介護がはじまったり、車椅子生活になると、今まで住んでいた家のちょっとした構造が移動の負担になったり、転倒などのケガにつながる場合があります。今回は介護保険を利用した住宅改修ノウハウについてご紹介します。
介護保険を使用して受けられるサービスとは?
介護保険制度とは65歳以上の第1号被保険者と40~64歳までの第2号被保険者(特定疾病により認定を受けた方)が、住み慣れた町で元気に暮らし続けることができるように様々なサービスを1割の負担で利用できる制度です。サービスの内容は、自宅に訪問してもらって受けるサービスや施設に通って受けるサービス、施設に入所するサービスなど多岐に渡り住宅改修や福祉用具の購入もその中の一つです。
住宅改修サービスと負担金
住宅改修サービスとは、介護認定を受けており役所や地域包括支援センターに申請した方を対象に住宅を居住に適するよう改造するために要する費用を助成する制度です。上限は20万円でそのうちの9割は介護保険で負担できるので、被保険者や家族が負担する金額は2万円までとなります。
介護保険が適用される住宅改修内容は以下の通りです。
- 手すりの取り付け
- 段差の解消
- 滑り防止および移動の円滑化等のための床または通路面の材料の変更
- 引き戸等への扉の取替え
- 洋式便器等への便器の取替え
- その他1~5の改修に付帯して必要となる改修(手すりの取り付けのための壁の下地補強など)
具体的な改修内容については、担当のケアマネや専門業者が被保険者の希望・身体状況・住宅環境などを加味しどのような改修をしていくか高齢者やその家族に提案し、決めていきます。
福祉用具購入について
上記の住宅改修サービスに加え、さらに10万を上限に(9万円は介護保険負担)福祉用具の購入ができます。
- 掛け便座(ポータブルトイレなど)
- 殊尿器
- 入浴補助用具(入浴用いすなど)
- 簡易浴槽
- 移動用リフトのつり具
以上が対象となり、これらの購入のみでも、住宅改修を併用しても大丈夫です。福祉用具購入のメリットは、工事が必要なく簡単に利用でき住宅改修と合わせればより安全に日常生活動作(トイレや入浴など)を行うことができるという点です。
高齢者住宅改造助成事業とは
介護保険とは別に高齢者住宅改造助成事業という助成金制度があります。こちらは、以下4つの条件を満たすとプラス80万円の助成を受けることができます。
- 介護認定で要支援・要介護と認定されている事
- 65歳以上である事
- 生計中心者の前年の所得税額が14万円以下である事
- 福祉施設に入所または病院に入院していないこと
建物の構造上大幅な内装工事が必要な場合は、この高齢者住宅改造助成事業を活用することにより負担を軽減することができます。
イメージがついたらケアマネに相談しよう
住宅改修や福祉用具の購入について難しいことは、身体状況や住宅環境が十人十色ということです。同じ介護度でも住宅環境が違うとその方に必要なものは変わってきますし、同じ住宅環境でも介護度が違うと同じことが言えます。住宅改修についての概要を理解し、予算がだいたい決まったら、ケアマネに相談し、予算内でどれだけの支援が受けられるかを検討していきましょう。