ショートステイは何日まで使えるか|30日と「半数」の上限、予約が取れない理由

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ショートステイは、介護をしている家族にとっていちばん現実的な休みです。数日だけ預かってもらい、そのあいだに眠る、出かける、自分の用事を片づける。ところが「予約が取れない」「うちの地域にはない」と言われて、最初から諦めている家族が少なくありません。

厚生労働省の公表データを全国1,889市区町村で集計すると、ショートステイは在宅サービスの中で最も空白の少ないサービスでした。事業所が1つもない市区町村は105、全体の5.6%です。訪問介護(6.0%)よりも少ない。

このページでは、日数の上限、予約の取り方、取れない構造的な理由、費用のしくみを整理します。

無い地域は、ほとんどない

まず数字から確認します。

ショートステイは、在宅サービスの中でいちばん行き渡っている1つもない市区町村 105 全1,889の5.6%; 空白が1つもない都道府県 18 47のうち; 全国の中央値 3 1市区町村あたり; 連続利用の上限 30日 超えた分は保険外ショートステイは、在宅サービスの中でいちばん行き渡っている「空いていない」と言われがちですが、事業所が無い地域はほとんどありません1つもない市区町村105全1,889の5.6%空白が1つもない都道府県1847のうち全国の中央値31市区町村あたり連続利用の上限30日超えた分は保険外訪問介護(6.0%)より空白が少ない。問題は「無い」ことではなく、使い方を知らないこと

出典:マモリア調べ(厚生労働省「介護サービス情報公表システム」2026年6月末時点/全国1,889市区町村。同一事業所の重複を整理して集計)

ショートステイの事業所が1つもない市区町村は105、全国1,889市区町村の5.6%です。そして47都道府県のうち18は、県内のどの市区町村にも空白がありません。宮崎、長崎、福岡、愛媛、香川、徳島、山口、兵庫、大阪、三重、福井、富山、埼玉、栃木、茨城、山形、秋田、岩手の18都道府県です。

他の在宅サービスと並べると、位置づけがはっきりします。

在宅で使うサービス、1つもない市区町村の割合ケアマネ(居宅介護支援) 1.6%; ショートステイ 5.6%; 訪問介護 6.0%; デイサービス(通所介護) 9.3%; 地域密着型通所介護 16.0%; 訪問看護 19.2%; デイケア(通所リハビリ) 22.2%; 小規模多機能型 32.2%; 訪問リハビリ 34.3%; 認知症対応型通所介護 48.4%; 定期巡回・随時対応型 67.8%; 看護小規模多機能型 70.5%; 夜間対応型訪問介護 94.0%在宅で使うサービス、1つもない市区町村の割合ショートステイはケアマネジャーに次いで空白が小さいケアマネ(居宅介護支援)1.6%ショートステイ5.6%訪問介護6.0%デイサービス(通所介護)9.3%地域密着型通所介護16.0%訪問看護19.2%デイケア(通所リハビリ)22.2%小規模多機能型32.2%訪問リハビリ34.3%認知症対応型通所介護48.4%定期巡回・随時対応型67.8%看護小規模多機能型70.5%夜間対応型訪問介護94.0%在宅の計画で最初に当てにできるのは、ケアマネジャーとショートステイの2つ

出典:マモリア調べ(厚生労働省「介護サービス情報公表システム」2026年6月末時点/全国1,889市区町村。同一事業所の重複を整理して集計)

ケアマネジャーの事業所(1.6%)に次いで空白が小さく、訪問介護(6.0%)やデイサービス(9.3%)より行き渡っています。夜間対応型訪問介護は94.0%の市区町村にありませんし、看護小規模多機能型も70.5%でゼロです。

つまり在宅の計画を組むとき、地域を問わず当てにしていいのは、ケアマネジャーとショートステイの2つだということです。他のサービスは「あるかどうか」から確認が要ります。地域によって何が使えないかは地域密着型サービスは他の市区町村では使えないにまとめています。

出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)2026年6月末時点。当サイトで同一事業所の重複を整理して集計。全国1,889市区町村を対象。定員欄は未報告が半数を占めるため使用していません。

2種類ある:生活介護と療養介護

「ショートステイ」と一言で呼ばれますが、介護保険上は2つに分かれています。どちらを使うかで、受けられるケアも探す場所も変わります。

短期入所生活介護 短期入所療養介護
どこにあるか 特別養護老人ホームの併設、または単独の施設 介護老人保健施設、介護医療院、療養病床のある病院
中心になるケア 入浴・食事・排せつなど生活の介助 医療的な管理とリハビリテーション
向いている人 介護は必要だが医療的な処置は少ない 痰の吸引、経管栄養、インスリン、床ずれの処置などがある
医師・看護職 看護職員の配置。医師は非常勤が多い 医師が常勤。看護体制が手厚い
費用の目安 療養介護より低い 医療体制のぶん高くなる

一般に「ショートステイ」と言われて紹介されるのは短期入所生活介護のほうです。ただし医療的な処置が続いている人を生活介護のほうに預けると、当日になって「これはうちでは対応できない」と断られることがあります。親に医療的なケアがある場合は、最初から療養介護を候補に入れてください。

療養介護の受け皿になる介護老人保健施設は、516市区町村(27.3%)に1つもありません。医療的なケアが必要な人ほど、探せる範囲が狭くなります。退院直後の受け皿については退院後のリハビリはどこで受けるかにまとめています。

要支援1・2の人が使う場合は「介護予防短期入所生活介護」「介護予防短期入所療養介護」という名前になります。日数の考え方は同じです。

「30日」と「半数」——2つの上限

ショートステイには、日数の上限が2つあります。性質が違うので、分けて理解してください。

連続30日の上限 「おおむね半数」の上限
何の決まりか 介護報酬の算定ルール ケアプランを作るときの基準
内容 連続して30日を超えて利用した場合、31日目以降は介護保険から給付されない 利用日数が要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにする
超えたらどうなるか その日以降は全額自己負担になる 直ちに使えなくなるわけではないが、ケアマネジャーは超えないよう調整する
誰が管理するか 事業所と保険者 担当のケアマネジャー

1つ目は連続30日を超えた分が保険の対象外になるという算定上のルールです。30泊まで、と覚えておけば実務では足ります。実際にここまで連続で使う場面は、家族の入院や冠婚葬祭など限られています。

2つ目のほうが日常的に効きます。ケアプランを作る基準に「短期入所を利用する日数が、要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにしなければならない」という定めがあります。認定の有効期間が12か月なら、年間およそ180日が目安になるということです。ただしこれは絶対の禁止ではなく、心身の状況などから特に必要と認められる場合は超えられます。判断するのは担当のケアマネジャーです。

実務では、この2つより先に「事業所の空き」で上限が決まります。月に4泊も取れれば十分に多いほうです。認定の有効期間や区分の考え方は要介護度の目安と使える上限にまとめています。

よくある誤解 実際
月に何日までと決まっている 月単位の上限はない。上限は「連続30日」と「認定期間のおおむね半数」
要介護度が低いと使えない 要支援1から使える(介護予防短期入所生活介護)
連続で使うほうが得 連続30日を超えた分は全額自己負担。分けて使うほうが枠を守れる
介護保険の枠とは別に使える 区分支給限度基準額の枠内。使えば他のサービスに回せる枠が減る

使い方の型を先に決める

同じ「月4泊」でも、入れ方によって効果が変わります。3つの型を並べます。

使い方の型、3パターン毎週1泊 4日; 隔週2泊 4日; 月末にまとめて4泊 4日使い方の型、3パターン同じ月4泊でも、家族の休み方と本人の慣れ方が変わりますショートステイ自宅毎週1泊本人が慣れやすい隔週2泊予約を取りやすい月末にまとめて4泊家族の休養向き1102030「限界が来てから」ではなく、最初から予定として入れる。空きは早い者順で埋まります

毎週1泊は、本人が場所と職員に慣れやすい形です。認知症がある場合、間隔が空くほど「知らない場所に連れて来られた」という反応が出やすくなるので、頻度を上げて短く切るほうが落ち着くことがあります。

隔週2泊は、予約を取りやすい形です。週末より平日のほうが空いている事業所が多く、2泊を平日に置ければ通る確率が上がります。

月末にまとめて4泊は、家族がまとまった休養を取りたいときの形です。ただし本人にとっては負担が大きく、帰宅後に生活のリズムが戻るまで数日かかることがあります。

どれが良いということはありません。ただ「限界が来たら使う」ではなく、最初から予定として入れておくことだけは共通して効きます。空きは早い者順で埋まるので、必要になってから探すと、その月はもう入れません。

予約が取れない本当の理由

事業所の数は足りている。なのに予約が取れない。この矛盾には理由があります。

短期入所生活介護には3つの形があります。

どういうものか 予約の取りやすさ
単独型 ショートステイ専用の施設 床数が読めるので予定を立てやすい
併設型 特別養護老人ホームなどに併設され、ショート専用の床を持つ 床数が決まっているぶん見通しが立つ
空床利用型 特別養護老人ホームの空いているベッドを使う 入所者が決まると使えなくなる。直前に断られることがある

空床利用型は、その施設に入所者が入れば、その床は消えます。事業所としては公表データ上「1件」と数えられますが、実際に使える枠は月によって変わります。「事業所が近くに5つある」ことと「5つ分の枠がある」ことは別だということです。

当サイトでは、この点があるため定員の数字を扱っていません。厚生労働省の公表データには定員欄がありますが、未報告の事業所が半数を占めていて、集計に使うと実態とかけ離れた数字になります。事業所の「数」までを正とし、床数は各事業所に確認する、という前提でご覧ください。

もう1つの理由は季節です。年末年始、お盆、ゴールデンウィークは家族の帰省や旅行と重なり、半年前から埋まります。逆に1月下旬から2月、6月、11月は比較的空いています。使える時期に定期利用を作っておくと、繁忙期に「いつもの人」として調整してもらいやすくなります。

予約の取り方

順番があります。この順で動くと通りやすくなります。

予約の取り方1 2〜3か月前 担当のケアマネジャーに「この時期に使いたい」と伝える。年末年始とお盆は半年前から埋まる; 2 候補を3つ 1か所に絞らない。併設の特養系と老健系では入浴や医療の対応が違います; 3 見学と契約 初回は日中の体験利用ができる事業所もあります。持ち物と薬の扱いを確認; 4 空きが出たら キャンセル待ちは登録しておく。直前の空きは連絡が来た順に決まります予約の取り方空きは月単位で埋まります。動く順番が決まっています12〜3か月前担当のケアマネジャーに「この時期に使いたい」と伝える。年末年始とお盆は半年前から埋まる2候補を3つ1か所に絞らない。併設の特養系と老健系では入浴や医療の対応が違います3見学と契約初回は日中の体験利用ができる事業所もあります。持ち物と薬の扱いを確認4空きが出たらキャンセル待ちは登録しておく。直前の空きは連絡が来た順に決まります緊急の受け入れ枠を持つ事業所もあります。ケアプランに無い急な利用も相談できます

いちばん大事なのは1つ目です。ケアマネジャーに「必要になったら相談します」と言っている限り、枠は取れません。「毎月第2週の火水で押さえたい」まで具体的に伝えると、事業所への打診がはっきりします。

2つ目の「候補を3つ」も効きます。1か所に絞ると、その事業所が満床の月は代わりがありません。特養併設と老健系の両方を候補に入れておくと、入浴の回数や医療対応の違いも比べられます。

見学と契約は、初回の利用前に済ませます。日中だけの体験利用を受けている事業所もあるので、泊まりに不安がある場合は先に半日試すと本人の反応が分かります。

見学で確認すること なぜ
入浴は何日に1回か 事業所によって週2回から毎日まで幅がある
薬はどう扱うか 一包化が必要か、持参の形式、服薬介助の可否
医療的な処置はどこまで可能か 吸引、経管栄養、インスリンなどは事業所ごとに違う
認知症の症状が出たときの対応 夜間の対応、身体拘束の考え方
キャンセル料はいつから発生するか 直前の体調不良は必ず起きる。何日前までなら無料か
送迎はどこまで来てくれるか 送迎加算の有無と範囲

4つ目のキャンセル待ちは、意外と回ってきます。ショートステイは体調不良による直前のキャンセルが多いサービスです。「空いたら連絡をください」と登録しておくと、連絡が来た順に決まります。

費用のしくみ

ショートステイの費用は3つに分かれます。介護保険が効く部分と、効かない部分があります。

内訳 介護保険 説明
介護サービス費 効く(1〜3割負担) 要介護度と施設の種類、加算によって決まる。区分支給限度基準額の枠内
食費 効かない 1日あたりで設定される。所得によって軽減される仕組みがある
滞在費(部屋代) 効かない 多床室・従来型個室・ユニット型個室で差が大きい。同じく軽減の対象
日常生活費 効かない おむつ代、理美容代など。おむつは施設によって施設負担のこともある

ここで必ず確認してほしいのが介護保険負担限度額認定です。所得と資産が一定以下の人は、申請すると食費と滞在費が下がります。市区町村の窓口で申請し、認定証が出たら事業所に提示します。

段階 おおよその対象
第1段階 生活保護を受けている人、世帯全員が住民税非課税で老齢福祉年金を受けている人
第2段階 世帯全員が住民税非課税で、年金収入等が年80万円以下
第3段階① 世帯全員が住民税非課税で、年金収入等が年80万円超120万円以下
第3段階② 世帯全員が住民税非課税で、年金収入等が年120万円超
第4段階 上記以外。軽減の対象外で、基準の額を負担する

段階の判定には、預貯金などの資産要件もあります。配偶者が住民税課税の場合は、本人が非課税でも対象外です。

この食費と滞在費の額は2026年8月1日から引き上げられました。金額は改定のたびに変わるので、具体的な額は市区町村の窓口か事業所で最新のものを確認してください。なお短期入所と施設入所では、食費の負担限度額が別に設定されています。

費用の全体像は介護費用は月いくらか、保険料の考え方は介護保険料は月いくらかにまとめています。

出典:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1506」(2026年5月29日/令和8年8月1日からの居住費・食費の負担限度額の改正について)

地域差はどこに出るか

全国では5.6%でも、県によって差があります。

ショートステイがない市区町村の割合、都道府県別高知県 21.2%; 山梨県 18.5%; 長野県 18.2%; 福島県 15.3%; 静岡県 13.3%; 奈良県 12.8%; 岐阜県 11.9%; 沖縄県 11.1%; 鳥取県 10.5%; 青森県 10.0%; 全国 5.6%ショートステイがない市区町村の割合、都道府県別空白が大きい10県。18都道府県は空白ゼロで、差は地形と人口密度に沿う高知県21.2%山梨県18.5%長野県18.2%福島県15.3%静岡県13.3%奈良県12.8%岐阜県11.9%沖縄県11.1%鳥取県10.5%青森県10.0%全国5.6%宮崎・長崎・福岡・愛媛・香川・徳島・山口・兵庫・大阪・三重ほか18都道府県は空白ゼロ

出典:マモリア調べ(厚生労働省「介護サービス情報公表システム」2026年6月末時点/全国1,889市区町村。同一事業所の重複を整理して集計)

高知県は33市町村のうち7(21.2%)にショートステイがありません。山梨県18.5%、長野県18.2%、福島県15.3%と続きます。いずれも面積が広く、集落が山あいに散らばっている県です。市町村の数が多く、1つあたりの人口が小さいほど空白が生まれやすくなります。

一方、18都道府県では県内のどの市区町村にも空白がありません。

もう1つ、数の厚みでも差が出ます。

1市区町村あたりのショートステイ事業所数(中央値)広島県 14; 神奈川県 9; 秋田県 8; 東京都 8; 千葉県 7; 茨城県 6; 福島県 1; 鳥取県 1; 沖縄県 1; 高知県 1; 長野県 1; 北海道 11市区町村あたりのショートステイ事業所数(中央値)都市部が多いとは限らない。上位6と下位6を並べた広島県14神奈川県9秋田県8東京都8千葉県7茨城県6福島県1鳥取県1沖縄県1高知県1長野県1北海道1全国の中央値は3。秋田8が上位に入る一方で北海道は1。面積と集落の散らばり方が効く

出典:マモリア調べ(厚生労働省「介護サービス情報公表システム」2026年6月末時点/全国1,889市区町村。同一事業所の重複を整理して集計)

1市区町村あたりの事業所数(中央値)で見ると、広島県が14で全国で最も厚く、北海道・長野県・高知県・沖縄県・鳥取県・福島県は1です。全国の中央値は3。都市部が多いとは限らず、秋田県が8で上位に入る一方、北海道は1です。

ここで注意が要ります。中央値が1ということは、その県の半数の市町村では事業所が1か所以下だということです。1か所しかない地域では、そこが満床なら市外を探すことになります。ショートステイには住所による利用制限がないので市外でも契約できますが、送迎の距離が問題になります。

自分の市区町村の実数は市区町村別・介護サービスの数を調べるで確認できます。

急に必要になったとき

介護をしている家族が倒れる、入院する、遠方の葬儀に行く。ショートステイが最も必要になるのは、たいてい予定していなかったときです。

この場合、ケアプランに入っていない急な利用でも受け入れてもらえる仕組みがあります。やむを得ない事情で緊急に受け入れた場合、事業所が加算を算定できる形になっているためです。日数には限りがありますが、「予定になかったから無理」ではありません。

連絡する順番 誰に 伝えること
1 担当のケアマネジャー 何が起きたか、いつからいつまで必要か、本人の状態
2 (ケアマネジャーに連絡がつかないとき)地域包括支援センター 同上。夜間・休日の連絡先を平時に控えておく
3 いつも使っている事業所 直接かけると早いことがある。ただし調整はケアマネジャー経由が原則

平時にやっておくと効くのは、1度でも使ったことのある事業所を作っておくことです。契約と初回利用が済んでいれば、緊急時の受け入れは格段に早くなります。まったく面識のない事業所に当日から預けるのは、事業所側も判断が難しくなります。

地域包括支援センターに何を頼めるかは地域包括支援センターに何を頼めるか、夜間に人を呼ぶ手段は夜中に親が倒れたら誰が来るのかにまとめています。

本人が嫌がるとき

ショートステイでいちばん多い相談が、これです。「行きたくない」と言われて、それきり使えなくなる。

順番として効くのは次の3つです。

やること 理由
まず日中の体験利用から 泊まりへの抵抗は「知らない場所で寝る」ことに集中している。日中に慣れると下がる
間隔を空けず、短く繰り返す 2か月に1回より、毎週1泊のほうが「いつもの場所」になる
家族の都合として伝える 「あなたのため」より「こちらが助かる」のほうが受け入れられることが多い

それでも合わないことはあります。その場合は事業所を替えてください。ショートステイは事業所ごとに雰囲気が大きく違うサービスです。職員の年齢層、他の利用者の要介護度、日中の過ごし方。1か所で判断せず、2〜3か所試す価値があります。

認知症がある場合、環境が変わることで症状が一時的に強く出ることがあります。帰宅後しばらく落ち着かないのは珍しくありません。あらかじめ知っておくと、家族の受け止め方が変わります。認知症でも入れる施設はどこかも参考にしてください。

回数が増えてきたら、それは合図

ショートステイの利用が月に1回から2回、2回から3回と増えていく。これは在宅の限界が近づいているという、いちばん分かりやすい合図です。

本来ショートステイは、在宅を続けるための休息です。それが「在宅にいる期間のほうが短い」状態に近づいてきたら、施設を検討する段階に入っています。ケアプラン上も、認定期間のおおむね半数という目安がここで効いてきます。

合図 意味すること
月の利用が3回を超えた 家族の休息が「たまに」では足りなくなっている
帰宅後、数日で次を探し始める 在宅の負担が回復の速度を超えている
夜の対応が理由で使っている 夜間の受け皿を組み直すか、住まいを変えるかの分岐
医療的な処置が増えた 生活介護では受けられなくなる。療養介護か施設へ

施設を検討する段階に入っても、すぐに移す必要はありません。ただ候補だけは先に持っておいてください。追い込まれてから探すと、空いているところに入るしかなくなります。特別養護老人ホームは市区町村の窓口かケアマネジャーへ、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は資料を取り寄せて比べられます。

条件に合う施設の資料を無料で取り寄せる

在宅を続けるかどうかの判断基準は在宅介護の限界はいつ来るかにまとめています。

ケアマネジャーに聞く5つのこと

ここまでの内容を、担当のケアマネジャーへの質問にすると次の5つになります。

聞くこと なぜ聞くか
この地域に、ショートステイは何か所ありますか 1か所しかない地域は全国に少なくない。数が分かると計画の前提が変わる
そのうち、空床利用型はどれですか 空床型は直前に使えなくなることがある。専用床のある事業所を優先したい
毎月◯日ごろで定期に押さえられますか 「必要になったら」では枠が取れない。定期利用にすると調整してもらえる
医療的な処置に対応できるのはどこですか 吸引や経管栄養は事業所によって可否が分かれる。当日に断られるのを防ぐ
負担限度額認定は申請できますか 食費と滞在費が下がる。申請しなければ適用されない

5つ目は特に、聞かないと出てこないことがあります。負担限度額認定は申請主義なので、対象であっても自動では適用されません。市区町村の窓口で申請し、認定証を事業所に出して初めて食費と滞在費が下がります。

ケアマネジャーとの付き合い方、合わないときの替え方はケアマネジャーの選び方と変え方にまとめています。

自分の市区町村の数を調べる

ここまでの話は、自分の地域に何か所あるかが分かると具体的になります。

調べ方 分かること ひとこと
地域包括支援センター 事業所の一覧と、いまの空き状況 いちばん実用的。空床型かどうかも把握している
担当のケアマネジャー 実際に予約が通りやすい事業所 他の利用者の経験が蓄積している
市区町村の介護保険担当課 公式の事業所一覧と、負担限度額認定の申請 申請の窓口はここ

当サイトでは、厚生労働省の公表データを市区町村ごとに集計し直して、21の主要サービスについて「何件あるか」と「1つもないか」を1ページで見られるようにしています。

まとめ

押さえること 内容
空白の少なさ 1つもない市区町村は105(5.6%)。18都道府県は空白ゼロ。訪問介護より行き渡っている
2種類 短期入所生活介護(生活の介助)と短期入所療養介護(医療とリハビリ)
日数の上限 連続30日を超えた分は保険外。ケアプラン上は認定期間のおおむね半数が目安
取り方 2〜3か月前にケアマネジャーへ。候補は3つ。年末年始とお盆は半年前
取れない理由 空床利用型は入所者が決まると枠が消える。事業所数と枠の数は別
費用 介護サービス費(1〜3割)+食費+滞在費+日常生活費。負担限度額認定で食費と滞在費が下がる
地域差 空白率は高知21.2%〜18都道府県で0%。1市区町村あたりの中央値は広島14〜北海道1
増えてきたら 月3回を超えたら、在宅の限界が近い合図

この記事でいちばん実務的な一手は、いま必要でなくても、1か所と契約して1回使っておくことです。緊急のときに預けられるかどうかは、契約が済んでいるかどうかでほぼ決まります。

ショートステイを繰り返し使うようになったら、住まいを変える選択肢も並べて考える時期です。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は、条件を伝えれば資料を取り寄せて比べられます。特別養護老人ホームは民間の紹介サービスでは扱われないため、市区町村の窓口か担当のケアマネジャーへ申し込んでください。

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よくある質問

ショートステイは月に何日まで使えますか。

月単位の上限はありません。上限は2つで、1つは連続して30日を超えた分が介護保険の給付対象外になること、もう1つはケアプランを作る基準として利用日数が要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにすることです。有効期間が12か月なら年間およそ180日が目安になります。ただし心身の状況から特に必要と認められる場合は超えられます。判断は担当のケアマネジャーが行います。

連続30日を超えて使いたいときはどうなりますか。

31日目以降は介護保険から給付されないため、全額自己負担になります。家族の入院などでどうしても長期になる場合は、まず担当のケアマネジャーに相談してください。事業所や地域によって扱いに違いがあるため、自己判断で連続利用を延ばすのではなく、事前に確認したほうが安全です。長期化が見込まれる場合は、施設への入所を含めて検討する段階に入っています。

市外のショートステイでも使えますか。

使えます。短期入所生活介護と短期入所療養介護には住所による利用制限がないので、隣の市でも県外でも契約できます。地域密着型サービス(小規模多機能型やグループホームなど)とはここが違います。ただし送迎の距離が長くなると本人の負担が増え、送迎の範囲外だと自力で送ることになります。1市区町村あたりの事業所数の中央値は全国で3、県によっては1なので、市外を候補に入れる場面は珍しくありません。

要支援でも使えますか。

使えます。要支援1・2の人は「介護予防短期入所生活介護」「介護予防短期入所療養介護」という名称で利用します。日数の考え方や費用の構造は要介護の場合と同じです。ケアプランを作るのは地域包括支援センター(または委託を受けた居宅介護支援事業所)になります。要支援の段階から一度使っておくと、要介護になったときに契約済みの事業所があるという状態を作れます。

当日にキャンセルするとお金はかかりますか。

事業所ごとに決められたキャンセル料の規定によります。契約時に「何日前まで無料か」「当日は何割か」を必ず確認してください。ショートステイは利用直前の体調不良によるキャンセルが多いサービスなので、この確認は必ず一度は使います。なお介護保険からの給付は実際に利用した日数に対してのみ行われ、キャンセル料は保険の対象外で全額自己負担です。

おむつ代は自己負担ですか。

施設によります。介護保険施設に入所している場合はおむつ代が保険給付に含まれますが、ショートステイでは事業所の扱いが分かれ、持参を求められることも、施設が用意して実費を請求することもあります。契約前に「おむつは持参か、施設で用意されるか、費用はいくらか」を確認してください。日常生活費として請求される項目は他に、理美容代、日用品費、レクリエーション費などがあります。

医療的なケアがあると断られますか。

事業所によります。痰の吸引、経管栄養、インスリン注射、床ずれの処置などは、看護職員の配置や体制によって受けられる範囲が変わります。医療的な管理が必要な場合は、介護老人保健施設や介護医療院が行う短期入所療養介護のほうが対応できる幅が広くなります。ただし介護老人保健施設は516市区町村(27.3%)に1つもないため、地域によっては選択肢が限られます。事前の見学時に、必要な処置を具体的に伝えて可否を確認してください。

予約はどれくらい前から取ればいいですか。

通常期は2〜3か月前、年末年始・お盆・ゴールデンウィークは半年前が目安です。空きは早い者順で埋まっていくため、必要になってから探すとその月はほぼ入れません。定期的に使う予定を先に組んでおくと、事業所側も枠を確保しやすくなります。比較的空いているのは1月下旬から2月、6月、11月です。

近くに事業所が5つあるのに、いつも満床と言われます。

空床利用型が多い可能性があります。特別養護老人ホームの空いているベッドを使う形なので、入所者が決まればその床は消えます。公表データ上は1事業所と数えられますが、実際に使える枠は月ごとに変わります。担当のケアマネジャーに「専用の床を持っている事業所はどこですか」と聞いてみてください。単独型と併設型は床数が決まっているぶん、見通しが立ちます。

このページの数字はどこから来ていますか。

事業所数と市区町村ごとの集計は、厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」で公表されている全国のデータを2026年6月末時点で取得し、同一事業所の重複を整理したうえで集計したものです。対象は全国1,889市区町村。定員欄は未報告の事業所が半数を占めるため使っていません。食費・滞在費の負担限度額の改定については、厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1506」(2026年5月29日)によります。