null
mamoria マモリア(mamoria)親の介護にはじめて
向き合うご家族を総合サポート

最新記事を受け取る

人気ランキング

おすすめ記事

キーワード一覧

男性介護者が追い詰められないために!相談先まとめ

女性が多いと思われがちな介護ですが、介護者のうち約3分の1は男性だということが分かっています。そして男性介護者による介護殺人、無理心中なども多く報告されるようになっています。なぜ男性は、このような事件を起こしやすいのでしょうか。今回は男性介護者をめぐる現状と、相談先を紹介します。

実は多い男性の介護者

昭和の時代、介護はまだ女性が主な担い手でした。しかし平成に入ると男性介護者の割合が徐々に増加し、現在では介護者のうち約3分の1が男性であると報告されています。核家族化や少子化、さらに介護保険制度の導入などが、男性介護者増加の要因だと指摘されています。

男性で介護の担い手となるのは、要介護者の息子や夫などで、介護休暇などを利用しながら自身の就労と介護を両立させる場合もありますが、会社を辞めて介護に専念することも多くあります。また老老介護になるパターンも珍しくありません。そのような場合、介護者は社会から離れ孤立する傾向があります。介護の場でも男女の平等化が進むのは喜ばしくもありますが、男性特有の悩みを抱え込むこともありえます。

事件に発展する要因・思考パターン

男性介護者が起こした事件として、要介護者である家族を殺害したり、一緒に無理心中を図ろうとしたりという事件が多く報道されています。日本福祉大学の分析では、過去18年の介護がらみの殺人事件のうち、約7割の加害者が男性であるという結果が出ています。

事件の背景として、被介護者の状態悪化や、介護者の体調悪化、経済的な困窮などが指摘されています。特に殺人まで発展する場合、「被介護者が哀れ、本人も死にたいと願っているのではないか」「介護に疲れ、生きる意味を見失った」などの思考が働くことが多くあります。いわゆる介護疲れがこのような思考につながる他、介護者がうつ病になることも、事件を後押しする要因となっています。

なぜ、外部に助けを求めなかったか

外部に助けを求めていれば、このような事件は防げた可能性があります。しかし家族・親族が遠くに住んでいたり、近所と付き合いが薄かったりすると、周囲の誰にも頼れないという状況が生まれます。行政や施設に相談しても、いい解決策が見つからなかったという場合もあります。女性よりも地域社会や友人との付き合いが希薄になりがちな男性は、なかなか周囲に相談したり助けを求めたりすることができません。その孤独感が、思い込みを強くし、自らや被介護者を傷つける事件へと発展してしまうのです。核家族化や転勤の多さ、会社に拘束されがちな男性の生活など、現代の社会背景をそのまま反映した状況が、男性介護者を苦しめる要因になっているといえます。

男性介護者の集いまとめ

男性介護者をめぐる厳しい状況を受け、男性介護者同士が支え合うための集いが、全国で整備されています。日常生活での思いや悩みを共有するだけでなく、情報交換やイベントを行い、前向きに介護生活を送るために企画が豊富です。

先駆的な組織に、東京都荒川区の「オヤジの会」があります。月に数回、福祉協議会の施設でサロンや定例会が実施されており、悩みを相談したり勉強会を行ったりしています。京都にも「TOMO」という男性介護者の集いがあり、こちらは喫茶店に集まって語らい、仲間を作る取り組みが行われています。兵庫県にも「宍粟市男性介護者の会」という組織があり、介護をめぐる情報交換や勉強会、相談や愚痴のぶつけあいをしながら支えあっています。このような組織は全国にあるため、お住まいの地域でも探してみてはいかがでしょうか。

まとめ

男性介護者の増加とともに、彼らに特有の悩みも無視できないものになっています。孤立しがちな男性介護者は、思いつめて事件を起こしてしまう場合もあります。事件を未然に防ぎ、男性介護者にとっても被介護者にとってもストレスの少ない介護生活を送るためには、家族や近所の人たちと協力しあって生活することが大切です。そのような環境にない場合でも、全国各地に男性介護者同士で支え合う会が設立されています。介護生活を共に送る仲間を見つけることで、少しでも負担を軽減してみましょう。

最新記事を受け取る

関連キーワード

併せて読みたい記事

  • 誰でも分かる!デイサービスとデイケアの違いをポイント解説
    誰でも分かる!デイサービスとデイケアの違いをポイント解説
    介護のことを色々と調べていると、日中に過ごせる場として「デイサービス」や「デイケア」という単語を目にします。どちらも、介護が必要な方が利用可能なサービスなのですが、両者の違いをご存知でしょうか?「デイサービス」と「デイケア」の特徴や違いを正しく知ることで、よりその方に合った介護を行うことができます。それぞれの特徴を確認してみましょう。
    記事を見る
  • いつ起こるかわからない自然災害、要介護者がいる家庭に必要な備えとは?
    いつ起こるかわからない自然災害、要介護者がいる家庭に必要な備えとは?
    地震や津波、台風などの自然災害はいつどこで起こるかがわかりません。とくに要介護の高齢者がいる家庭では、不安が大きいことでしょう。実際に自然災害が起きてから慌てふためくことのないよう、日ごろの備えや心構えが大切です。
    記事を見る
  • アプリで「住み慣れた地域とつながる。」新しい“見守りのカタチ”
    アプリで「住み慣れた地域とつながる。」新しい“見守りのカタチ”
    厚生労働省の「平成27年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者(65歳以上)がいる2,372万世帯のうち、全体の57.8%を「単独、または夫婦のみ世帯」が占めているとの推計が発表され、家族だけでは支えきれない不安が浮き彫りになっています。 今回は、高齢者、家族、地域が携帯アプリでつながり、共に、無理なく助け合う。 新しいカタチの見守りサービスを創造する、リバティ・イノベーションの森社長にお話を伺いました。
    記事を見る
  • 亡くなっても人である。最後のメイクに込められた想い
    亡くなっても人である。最後のメイクに込められた想い
    1950年代以降、病院や介護施設等、自宅外で死を迎える割合は増加し続け、厚生労働省が発行した『平成29年 我が国の人口動態』では、2015年の自宅外死亡の割合は87.3%を占めています。 近年、感染・腐敗防止(エンバーミング※1)と、個人の葬送・遺族ケア、2つの目的を持つ、「エンゼル・ケア(※2)」が、遺族ケアの第一歩として注目され始めています。 今回は家族の最後の大切な時間を共に作る死化粧師として活動するキュア・エッセンス代表の宿原(じゅくはら)寿美子さんにお話を伺いました。 宿原さんは、法医学の復元方法を学び、死化粧師の後進育成、専門学校や医療・介護施設でのエンゼル・ケア講座も多数開催しています。 ※1:エンバーミング:薬品などを用いて防腐・保存のための処置を施すこと。特に遺体に対していう(三省堂大辞林) ※2:エンゼル・ケア:死亡した患者に看護師らが、遺族とともに、死者の旅立ちの準備を施すエンゼル・メイクなどの死後処置(『用例でわかるカタカナ新語辞典』出版/株式会社学研教育出版)
    記事を見る
  • 喪失の哀しみを解放する専門家“グリーフ専門士”
    喪失の哀しみを解放する専門家“グリーフ専門士”
    今後の高齢社会に向けて、喪失の悲しみをケアする“グリーフケア”が注目されています。特に介護家族や医療・介護従事者へのケアは社会課題として顕在化することが見込まれ、各大学・研究機関での取組みが進められています。 今回は、大切な人との死別、加齢による身体機能の低下、怪我や病気など、様々な喪失による悲嘆を抱える人が、悲しみとともに自分らしく生きていけるように専門的立場からサポートする一般社団法人日本グリーフ専門士協会代表理事の井手敏郎さんにお話を伺いました。
    記事を見る