コンビニの利用者と言えば、若者を思い浮かべる人が多いと思いますが、実は若者より高齢者の利用率のほうが年々高くなってきています。各社配食サービスや高齢者向けのお惣菜を揃えるなどのサービスを行っており、高齢者にとってコンビニはさらに利用しやすいスポットとなっています。今回はコンビニが行っている高齢者向けサービスの最新情報をまとめました。
高齢者にとってコンビニとは
コンビニは全国で10万店舗をはるかに超えており、今でも各地で新規出店が行われています。
都心部や郊外集合住宅周辺では高齢化が進んでおり、店舗まで少し歩くスーパーよりも、目の前にあるコンビニを利用する方が利便性が良いとされています。また商品ラインナップについてもスーパーで主に扱っている生鮮食品は、調理が必要ですが、コンビニでは個装されているお惣菜が種類豊富に取り揃えられており、料理をしない独居の高齢者にとってはコンビニ惣菜のほうが利用しやすくなっています。
また、コンビニコーヒーや休憩スペースを設けるコンビニが増えたことにより、散歩がてらコンビニに立ち寄りコーヒーを飲むなど、利便性の良さと商品の品ぞろえが豊富なことが、高齢者の生活にマッチしてきていると言えます。
ケアマネ常駐店の登場
コンビニ大手のローソンは今年4月に、ケアマネが常駐し高齢者や介護者を支援するコンビニをオープンしました。第一号店は、埼玉県を中心に老人ホームを展開するウイズネット(さいたま市)が、フランチャイズチェーン(FC)加盟店となり川口市にオープンしています。
特徴としては、売り場面積は約220平方メートルと標準的な店より一回り大きめで、店内にケアマネジャーによる相談窓口と高齢者が集まるスペースを設けています。日常的に使う店に窓口を設けることで、深刻な事態になる前から気軽に相談でき、介護をはじめるきっかけができるという点は、本人だけでなく家族にとってもメリットがあると言えます。
また、品ぞろえも通常のローソンより500品目ほど多い4000品目を用意した。介護食や大人用おむつのほか、和菓子や健康食品など高齢者の要望を取り入れた商品ラインナップにしています。
高齢者の見守り役にも
セブンイレブンでは長野県や長野県松本市と連携・協力し、地域の見守り活動をする「地域見守りネットワーク協定」を締結しました。これは、セブンイレブンの配食サービス「セブンミール」を中心とした活動で、配達の際に単に食材を届けるだけでなく、暮らしぶりを確認し異変があれば県や市と連携しすばやく対応できるような体制を構築するものです。またセブンイレブンでは、福島県や三重県などとも同様の協定を結んでおり、実際に見守りサービスが機能していくと、今後ますます拡大するのではないでしょうか。
高齢者のご用聞きサービス開始
ローソンと佐川急便を傘下にもつSGホールディングスは、宅配便と高齢世帯への「ご用聞き」を組み合わせた新サービスを始めました。これは、佐川の配達担当者が拠点とするローソンの店舗付近の地域を対象とし、タブレットをもって高齢者宅に出向き、宅配便の配達だけでなく、ご用聞きをするというものです。ご用聞きでは、生活費必要な食品などの商品販売や、水回りトラブルなどの生活関連サービスへの取り次ぎなども行います。東京都内にあるローソンで試験的に導入し、首都圏に拡大する予定です。
多様化するコンビニの役割
今回取り上げたようにコンビニと高齢者の関係は、単にモノを売る買うという関係から、超高齢化社会が進む現在大きく変化してきています。また、行政や他業種の企業にとってコンビニの店舗数・立地はとても魅力的で、今後もコンビニと連携した新しいサービスが登場するのではなないでしょうか。