せて、断れる
    2. 通える範囲の特養すべてに出す。1か所に絞らない
    3. 状況が変わったら必ず更新の連絡をする。これをしないと順位が動かない
    4. 待つ間に在宅サービスを使い切る。それ自体が必要性の証明になる
    5. 負担限度額認定を申請する。申請しないと適用されない
    6. 民間施設も並行して見ておく。特養一本は危険

    次にやること

    特養の申込みは市区町村の窓口か、施設に直接です。担当のケアマネジャーがいれば、まずその方に相談してください。手続きを代行してもらえます。

    そして並行して、民間施設の候補を確保しておいてください。

    条件に合う施設の資料を取り寄せる

    ※ 無料で利用できます。この紹介サービスで特別養護老人ホームは扱っていません。特養の申込みは市区町村の窓口へ。両方やってください。

    よくある質問

    要介護2ですが、特養に申し込めますか。

    原則は要介護3以上です。ただしやむを得ない事情がある場合は「特例入所」が認められることがあります。認知症で常時見守りが必要、家族から虐待の恐れがある、単身で在宅生活が困難といった場合です。市区町村にご相談ください。

    何か所まで申し込めますか。

    制限はありません。通える範囲の特養すべてに申し込んで構いません。申込みは無料です。ただし施設ごとに申込書の様式が違うため、手間はかかります。ケアマネジャーに相談すれば代行してもらえます。

    順番が来たけれど、まだ在宅で大丈夫です。断れますか。

    断れます。ただし施設によっては順位が下がる、または申込みが取り消される場合があります。申込時に「一度断った場合どうなりますか」を確認しておいてください。

    申し込んでから3年経ちますが、連絡がありません。

    まず申込みが有効かどうかを施設に確認してください。施設によっては定期的な更新が必要な場合があります。あわせて、この3年で状況が変わっていれば必ず伝えてください。要介護度が上がった、介護者の状況が変わったといった情報が反映されていないと、古い順位のままです。

    遠方の親を、自分の近くの特養に申し込めますか。

    広域型(7,916施設)なら申し込めます。市外・県外からの申込みが可能です。ただし地域密着型(2,528施設)は、その市区町村に住民票がある方のみです。呼び寄せを考えている場合は、広域型を中心に探してください。

    費用はどのくらいですか。

    月5〜15万円が目安です。要介護度、居室のタイプ(多床室かユニット型個室か)、所得によって変わります。所得が低い場合は負担限度額認定を申請すると、食費と居住費が軽減されます。申請しないと適用されないので、必ず市区町村の窓口で確認してください。

    入所したあと、退所になることはありますか。

    あります。長期入院した場合や、医療的ケアが施設の対応範囲を超えた場合などです。特養は原則として終身利用できる施設ですが、契約書の退所要件は必ず確認してください。

    入所の連絡は、どのくらい前に来ますか。

    施設によりますが、1週間から2週間程度前が一般的です。急に「来週から」と言われることもあります。日用品の準備、住民票や保険証の手続き、在宅サービスの解約など、やることが一度に来ます。待機中にリストを作っておくと慌てずに済みます。

    老健とはどう違いますか。

    老健は在宅復帰を目指す施設で、原則3〜6か月の期限があります。リハビリの体制があり、退院後に自宅へ戻る準備をする場所です。一方特養は生活の場で、期限はありません。目的が違うので、状況に応じて使い分けます。

    この記事のデータについて

    出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)/2026年6月末時点

    同一施設が複数の指定区分で重複登録されているケースを、施設名と住所で名寄せして整理しています。公表データの「定員」欄は未報告が半数近くを占めるため集計に使用せず、施設の「数」のみを用いています。

    入所判定の基準と待機期間は施設・自治体によって異なります。費用の目安は一般的な水準であり、実際の金額は所得区分等により変わります。特例入所や負担限度額認定の要件は制度改正により変更される場合があります。最新の内容は市区町村にご確認ください。