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“終活大学”の学生になって終活のオモテウラを楽しく学ぼう!

長寿国日本の平均寿命は今年、男女とも過去最高を更新し、男性80.75歳、女性86.99歳と発表されました。(厚生労働省 第22回生命表)
平均寿命は今後も伸びると予測される中、自分自身の人生の幕引きの準備と共に、介護・医療・葬儀・埋葬の準備について、選ぶ側の知識と選別眼がより重要になってくると思われます。
今回は、全体像が見えにくい終活について、業界のウラ事情も含めて、みんなでたのしく講義形式で学ぶことができる“終活大学”を主催するNPO法人終活サポートセンター理事の水上由輝德さんにお話を伺いました。

専門家から無料で学べる“生涯学習としての終活”




―終活大学とは、誰が何を学ぶための学校なのですか?

終活大学は、全国各地で開催している、みんなで、たのしく、学生になって終活を学ぶことが出来る講義形式の相談会です。
「これは皆さんに起こるかもしれないし、皆さんの周りの方に起こるかもしれないので、知識として持っておきましょう」という主旨で運営しています。
希望者はどなたでも学生となり、学ぶことができます。

終活に関する各分野の専門家が、分かりやすく講義をしますので、何から手をつけて良いか分からない方でも、興味のある講座だけ受講することが可能です。
例えば、お墓・納骨、供養・葬儀、美容・生活、エンディングノート、介護、お金、後見人、医療など、死の前後のことを広く学習することができます。
高齢者のお一人様も増加傾向にありますので、現気象庁の方をお招きした防災の講義なども人気があります。

終活とは、人生のエンディングを見据えた準備をして“今をよりよく、自分らしく生きていく”ための活動です。
終活の「なぜ?どうしたらいいの?」にお応えし、問題解決のお手伝いをします。

シニア世代の方たちは、非常に学びの意識が高いです。
私たちは、終活を生涯学習としてお伝えしていて、学生の皆さんは大変前向きに取り組んでいらっしゃいます。



―なぜ、葬送業界に入られたのですか?

私は元々、ファッションアパレルのブランドを作って日暮里で町おこしをしようと思っていました。
日暮里は生地の町で、谷中銀座商店街のある谷根千エリアはとても活気があるのですが、ファッション業界からすると川上でしかありません。
もう少し川下のほうもやりたいと思って、服飾のオリジナルブランドを立ち上げて、クラブや古着屋さんも作って、と展開しようとスポンサーを集めていたら、その時のスポンサーさん達がサブプライムローン問題の時に全員すっ飛んじゃいまして。
ブランドの立ち上げができなくなって、仕方なく親の会社に入ったのが業界に入ったキッカケでした。

―はじめは「仕方なく」がキッカケだったとは意外です。 NPO法人を立ち上げたのは、なぜですか?

最初はお葬儀やお墓、納骨堂の分野に携わらせてもらっていて、嫌々やっていたら見えてきたことがあったんです。
一般の方たちのイメージ、価格や商品構成と、実際に業界の方たちが思っているもののギャップがとても大きいな、と。
お葬儀の場合は葬儀屋さん、お客さん、お坊さん。お墓の場合だと、お墓屋さん、お客さん、お坊さん。この三者が入り乱れることが認識にギャップが生まれる一因になっていて、なんとか埋められないかな、と思いました。

各業種の方が懸命にやっていて、お客さんも懸命に探しているんですけど、化かし合いになってしまっているところが見受けられて、そのギャップを埋めるにはどうしたら良いかを考えました。
企業内サークルとしてスタートしたら「これは完全にボランティアでやっています」と言っても信じてもらえず、NPO法人を設立して相談サービスを始めたのがキッカケです。

昔なら近所のご意見番のお年寄りや親戚、色々と言ってくれた人が、今はいなくなってしまった。
加えて事業者側が新しいサービスをどんどん作って、選択肢が増えた反面、その多さゆえにお客さんが悩む原因にもなっている、と。
さらに、お墓などの宗教ごとに関しては、送り出す側の知識が低下していることもギャップを広げる原因になっています。
ギャップを埋めるために、突き詰めて言えばシニアライフ全体を“死というフィルター”を通してモノゴトを考えて、元気なうちに学んでおいてもらう必要がある。ということで、7年ほど前に終活大学イベントを始めました。



いざという時、見落としがちなポイントも相談サポートで安心


―学生さんは、ご自身の終活について学びにきている方が多いのですか?

いま受講されている方々はアンテナが高くて元気な70~80歳代の方が多くて、65歳以上が全体の四分の三を占めています。

大半の方がご自身や身近な方のために学んでいらっしゃるようです。

しかし、介護を経験したことがない息子さん、娘さん世代は「俺たちが何とかやるから、死ぬ時のことなんて考えてくれるな」と怒ってしまうこともあるようです。
実際にそういう人たちが、いざ直面した時に困ってしまうことが多いので、たった今、困っている人の受け皿として無料個別相談サービスなども提供しています。
分からないことがあればフリーダイヤル(0120-937-135)にお電話いただければご相談に乗ることはできますので、遠慮なくご連絡いただければと思います。



―終活にまつわる相談なら幅広く対応してくれるのですよね。どんな相談が寄せられますか?

例えば、高齢者施設の紹介、お墓の引っ越し、お仏壇の処分に関することなどです。
ご本人も見落としがちで、後からご家族が困ることが多いのは、別居のご両親が施設に入る時に、大きなお仏壇を自宅に置いたままにしているケースです。
賃貸も処分もできないまま認知症を発症して、ご自宅が処分できなくなることがあるので、なるべく入居のタイミングで対応することを啓蒙しつつ、いざ発生した際のお手伝いもしています。

―認知症について、学生さんはどのように感じておられるのでしょうか。

70~80歳代の学生さんの中には、ご自身が介護する側、または、少し前まで介護をしていた方が多くいらっしゃいます。
数十年前は原因もよく分かっておらず、ボケや痴呆と言われ、認知症を発症した親・親戚を「じいちゃんボケちゃって」と蔑ろにした経験のある方や、それを見てきた世代です。
「今度は自分が、白い眼で見られる側になるのではないか」「優しかったお父さんが変わってしまったように、自分も同じようになるではないか」と、生々しい恐怖を感じています。

認知症になってしまうと、あらゆる契約行為ができなくなってしまうため、せっかく取り組んだ終活が無に帰してしまう可能性もあります。
エンディングノートを書くところまで懸命にやってもらって、認知症チェックも同時にやることは、講義でも特に力を入れてお伝えさせていただいている部分です。
認知症チェックを広めるために、インターネットやアプリを使ったチェックを実施する行政や団体も、最近増えて、手軽にチェックできるようになってきています。



早期発見ができれば、原因によっては外科的手術で劇的な改善が見込めたり、一時的な症状で済むこともあります。
アルツハイマー病の場合でも、薬で進行を遅らせることができ、早く使い始めると健康な時間を長くすること、病状が進行した時の準備をすることができます。
どうせ治らないと諦めず、心当たりがある時はすぐに専門機関の治療を受診することで、安心を得ることができると思います。

「困っている人を助けたい」終活大学を全国各地域へ


―エンディングノートの講義では、特にどのような点に留意しておられますか?

医療の発展と共に、今後はますますご本人の生前意思確認が重要になります。
最も大切なことなので講義で1番最初にお話をしているのは「自分が望まない延命を受けないためには、書いたものを残しておくしかありません」ということです。
遺言書を書いて安心する方もいらっしゃいますが、遺言書は亡くなってからじゃないと開けません。

私たち終活サポートセンターが監修したオリジナルエンディングノートは、これまで2万8千人の方が書きました。
「後で書き直せるのも、エンディングノートの良い点なので、希望が変わったら随時書き直してください」とお話しています。
事前に本人が意思表示をすることで、親族でも意見が分かれるケースが非常に多い延命治療の選択の心配の回避、治療費を抑える効果を得られる可能性があるのは大きなメリットです。



―終末期医療のページでは献体についても触れていますね。最近は希望者が増えているとも聞きますが、どうなのでしょうか。

献体は、1983年の法制定により登録者数が増え、2015年には25万人に達しました。
ご遺体が充分に確保されている状況にあることを講義でお話すると、それまでは著しく不足していましたので、皆さんとてもビックリします。

火葬代が安くなるとおっしゃる方がいて、実際に火葬代は病院が出してくれるので、安くなりますが、前後の手順や搬送車の使用頻度を考えると、あまり変わらないのが実情です。
私は、なるべく特殊な病気にかからない限り、献体は強くお勧めしていません。
詳しくは講義でお話させていただきますが「希望する場合は葬儀社さんに生前に見積りをとって、親族の方たちにもエンディングノートに書いて、しっかり伝えておくことを徹底してください」とお話しています。

―終末期や死後の対応は、充分な知識を得ないまま決断を迫られることが多々あります。実際に何を選んでよいか、選択が難しいのではないでしょうか。

終活のことは学んでおくほど選択肢が増えるので、いかに元気なうちに考えておくかがほんとうに大事です。
また、急な対応を迫られてしまった方に、これからいかに理想の選択肢を見つけてもらえるか、も大事な点です。

例えば“直葬”という言葉は、宗教的儀式を一切せずに火葬だけ行います。以前メディアが安く出来る葬送として取り上げたのですが、実際には完全無宗教の方しかできません。
つまり、お寺に家のお墓がある方は、直葬したお骨を宗教儀式なしに埋葬することはできないのです。

この部分を知らずに、直葬したお骨を「納骨してください」とお寺に持ち込む方がいて、お通夜とお葬儀をやり直す必要が生じるケースもあります。
別のお寺のお坊さんに戒名をもらってしまった場合も、揉めるケースとしてはよくあります。

葬送の世界の常識と、一般の方には常識ではないことの差をどう埋めるかと、各メディアで話題になった直葬や樹木葬などの新しい商材に対して、突っ込みを入れていくこと、この2点が、私たち終活大学が大事にしている点です。
次々出てくる新しいサービス、やり方を整頓してくれる人が誰もいないので、私たちがやっていきたいというのが強い思いとしてあって、今後は行政と一緒に連携していけたらいいなと思います。

―受講した学生さんからは、どんな反響がありますか?

お子さんが家の宗派を知らなかった。という反応が1番多いですね。参加されている方のほとんどは65歳以上、お子さんは40~50代です。
私たちが街頭アンケート等で独自に調査した際は、4%の方しか自分の家の宗派に辿りつきませんでした。
例えば「うちは真宗と言っていました」と言う方に「真言宗ですか?浄土真宗ですか?」と尋ねると、どっちか分からず悩まれる方もいました。
「うちは日蓮宗です」と言う方が、実は全然違う宗派だったり、真言宗の場合はが〇〇派と細かく分かれているのですが、そこまでは分からない、とかですね。

講義では「お子さんに家の宗派やお寺の名前が分かっているか聞いてみてください」とお話しています。
そういったことを、きちんとエンディングノートに書いておくと安心です。



―始めは葬送業界に入ったのは嫌々だった、とのお話でしたが、今はいかがですか?

嫌々だったのは、ほんの最初だけでした。いまは全然違って楽しいし、やりがいがあります。
私は24時間のフリーダイヤルを持っているのですが、夜中におじいちゃんおばあちゃんや縁者の方達が困って電話をかけてくるんですよ。
「いま危篤って言われてるのですが、どうしたら良いですか」と。正に“いま”困っている人に助けを求められるとスイッチが入るというか、1番やりがいを感じます。
根本にあるのは困っている人を助けたいという思いです。
大学生の時に海外を旅して、日本人・外国人の方問わず助けられたり殺されかけたりする中で「困っている人を助けた方が後々楽しい」という気持ちが沸々と出てきました。


―終活大学が描く未来像についてお教えください。

終活大学を全国的にやっていきたいというのがまずあります。
加えて、ローカリゼーション、各地域に根差した活動として、展開していこうと考えています。

市川市では、介護の方たちから要請を受けて、地元のケアマネージャーさんや介護事業者さんと一緒に終活大学を行います。こういったケースが今後たくさん出てくると思います。

土地それぞれのやり方というのは、葬儀やお墓だけではなくて家のことや地理的な問題など、土地ごとの事情があるので、それを踏まえた上で、地域単位で行動をしていこうと考えています。
1番の理想は地域包括と同じ範囲で活動を行っていくことです。
今後メンバーを募集するとか、一緒に連動してイベントをやっていただける企業さんを探しているというところで、5年以内にはすべての都道府県でイベントを行いたいですね。



お問い合わせはこちら

24時間フリーダイヤル:0120-937-135

組織概要

特定非営利活動法人 終活サポートセンター

HP:http://shukatsusupport-center.com/
終活大学動画(YouTube):https://www.youtube.com/channel/UCmEdlvGixPhGwgMv6zEM7ZQ

参考サイト

「第22回生命表」(厚生労働省):
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/22th/index.html
「地域包括ケアシステム」(厚生労働省):
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/

執筆者

取材・文:gCストーリー株式会社 阿南
画像提供: 特定非営利活動法人 終活サポートセンター

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