デイサービスの選び方|認知症対応型は48%の自治体にない

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「デイサービスに通わせたい」とケアマネジャーに伝えると、話がすんなり進むことが多いはずです。

在宅の介護サービスの中で、デイサービスは最も全国に行き渡っています。厚生労働省の公表データを当サイトで集計したところ、通所介護と地域密着型通所介護を合わせて42,352事業所あり、どちらも1つもない市区町村は32(1.7%)しかありませんでした。

ただし「通う場所」がすべて同じわけではありません。デイサービス、デイケア、認知症対応型は制度上まったく別のサービスです。そして認知症対応型に至っては、48%の自治体に1つも存在しません。

選び方を間違えると、本人が通わなくなります。通わなくなると、家族の時間も機能も同時に失われます。

在宅サービスの中では、いちばん見つかる

「通い」に分類される事業所は全国52,717あります。内訳と、その空白を並べます。

サービス 全国の事業所数 ある自治体 1つもない自治体
通所介護 24,518 1,713 176(9.3%)
地域密着型通所介護 17,834 1,586 303(16.0%)
上の2つの合計=デイサービス 42,352 1,857 32(1.7%)
デイケア(通所リハビリ) 7,636 1,469 420(22.2%)
認知症対応型通所介護 2,678 975 914(48.4%)
「通う」サービスは、種類によって行き渡り方がまるで違う認知症対応型通所介護 914自治体 48.4%; デイケア(通所リハビリ) 420自治体 22.2%; 地域密着型通所介護 303自治体 16.0%; 通所介護 176自治体 9.3%; デイサービス(上の2つの合計) 32自治体 1.7%「通う」サービスは、種類によって行き渡り方がまるで違う全国1,889市区町村のうち、そのサービスが1つもない自治体の割合認知症対応型通所介護914自治体 48.4%デイケア(通所リハビリ)420自治体 22.2%地域密着型通所介護303自治体 16.0%通所介護176自治体 9.3%デイサービス(上の2つの合計)32自治体 1.7%デイサービスは在宅サービスで最も行き渡っている。認知症専門のデイは半分の自治体にない

出典:マモリア独自集計。介護サービス情報公表システム(厚生労働省)2026年6月末時点

出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)2026年6月末時点。当サイトで重複を整理して集計。全国1,889市区町村を対象。

デイサービスが1つもない自治体は32。在宅サービスの中では、群を抜いて行き渡っています。夜間に対応できるサービスは58%の自治体にありません。訪問介護でさえ、事業所の4割はホームページを持っていません。

それに比べれば、デイサービスは「探せば見つかる」サービスです。

ただし認知症対応型は別

認知症対応型通所介護は、全国の約半分の自治体に存在しません。定員12人以下の小さな単位で、認知症の人に絞って手厚くみるサービスですが、2,678事業所しかありません。

「認知症だから専門のデイに」と考えても、地域にない可能性が半々です。まずあるかどうかから確認することになります。

「通う」サービスは3種類ある

名前が似ているので混同されますが、目的も、必要な手続きも違います。

デイサービス
(通所介護)
デイケア
(通所リハビリ)
認知症対応型
通所介護
主な目的 生活の支援と社会参加 身体機能の回復・維持 認知症の人への専門的な対応
実施する場所 専用の事業所 老健・病院・診療所 専用の事業所・併設
専門職 機能訓練指導員 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 認知症介護の研修を受けた職員
医師の指示 不要 必要 不要
1日の定員 事業所による 事業所による おおむね12人以下
事業所数 42,352 7,636 2,678
全国の事業所数通所介護(定員18人超) 24,518; 地域密着型通所介護(18人以下) 17,834; デイケア(通所リハビリ) 7,636; 認知症対応型通所介護 2,678全国の事業所数「通う」サービスの規模(2026年6月末時点)通所介護(定員18人超)24,518地域密着型通所介護(18人以下)17,834デイケア(通所リハビリ)7,636認知症対応型通所介護2,678デイサービス(上の2つ)だけで42,352。特養10,444の4倍ある

出典:マモリア独自集計。介護サービス情報公表システム(厚生労働省)2026年6月末時点

退院直後で機能の回復を狙うならデイケアです。詳しくは退院後のリハビリをどこで受けるかにまとめています。

一方、日中の居場所をつくり、家族が休む時間を確保することが目的なら、デイサービスの方が数が多く選びやすいです。

目的が変われば、通う先も変えていい。最初に決めたところに通い続ける必要はありません。

「地域密着型」は別のサービスです

ここは誤解されやすいところです。同じ「デイサービス」に見えても、通所介護と地域密着型通所介護は制度上まったく別のサービスとして登録されています。だから公表データでも別々に数えられています。

分けているのは規模です。そして規模の違いが、そのまま「誰が使えるか」を決めます。

区分 規模 事業所数 使えるのは誰か
地域密着型通所介護 1日の定員18人以下 17,834 原則その市区町村の住民のみ
通常規模型・大規模型の通所介護 18人超 24,518 市外からでも利用できる

地域密着型は、原則としてその市区町村に住んでいる人しか使えません。隣の市に良さそうな小規模のデイを見つけても、対象外ということが起こります。全体の4割強がこの地域密着型です。

逆に言えば、地域にデイが少ない場合、通常規模型なら隣接する市区町村のものを検討できます。送迎の範囲に入っているかが実際の条件になります。

小さいほど良いわけでも、大きいほど良いわけでもない

小規模 大規模
雰囲気 家庭的。顔ぶれが固定する にぎやか。相性の合う人を見つけやすい
職員との距離 近い 担当が日によって変わることがある
プログラム 限られる 選択肢が多い
合わなかったとき 逃げ場がない 別の席・別の活動に移れる

人と話すのが苦手な人が大規模に行くと疲れます。逆に、人間関係のこじれた小規模は本人にとって行き場がありません。本人の性格を、機能や設備より優先して見てください。

要支援だと、そもそも別の制度になる

これは知られていませんが、実務では毎回問題になります。

要支援1・2の人が使う通所サービスは、2015年4月から介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)へ移行し、2017年度までにすべての市町村で実施されています。

つまり要支援の人は、介護保険の「通所介護」ではなく、市町村が運営する「通所型サービス」を使うことになります。

種類 担い手 内容
従前相当 これまでのデイサービス事業者 移行前とほぼ同じ内容
サービスA(緩和した基準) NPO・民間事業者 人員基準をゆるめたミニデイ
サービスB(住民主体) 地域の住民・ボランティア 通いの場、交流サロン
サービスC(短期集中予防) 市町村の専門職 3〜6か月の集中的な運動プログラム

実施主体が市町村なので、何が用意されているかは自治体ごとにまったく違います。サービスBが充実している市もあれば、従前相当しかない町もあります。

料金の考え方も自治体で異なります。回数ごとに払う方式のところもあれば、月額の定額制のところもあります。要支援の段階では、まず地域包括支援センターに「うちの市には何がありますか」と聞くのが最短です。

窓口の探し方はケアマネジャーの選び方と変え方にまとめています。要支援のうちは、担当は居宅介護支援事業所ではなく地域包括支援センターになります。

費用に含まれないもの

介護保険の自己負担(1〜3割)のほかに、実費で払うものがあります。

項目 扱い
送迎 サービスに含まれる(別料金ではない)
昼食代 実費
おやつ代 実費
おむつ代・日用品費 実費
レクリエーションの材料費 実費のことがある
入浴・機能訓練 加算として保険の対象(自己負担割合に応じて増える)

週3回通えば、食事とおやつだけで月に1万円前後の実費が乗ります。「1回いくら」ではなく「月にいくら」を必ず確認してください。

費用全体の見通しについては年金の範囲で入れる施設も参考になります。在宅を続けるか施設に移るかは、最終的に月額の比較になります。

週に何回通えるのか

要介護度ごとに、1か月に使えるサービスの上限(区分支給限度基準額)が決まっています。デイサービスだけで使い切ることも、訪問介護や福祉用具と組み合わせることもできます。

実務上は「デイを週何回にすると、訪問介護が週何回まで入るか」という配分の話になります。ここを決めるのがケアマネジャーの仕事です。

上限を超えた分は全額自己負担になります。超えてでも通いたいのか、他を削るのか。家族が何に困っているかを具体的に伝えないと、この配分は最適になりません。

「日中ひとりにできないので、平日は毎日出かけてほしい」
「入浴だけは自宅では無理なので、そこは確実に」
「金曜は自分が休みたい」

この程度の具体性で伝えて構いません。遠慮すると、あたりさわりのない週2回のプランになります。

見学で確認すること

デイサービスは見学できます。本人を連れて行ける場合は、体験利用まで申し込んでください。

確認すること なぜ必要か
送迎の範囲と、自宅までの所要時間 乗車時間が長いと、それだけで行きたくなくなる
1日の流れ(何時に迎えに来て何時に帰るか) 家族の予定が組めるかが決まる
入浴の方法(個浴か大浴場か、介助の体制) 羞恥心が理由で拒否になることが多い
利用者の平均的な要介護度 本人より重い人ばかりだと居づらい。逆も同じ
男性の利用者がどれくらいいるか 男性は特に、居場所がないと続かない
その日に何をするか(レクの内容) 本人の好みと合うか
職員の入れ替わり 顔なじみができるかどうかを左右する
体調が急変したときの対応 持病がある場合は必ず

施設見学の質問の組み立て方は見学で必ず聞くべき12の質問と共通する部分があります。その場で聞かないと、後から聞きにくくなるのは同じです。

本人が「行きたくない」と言うとき

いちばん多い相談です。そして、たいてい理由があります。

言葉 実際の理由であることが多いもの 打つ手
「年寄りばかりで気が滅入る」 自分は要介護者だと認めたくない 「リハビリに行く」「教室に通う」と言い換える
「疲れる」 滞在時間が長すぎる。送迎の乗車が長い 半日型に変える。送迎順を相談する
「風呂は嫌だ」 大浴場での羞恥心 個浴のある事業所を探す
「話が合わない」 要介護度や性別の構成が合っていない 別の事業所を見学する
理由を言わない 失敗した体験がある(失禁、叱責など) 職員に当日の様子を確認する

「わがままを言っている」と受け取ると、打つ手がなくなります。理由が分かれば、事業所を変えるか、時間を短くするかで解決することが多いです。

半日型(3〜4時間)と1日型(6〜8時間)があります。まず半日型から始めて、慣れてから延ばすという入り方もできます。

認知症が理由で集団になじめない場合は、認知症対応型のサービスが選択肢になります。ただし前述のとおり、48%の自治体には存在しません。

家族にとって何が変わるか

デイサービスは本人のためのサービスですが、家族が休むための制度でもあります。これは後ろめたく思う必要のないことです。

  • 日中、目を離せる時間ができる
  • 入浴の介助を任せられる(自宅での入浴介助は事故が最も多い場面のひとつ)
  • 生活のリズムが整い、夜に眠りやすくなる
  • 家族以外と話す機会ができ、家庭内の緊張がゆるむ

とくに夜の負担が重い場合、日中に本人が活動して夜に眠れるようになるだけで、状況が変わることがあります。夜間の体制については夜中に親が倒れたら誰が来るのかにまとめています。

よくある失敗

失敗 なぜ起きるか 対策
リハビリのつもりでデイサービスを申し込んだ デイケアとの違いを知らない 目的が機能回復なら「通所リハビリですか」と確認する
隣の市の小規模デイを希望したが使えなかった 地域密着型は住民限定 通常規模型かどうかを先に確認する
要支援なのに通常のデイを探していた 総合事業への移行を知らない 地域包括支援センターに市の通所型サービスを聞く
月額が想定より高かった 食費・おやつ代を数えていない 「月にいくらになりますか」で聞く
一度断られて諦めた 本人の拒否を性格の問題と考えた 理由を分解し、事業所か時間を変える
週2回で固定したまま数年経った 状態が変わっても見直していない 要介護度の更新時にプランを組み直す

デイだけでは足りなくなったら

通いだけで支えきれなくなったときの選択肢を、数の多い順に並べます。

次の手 事業所数 1つもない自治体 内容
ショートステイ 14,966 83 数日〜数週間の宿泊
小規模多機能型居宅介護 5,374 608(32.2%) 通い・訪問・泊まりを同じ事業所で
看護小規模多機能型 1,141 1,332(70.5%) 上記に訪問看護が加わる

ショートステイは在宅サービスの中で最も全国に行き渡っています。限界が来てから使うものではなく、最初から予定に組み込んでおくものです。

小規模多機能は、同じ職員が通いも泊まりも担当するため、認知症の人には環境の変化が少なくて済みます。ただし3分の1の自治体には存在せず、ケアマネジャーも事業所に所属する形に変わります。

在宅の継続が難しくなってきた場合、特別養護老人ホームは民間の紹介サービスでは扱われません。申し込みは市区町村の窓口か担当のケアマネジャーへ。要介護3以上が原則で、待機の状況は地域によって大きく違います

在宅を続けながらでも、施設の情報は先に集めておいてください。限界が来てから探すと、空いているところに入るしかなくなります。

条件に合う施設の資料を無料で取り寄せる

施設の種類ごとの費用は老人ホームの種類と費用、初期費用の仕組みは入居一時金にまとめています。紹介サービスが無料で使える理由はこちらです。

まとめ

  1. デイサービスは通所介護と地域密着型を合わせて42,352事業所。どちらもない自治体は32(1.7%)だけ
  2. 認知症対応型は2,678事業所しかなく、48%の自治体に存在しない
  3. デイサービス・デイケア・認知症対応型は別の制度。目的で選ぶ
  4. 定員18人以下の地域密着型は別のサービス区分で、原則その市区町村の住民しか使えない
  5. 要支援は総合事業。市町村ごとに用意されているものが違う
  6. 食費・おやつ代は実費。「月にいくら」で確認する
  7. 「行きたくない」には理由がある。事業所か時間を変えれば続くことが多い
  8. 足りなくなったらショートステイ。ゼロの自治体は83しかない

次にやること

担当のケアマネジャー、または要支援なら地域包括支援センターに、地域にどの種類の通所サービスがあるかを聞いてください。そのうえで2〜3か所を見学し、できれば体験利用まで進めてください。

よくある質問

デイサービスとデイケアは併用できますか。

できます。ケアプランに位置づけられていれば、週の中で組み合わせられます。ただし要介護度ごとの区分支給限度基準額の範囲に収める必要があるため、回数はケアマネジャーと調整することになります。

隣の市のデイサービスに通えますか。

通常規模型・大規模型の通所介護であれば、原則として市外の事業所も利用できます。ただし定員18人以下の地域密着型通所介護は別のサービス区分で、原則その市区町村の住民に限られます。全国17,834事業所がこの区分なので、候補の4割強は住んでいる市のものしか使えないことになります。実際には送迎の範囲に自宅が入っているかどうかでも決まります。

要支援でもデイサービスに通えますか。

通えますが、制度上は介護保険の通所介護ではなく、市町村が実施する総合事業の通所型サービスになります。従前と同じ内容のものから、住民主体の通いの場まで種類があり、何が用意されているかは自治体ごとに違います。窓口は地域包括支援センターです。

送迎は別料金ですか。

送迎はサービスに含まれており、別料金にはなりません。実費でかかるのは昼食代、おやつ代、日用品費などです。週3回通えば、これだけで月に1万円前後になることがあります。

半日だけ通うことはできますか。

3〜4時間程度の半日型を行っている事業所があります。長時間の滞在で疲れてしまう方や、通い始めで慣れていない方に向いています。まず半日型から始めて、慣れてから1日型に移す進め方もできます。

お風呂だけ利用することはできますか。

入浴のみを目的とした利用を受け入れている事業所もあります。自宅での入浴介助は転倒などの事故が起きやすい場面なので、ここを任せられるだけでも家族の負担はかなり変わります。ケアマネジャーに相談してみてください。

合わなかったら変えられますか。

変えられます。契約している事業所を変更するだけで、要介護認定や担当ケアマネジャーが変わるわけではありません。「せっかく決めたのに」と我慢して通わなくなる方が損失が大きいので、早めにケアマネジャーへ伝えてください。

認知症対応型が地域にない場合はどうすればいいですか。

通常のデイサービスでも、認知症の方の受け入れに慣れている事業所があります。見学のときに「認知症の方は何人くらい来ていますか」「対応の研修を受けた職員はいますか」と聞いてください。小規模多機能型居宅介護も、同じ職員が対応するため環境の変化が少なくて済みます。

見学に本人を連れて行くべきですか。

可能であれば連れて行ってください。本人が場所と人を見ていると、初日の拒否がかなり減ります。難しい場合は家族だけで見学し、写真を撮らせてもらって本人に見せる方法もあります。多くの事業所は体験利用も受け付けています。

デイに通わせるのは、家族が楽をすることになりませんか。

介護保険の在宅サービスは、本人の生活を支えると同時に、介護する家族が続けられるようにするための制度です。家族が倒れると在宅そのものが成り立たなくなります。休むことは制度の想定内で、後ろめたく思う必要はありません。

親が施設に移ったあと、実家をどうするか

在宅から施設へ切り替えると、実家が空いたままになります。空き家は持っているだけで固定資産税と管理の負担が続きます。急いで決める必要はありませんが、選択肢だけは知っておいてください。姉妹サイトの実家じまいナビで扱っています。

地域に通う先の選択肢があるか

デイサービスは全国42,352か所あり、1つもないのは32市区町村だけです。ただし認知症のある方向けに設計された認知症対応型通所介護は914市区町村に存在しません。リハビリ目的で通うなら、デイケア・訪問リハ・老健のどれもない359市区町村も確認してください。

認定前なら介護保険の申請の流れから。暫定ケアプランを使えば、結果を待たずに通い始められます。