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シニアの幸せとともに。社会的な大家族をつくる

2000年にWHO(世界保健機関)が「健康寿命」という概念を提唱しました。
それ以降、各国では数々の取り組みが推進され、日本においても定年を迎え、豊かな経験を持つアクティブシニアが健康に過ごすために、様々な取組みが行われているようです。
今回は、定年を迎えた後のシニアが社会で豊かに活躍出来る「グランドシッター養成認定講座」を主催する株式会社BOA代表取締役武市様にお話を伺いました。


経験豊富なシニアと子どもを繋ぐ


―グランドシッター養成認定講座についてお聞かせ下さい。
グランドシッター養成認定講座は、保育士をサポートするグランドシッターとして資格の取得をサポートする講座です。

認定講座終了後は、ご本人の希望に合わせ保育園・子どもに関わる就労支援を行います。
現在、保育園では、保育士・保育補助を行う人材が不足しています。
その課題に対し、人生経験が豊富なシニアの皆さんにお手伝いいただきたいと思っています。

―どのような方が受講されていますか?
多いのは、大企業で定年を迎え、管理職経験者、企業経営者の方が多いです。定年後も何か社会に貢献したいと思っているシニア層です。30年以上仕事を続けてきて、いきなり仕事がなくなって次の仕事を探しても選択肢は少ない状態です。

そしてなかなか雇用の市場ニーズとシニアのニーズがマッチしない現象が起きています。

―どういった部分でミスマッチが起きているのでしょうか?
1つ挙げるなら、シニアの働きたい時間ですね。

ダブルワークしたい、週3日だけ働きたい。
朝の短時間だけ働きたい。という要望など含め、シニアが働きたい、という労働環境がなかなかない状態でした。そこに対して、今までの雇用市場ではなかなかマッチしづらい部分がありました。

「ゆとり働き」を求めていた層だった





―再就職の難しさの話はよく伺います。

なかなか再就職しづらい層が、私達が一番求めている層だったんです。
まず、定年まで勤めた方、というのは素晴らしい経験と言う価値があるんですね。

子どものそばにいる現場においても、社会人経験が豊富だと保育士のサポートが、以外にすぐ出来てしまう。見守ってくれる、余計なことは言わず、ゆとりをもって接することができる。豊富な社会経験から、その場での臨機応変な判断力も出来る。

保育園園長先生に伺うと、勤務する若い方ですと中には、急に来なくなったり、朝の出勤日に休むとメールだけで済ませてきたりする方もいらっしゃいます。
定年まで勤めた管理者の方は、その点、安心ですよ。

―求める人材にシニアが合っていた、ということでしょうか?

はい。働く時間に関しても同様の事が言えます。
最近は24時間保育の所もあり、保育士が足りない、なんてことも起きています。
朝7時からですと、若い方や主婦の方等働く側の負担も出てきます。
そこは、シニアは朝早いですから(笑)

ちょうど、ニーズと合致するんですね。

―実際に声を掛けてみてどうですか?
私が声を掛けるのは男性が多いのですが、男性と言うこともあって「僕は孫いませんし」「子育てしたことないです」という方も多いんですね。
たしかに、保育士の方は若い女性が多い状態です。しかし、彼女たちも子育て経験で言うと薄い部分もあります。
そこは豊かな人生経験を持つシニアがサポート出来る体制がいいのではないか、と思っています。

また、シニアの方からすると、子どもと関わりエネルギーを交換するので、日々の生活にも活力が生まれます。

50代で退職・起業


―起業のきっかけをお聞かせ下さい

20代の頃、名古屋で貿易関係の仕事をしていました。
海外のバイヤーと話す機会があったのですが、日本の事を聞かれる事がありました。

「囲碁と将棋はどう違うのか?」
「能と歌舞伎はどう違うのか?」
「兼六園はどういうところか?」

その質問に何も答えられなかったんです。

―かなり難しい質問ですね。しかも20代となると、なおさらかもしれません。

はい。その時、最後にこう言われました。

「本当に日本人ですか?」

凄くその言葉が印象的だったんですね。
日本人としてのアイデンティティを問われた、と言うか。

当時「国際人」というキーワードがありました。
国際人とは「何か国語話せるか、ではなく日本の文化に対しどれぐらい関わっているか」
を指していると思いました。

そこで、自分がどれぐらい日本の文化に関わっているか、作っているかを意識するようになり、そこから自分でも何かやってみたい、と思うようになったんですね。

―その後、東京に来られたんですか?

はい。その後は東京で、ファッション関係(着物)の会社に転職します。
プレス関係・販売促進・研修・マーケティングの業務を担当していました。

―かなりお忙しく仕事をされていたんですね。
そうですね。管理職を経験した後、最終的には役員にもなりましたね。
役員になってからは、50代以上の社員の次の道を考える仕事が出てきたんですね。

今までは専務・総務部長などが担当していましたが、私がネットワークを活かして本当にその社員一人一人にとっていい道を見つけたいと思ったんです。

そこから、会社を辞めても、全員が気持ちよく生きられる第2お仕事の道を考えるようになりました。その後、50代で退職し、起業しました。

―役員のままお勤めになる道もあったかと思うのですが、かなり勇気ある決断ですね。

そうかもしれません。
ある日テレビで「90歳女たちの現役の写真展」を観たんですね。
お年を取られても。現役で活躍する女性を取り上げていたのですが、多くの方が50代後半からそのお仕事を始められていました。

その様子を見て、60歳過ぎて定年ではなく、自分で定年を決めたいな、と思ったんですね。
そこから起業を決めました。

シニアが幸せになることで、社会が豊かに





―今後についてお聞かせ下さい
10,000人のグランドシッターを養成したいと思っています。
元気なシニアが子どもと関わる事により、豊かな人間性が育成されるのではないでしょうか。

自分と異なる属性を持つ他人と早いうちから交流を持つことにより、想像力が養われるのと思います。

その想像力が「思いやり」となり優しい人間が増え、豊かな社会のきっかけになれば、と。

世の中にはお金持ちな人がいて、そうではない人もいる。
元気な人も、今は少し疲れてしまっている人もいる。
人間というのは、本当に一人一人異なるんですね。

これから核家族化が進み、人間関係は狭くなってしまいます。
おじいちゃん、大丈夫?おばあちゃん大丈夫?と声を掛けたら元気になった、という経験が、ますます少なくなってしまう。

シニアと子どもを繋いで、子どもの豊かな人間性を育む。
私達は、社会に大きな疑似的な社会家族を作ろうとしているのかもしれません。

そして、まず、大人・シニアが幸せになることを社会全体で考えて欲しいし、シニア自身でも考えて欲しいと思います。
子どもから幸せに、とはよく言われますが、子どもは大人を見て育ち影響を受けます。
そして、大人もまた人生の先輩のシニアから影響を受けています。

シニアの存在は社会にとって、非常に影響が大きいんですね。

シニアから幸福になる事が子どもの幸せに繋がってくるので、まずご自分から幸福になって欲しいと思います。
そして、そのお手伝いを少しでも出来ると嬉しいです。

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団体概要

株式会社BOA(ボア)
http://boanet.jp/

執筆者

取材・文:gCストーリー株式会社 佐藤
画像提供:株式会社BOA

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