高齢者に対する詐欺事件が多く発生しています。自分は騙されないと思っている人でも引っかかってしまうケースも多いようです。高齢者ならではの介護などの不安に付け込んだ事件も多いです。現在どういった事件が多く起きているのか知っておきましょう。
判断力の低下に付け込んだ詐欺
高齢者は認知症やその前段階にあることが多く、判断力が十分でないことも多いです。そこに付け込んだ詐欺が多くなっています。まずはセールスのような形でやってきて高額なものを売りつけたり、必要のないリフォームなどを行うという事です。誤った情報をもとに購入や契約を勧められるという点では詐欺ですが、本人が気づいていないことが多く、家族が知った時には手遅れになりやすいものです。
また、家族が気がついても本人はかたくなに信じているという事があります。一人暮らしで寂しく暮らしているところに、親切に話をしてくれるセールスマンが来ることで信用しやすくなるという事もあります。こういったことにならないよう、離れて暮らすご家族は十分コミュニケーションをとり、大きな契約の前にはきちんと話してもらえる関係を作っておきましょう。
オレオレ詐欺に注意
一時期非常に話題となったオレオレ詐欺ですが、いまだに起こり続けています。子供や孫などを装って、仕事の失敗などを理由に多額の現金を振り込みや手渡しという形で受け取ろうとします。困っている状況を演じられるため、離れている家族を思う気持ちが強い人ほど引っかかりやすいのがこのオレオレ詐欺です。わかった時には家族からも責められることになり、本人の心にも多大なダメージを与えます。これも高齢者の判断力の低下や一人暮らしのさみしさという事が原因となります。
予防のためにはやはり家族とのまめな連絡が大切です。また、そのようなお金のやり取りが発生するときには元の電話番号にかけ直してみたり別の家族に相談をしたりといった形で確認してもらえるように、高齢者にお願いしておきましょう。
マイナンバーを題材にした詐欺も
マイナンバー制度が施行され、それにまつわる詐欺というものも増えてきています。マイナンバーのセキュリティにお金がかかる、漏洩したマイナンバーを削除するためにお金がかかる、といった具合に金銭を請求するものが多いです。マイナンバーについてよく知らない、という方も多いでしょう。高齢者ならなおさらです。自分の知らないものに対して親切に教えてくれ、対処方法を教えてくれる人が出てきたら、それを信じてしまうという事もあります。
現時点でマイナンバーを必要とするケースはあまりありません。マイナンバーが関わるような契約や事案であれば、家族が確認することが必要でしょう。その旨を高齢者ときちんと話し合い、マイナンバーの提示を求められたら家族に相談してから行うようにしておくと良いでしょう。
介護の不安も詐欺につながる
高齢者になると介護の不安が出てきます。介護施設への入居や介護サービスの利用にはお金がかかります。それを利用してお金を巻き上げるという詐欺が生まれているのです。その人には必要のない介護サービスの契約や、そもそも架空の施設への入居契約をもとに金銭を請求する場合があります。
また、高齢者施設への入居権が当たったという連絡の後、その入居権を譲ってほしいという電話がかかってきて、同情心からその話を受けるとそれが犯罪だという事でもみ消すための費用を請求されるというケースがあります。いずれにしても、サービスの契約などについては家族に相談してから契約や支払いをする、という事を徹底していくことがこうした介護にまつわる詐欺を予防するためには重要です。
まとめ
高齢になると判断力の低下のほか、一人暮らしのさみしさなども感じがちです。また、離れているからこそ自分のできることで家族などに貢献したいという思いを持つ方もいます。そういったところにだまそうとする人は付け込んでいきます。予防のためには普段から家族とのコミュニケーションを密にしてさみしさを軽減し、暮らしの状況を家族が把握していくことが大切です。まずは定期的に電話をして近況を聞くことから始めてみましょう。