ホームシェアといえば、若者が友人や知らない人と家賃を負担しあい、一緒に暮らすというイメージがありますが、異世代ホームシェアという言葉はまだまだ認知されていません。
今回は日本でも広がりを見せつつある異世代ホームシェアについてご紹介します。
異世代ホームシェアとは?
異世代ホームシェアとは高齢者と若者が高齢者の持つ家で同居する居住スタイルのことで、貸す側も借りる側も一人で生活できる(介護などが必要ない)ことを前提として行うもので、どちらか一方が依存してしまったり、負担になったりすることはありません。スペインでスタートし、その後ヨーロッパでは定着したスタイルとなっています。日本では東京を中心にいくつかの活動団体がームシェアをコーディネートする活動をしています。
高齢者にとってのメリットは?
異世代ホームシェアにおける高齢者にとってのメリットは、一人暮らしの不便さから解放されるということです。ゴミだしや古紙回収というように、生活の中で力仕事をしなければならない場面は必ずおとずれます。そのような時、若者が一緒に住んでくれていれば、力仕事を代わりにやってもらえるので、かなり楽になります。また若者がいることで新鮮な気持ちをかんじることができ、孤独を感じずに済むという効果も見られています。
大学生にとってのメリットは?
大学生にとってのメリットは何と言っても家賃が安く済むところです。高齢者が一人暮らししている家を間借りする形になりますので、普通のルームシェアや一人で部屋を借りるよりも家賃を安価におさえることができます。大学から近い場所で異世代ホームシェアができれば、通学時間を短くすることもでき、空いた時間をほかの活動に利用できるというメリットもあります。
実際に異世代ホームシェアをした高齢者の感想
実際に近くの大学に通う大学生と異世代ホームシェアをした高齢者の中には、新しい息子や娘ができたようで毎日が楽しくなった、と幸せそうに語る人がいます。最初は他人が自分の家にいることに違和感もあった、と語る人もいますが、そのような人も時間が経てば、家族が増えたようだと感じるようです。また、頼りにするだけではなく頼られることも多く、世話がかかると感じる一方、それが懐かしいと同時に嬉しいと思う高齢者の方が多いようです。
実際に異世代ホームシェアをした大学生の感想
実際に高齢者と異世代ホームシェアをした大学生は、最初は少しプレッシャーもあったと言います。高齢者と一緒に住むわけですから、介護などをしなければならなかったり、怒られたりすることもあるのかな、と思っていたようです。しかし、実際に生活を始めてみると、何かお手伝いをすることはあっても介護をする必要はなく、一緒に料理をするなど、おじいちゃんと孫のような関係になれたようです。また、つかず離れずという、絶妙の距離感が良かったと語る人も多いです。
「おためし居住」で気軽に始めることができます
異世代ホームシェアのメリットを理解できたとしても、実際に本当にそのようにうまく生活できるのかと不安に感じる人も多いはずです。そのような場合には、おためし居住というシステムがあります。実際に、期間限定で異世代ホームシェアを行ってみるのです。高齢者としても大学生としても、このシステムがあれば安心して始めることができるのではないでしょうか。親が一人暮らしをしていて何かと不安という人も、一度、異世代ホームシェアを考えてみてはいかがでしょうか。
今後の広がりに期待
核家族世帯が増えている今、親が一人暮らしをしていて不安だが、自分には仕事も家庭もあって常に見守るのは不可能というケースも年々増加しています。その不安を解消する新たな一手としてますます需要が高まるかもしれませんね。高齢者の独居問題を解決する取り組みとしても、今後の全国的な広がりに期待したいと思います。