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4. 認知症予防と美術(アート)の意外な関係とは?

認知症になると物事の判断が困難になったり、記憶障害に陥ったりと本人や家族にとって日常生活を送るのが困難になってきます。近年そんな認知症の症状をアートで予防・改善できるということが分かってきました。ここではアートによって認知症がどのように予防・改善できるのか、その効果などをご紹介していきます。

認知症予防と美術

「臨床美術」という言葉を聞いたことがありますか?臨床美術は別名「アートセラピー」や芸術療法とも呼ばれ、絵や塗り絵、陶芸、ペーパークエラフトなどの芸術活動を行うことで脳の活性化や意欲の向上が期待されるリハビリのひとつです。主に認知症やMCI(軽度認知障害)の方を対象に行われる非薬物療法で、うつ病や発達障害の方の治療にも活用されています。一般的に認知症の人は空間認識能力や物の形や色を判断する力が低下する傾向にあります。絵を描く・粘土や紙を使って物を作るなどの作業は五感をフルに刺激するため、対象物を認識する力を養うことができるのです。

アメリカのベティ・エドワーズ博士によると、五感をフルに活用することで右脳が刺激され、続いて左脳や前頭葉まで刺激が届くことで脳全体を活性化することができるとされています。実際のセラピーでは果物の絵を描く場合、まず匂いを嗅ぎ重みを感じて、さらには食べることでイメージを膨らませるという手順を踏んで作品を仕上げます。

臨床美術での認知症予防の効果や実績

臨床美術では決して作品の優劣を競うことが目的ではありません。あくまでも各々の創造性を引き出して自由に創作活動を行うことが前提です。認知症になると物忘れがひどくなり、周囲の人から注意されることが増え自信をなくしていきます。自分の作りたいものを自由に創作することで、自己実現の欲求が満たされ充実感を得ることができます。その結果精神状態が落ち着いて、認知症患者に見られる暴言や徘徊などの症状が抑えられるという効果があります。また人から作品を褒められることで自信を持ち生きる力が湧いてくるのも特長です。五感をフルに活用することで脳へ刺激を与え、認知症の症状の進行も抑えられます。さらにはグループワークを通じて一緒に作る仲間・感想を言い合う仲間ができ、コミュニケーション力を養うことができるのがうれしい点です。完成した作品をリビングに飾っておくと、家族との間にも共通の話題ができて会話が増えるかもしれませんね。

どうやって親を連れ出したらよいか

このような認知症対策のアートセラピーは、主に病院やグループホーム、デイサービスや各自治体などで開催されています。気になる方はインターネットで検索するか、各自治体に問い合わせをしてみてください。認知症になると外出をしたがらなく、家にこもりがちになってきます。人との接触を避けて会話をしなくなるとますます症状が進行してしまうので、なるべく外へ連れ出すような工夫が必要です。予防目的のためにも、元気なうちから「今日は家族でアートの講座に参加してみない?」と一緒に参加を促すよう働きかけてみましょう。もしくは芸術鑑賞に行こうと声をかけて、そのままの流れで講座に参加すると自然とアートに対して興味がわくかもしれません。

まとめ

認知症の治療では薬を使ったものが主ですが、これには副作用の心配があります。なるべく薬を使わずに自然な形で脳を活性化させ意欲を高める方法も検討の視野に入れてもよいでしょう。臨床美術では五感をフルに活用することで右脳の働きを高め、脳全体を活性化する効果が期待できます。また自信を持つようになったり、人とコミュニケーションをとる機会が増えたりと、毎日を生き生きと過ごすための助けとなってくれます。家族との関係も良くなるアートセラピー、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

参考

ベティ・エドワーズ (著), 野中邦子 (翻訳)「決定版 脳の右側で描け」

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