先日、一部メディアで、「厚労省がケアプランの1割負担導入を検討している」というニュースが報道されました。今回は、ケアマネのサービスを有料化のすることのメリット・デメリットをまとめました。
現行無料が有料化されるかもしれない
国では介護給付費が増大していくのを防止するため、現在は無料で行っているケアマネジメントを、自己負担1割とする案が出ています。2018年度の介護報酬改定時に導入する予定です。この案では現在の介護保険利用者の半数近くが自己負担の対象となります。
居宅介護支援(ケアマネジメント)とは
ケアマネジメントとは、在宅で介護サービスを受ける場合に、どの施設からどのサービスをどう受けたらいいのかについてケアマネジャーが利用者の諸状況を考慮して作る介護サービス実行計画のことです。現行は無料で行われているこのプラン策定・実行管理を有料化しようという動きが、出ています。
デメリットとは
プロによるサービスを受けにくくなるという点が有料化のデメリットです。そもそもこのプランは自分で立てることもできます。セルフケアプランといいますが、自分で作成して提出することもできるのです。ただし、介護については一般の人には分からないことが多いので、ケアマネジャーに任せてしまうことがほとんどです。有料化によって利用を控えてしまうと、自分で作成しなければならないので利用を敬遠することが懸念されます。また、ケアマネジャーは計画を立てるだけでなく、専門家として介護諸機関との調整や交渉も行ってくれます。こうしたことも有料化で受けにくくなってしまいます。
メリットとは
一方でメリットとしては、そもそも自立支援型が原則ですから介護への意識が高まることで自立を促すという本来の目的が達成されるのではないかという声もあります。何でも行政任せにしないで自分でやることは大事なことですし、財政難の社会福祉政策の中では、自分のことは自分でやるという意識も重要かもしれません。また、有料ということで、ケアマネジャー間にも競争の原理が働きます。良いケアマネジャーが選ばれることになり質の向上につながると期待されています。
本当に良いサービスはどちら?
ケアプランが有料化されると、ひと月あたり約1300円程度の自己負担となります。最適なサービスを選ぶのにどちらがいいのか、国の財政状況なども考えると一概に答えは出ないかもしれませんが、介護について見直すきっかけにはなるでしょう。
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