介護サービスの種類は非常に多く、必要とする人の状況に合わせて、その組み合わせも様々です。その複雑さゆえ、ケアプランの作成をケアマネージャーにすべて一任してしまいがちです。しかし、万が一不要なサービスを提供されたときにそのまま利用すると利用料金を請求されてしまいます。今回は不要な介護サービスを見極めるポイントをご紹介します。
不要な介護サービスの勧誘や提供に注意
介護が必要な方がいると、本来必要でない介護をすすめられたり、不要なサービスを提供されて後から請求されたりすることがあります。サービス付き高齢者向け住宅で、不要な介護サービスを提供するという事件もありました。調査により不当な介護報酬の返還を求められる施設も増えています。本当に必要な介護かどうかを見極める方法や、勧誘・提供があった場合の対処法を知っておきましょう。
介護サービスは最小限のほうが良い
不要な介護と思えるものに、過剰な生活支援があります。介護の基本は本人ができないことを手伝うことです。逆にいえば、できることは見守ることが必要で、そうでないと残っている能力が衰えてしまい、できることもできなくなってしまいます。生活支援・介護サービスは最小限にするというのがポイントです。家族が良く観察して、何ができて何ができないのかを把握することがまず大事です。その上で、ヘルパーを派遣する事業所やケアマネジャーに相談して具体的なケアプランを立てるようにします。
施設での様子を見学・チェックしてみる
施設での様子を見学したり、管理者と話をしたりすることも過剰介護を避けるのに有効な方法です。介護の基本は自立支援です。通所者や入所者の様子を見て、自分のことは自分でやる環境にあるのかどうかチェックしてみましょう。余分なサービスをしているところでは、被介護者に元気がないことが多いものです。
本当にいいサービスはとは、「過剰」ではなく「適切」に行われるものではないでしょうか。
不要な介護サービスに気づいたら
国では不必要な介護サービスが行われないように、行政主導でチェックする制度を整え始めています。実務経験5年以上のケアマネジャーと市町村の専門職員とで、介護サービスの内容をチェックすることになっています。悪質な施設には立ち入り検査も予定されています。現段階では、もし過剰介護に気がついたら、まずはケアマネジャーに報告して相談するようにしましょう。
どうしてもケアプランの内容・説明に納得できないときは
不要な介護サービスに気づき、ケアマネージャーに相談してもどうしても納得出来ない時もあるかと思います。
そうした際には、ケアマネージャーを変更することも出来ます。
介護サービスを利用するにおいて、ケアマネージャーの存在は非常に重要です。
変更することに罪悪感を感じる方も多いようですが、あくまで主体は介護を受ける方です。納得出来ず、我慢したまま提供サービスを受け続けるより思い切って変更したほうが、いいケースもあります。
また同じケアマネージャーといっても、出自により得意領域が異なります。
変更することにより、相性がピッタリの方と出会える場合があります。
相性が合わない!ケアマネージャーを変更する方法
https://mamoria.jp/erabikata/5
家族で介護サービス内容を点検しよう
基本的には介護には専門的な知識・判断が必要です。しかし、家族が見極めることができる場合もたくさんあります。
過剰介護は介護保険の悪用であるだけでなく、被介護者の状態を悪化させる場合もありますから注意が必要です。
本当に自分たちが求めるサービスは何であるのか。何がベストの選択なのか。
施設などからすすめられるサービスを鵜吞みにせず、本当に必要なサービスなのか家族でチェックすることが大事です。