両親や親戚など、身近な人が認知症になることが増えています。そんなときに大きな問題になるのが、認知症高齢者の金銭管理。本人に任せるのは不安、でも自分は近くに住んでいないから難しい...。そんなときに利用できる制度を紹介します。
認知症高齢者の財産管理で使える制度は主に2つ
認知症高齢者の資産管理・金銭管理のための制度は主に2つあります。一つは地域の社会福祉協議会が行っている、日常生活自立支援事業。もう一つは成年後見人制度です。それぞれに特徴が異なりますから、上手に使い分けることが大切です。
日常生活自立支援事業とは
同事業は各地域の社会福祉協議会が行っているもので、全国すべての市町村にネットワークを持っています。同制度は自分一人で契約などの判断が不安な方、お金の管理に困っている方が利用できます。一般的には認知症初期の方が、自分でもお金の管理が心配になってきた場合や、ケアマネージャーに勧められて利用する、というケースが多いようです。日常的なお金の出し入れだけでなく、福祉サービス利用の申し込みや契約手続きなども行ってくれる、便利なサービスです。但し、本人がこの事業の契約内容を判断できると認められることが必要です。
成年後見人制度とは
では、もっと認知症が進んで、自分でも金銭管理ができているかどうかも判断できなくなった場合はどうすれば良いのでしょう?そのようなケースでは、成年後見人制度を利用すると良いでしょう。成年後見人には、後見人・保佐人・補助人の3類型があり、判断能力がやや不十分な人は補助人、常に判断能力が欠けている場合では後見人と、状態によって使い分けることが可能です。類型によって、できることや同意が必要な行為など変わってきますので、注意が必要です。
いざという時の備えを
金銭管理が不安なときに利用できる2つの制度を紹介しました。どちらも上手く利用すれば非常に便利なものですが、両親や自分自身が認知症になってから調べていたのでは、十分に活用することができません。事前にしっかりと調べておいて、どんなサービスがあるのか、自分の状況にふさわしいのはなにか、判断したいものです。
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