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プロと一緒に片づける。「お部屋とココロの整理収納アドバイス」

平成26年度「高齢者の日常生活に関する意識調査」では「自分や配偶者の健康や病気への不安」が、最も多く67.6%を占めています。
具体的な不安の内容は、「体力の衰え」が62.2%、「認知症」が55.0%と続きます。
体力があるうちに、自分流儀の心地良く暮らせる環境作りをしておくことが、QOL(クオリティ・オブ・ライフ/生活の質)向上に繋がるかもしれません。
今回は、対話重視のお片づけサービスを提供する、トトノエトトノウ代表、「お部屋とココロの整理収納アドバイザー」オオタニナオコさんにお話を伺いました。


「整理する・片づける」それは、「人生そのもの」


―なぜ、「お部屋」と「ココロ」の整理収納アドバイザーとして、起業されたのですか?
私は、元々「片づけられない人」でした。
模様替えや収納は好きでしたが、「片づけ」が上手ではなくて。自分でも「どうやったらうまく片づくのか?」と、長年悩んできたのです。

現代は、毎日たくさんの情報が入ってきます。
私も皆さんと同様、何を選択するか、を「整理」して「人生」の意思決定を繰り返してきました。

何をするにしても、自分で道を創る。
様々な場面で、何度も「選択」の機会が訪れます。

複数の道を整理して、「よし、ここ。」と、選んでいく。
「トトノエル」というのは、「人生」と同じなのだと思いました。

「トトノエサービス」では、現在の生活の中の整理ももちろんそうですが、年を重ねていく上でもこの先を見越しながら、その葛藤なども含めて、一緒に整理していきます。

大げさかもしれませんが、「整理する・片づける」とは、「人生そのもの」。
就職、結婚、子育て、退職、老後、などなど...
すべて「整理して、調える」ことは、人生につながる。
そう思って、起業塾講師をやりながら、「トトノエサービス」のご提供を始めました。

ー印象的なエピソードがあれば、お聴かせください。
まさに、お部屋を整えることで、ココロが前向きになったお客様がいらっしゃいました。
「トトノエサービス」をご利用中のお客様が、入院することになったのです。

体調が悪い日が続き、整理もままならなかったご様子で、賞味期限切れの食品、複数の体温計、あちこちから、カイロが箱ごと出てきました。

入院は気持ちが落ち込みますし、大きな病気だと、不安もたくさんありますよね。
体調に合わせてゆっくりと、何日も時間をかけて、“要るもの”と“要らないもの”を分けました。
大切な思い出の物語をお話ししながら、一緒に整理していったのです。

すると、不安や悲しみに溢れていた会話が、「退院したら、これをやろう。」「退院したら、これを着よう。」と、前向きな将来の会話に、徐々に変化していきました。

目的も、単純なお片づけから「退院しても、元気でいられるように整えていこう。」に変化し、入院日間近に片づけが完了しました。

その時、お客様がおっしゃったんです。
「これだけキレイになったのだから、早く戻ってゴハン作らないとね。」と。

その方が、しっかりと前を向こうと決めたことが伝わる瞬間。
「整理させていただいて良かったな。」と、ジーンとしました。

人に片づけを頼むのは、恥ずかしいし勇気がいることかもしれません。
でも、片づける気力・体力がなく、部屋が散らかると気持ちが更に落ち込んでしまうかもしれません。
誰かがそばで一緒にやってくれることの心強さは、何者にも代えがたいのではないかと思います。

―「カウンセリング」をとても大切にされているのですね。
Skype(スカイプ)も、対面も、お話を聴くことはとても大切にしています。
私はペースを大切にするので、1人の方とお話しながら、じっくりやる方が性に合っているなと思います。

キッチンだけ、リビングのみ片づけたい、というご要望も、もちろんあります。
せっかくお片づけのアドバイスをさせていただくなら、その先を、一緒にちゃんと見る。
その上で「どうしたい?」と聴きたくなるのが、性分なのかもしれません。



3か月後でも、半年後でも、5年後でも良い。
周りにとやかく言われるよりも「ご自身が、このお家をどうしていきたいか。」
お客様の想いを聴くことは、私の中ではお片づけに必須な部分です。

シンプルに、楽に暮らす


―思い入れのある品は、「残す・処分する」の判断が難しそうですね。
例えば、息子さんや娘さんが「いらないんじゃないかな。捨てたら?」とおっしゃっても、ご本人にはかけがえのない大切なものがあります。
そこは、ちゃんと話を聴かないと分からないんですね。
家族だからこそ、「捨てて!」と言われて、上手く伝えられない、伝わらないということも、たくさんあります。

以前65歳以上の方向けのセミナーで「娘は、私の母の写真を捨てろと言うんだけれども...。」とご相談をいただきました。




その方は東日本大震災で、津波被害に遭って、それしか手元に残っているものがない方でした。
「そういうのって、捨てなきゃいけないの?」と。

私は「しまう場所があるなら、残しておいて良いですよ。」とお答えしました。
きちんと場所を確保して、普段の生活に困らないなら、私は処分する必要はないと思っています。

ご自分のものはご不要だと思われていても、お子さんにまつわる思い出の品は、どうしたらよいのか判断がつかない方が多いです。
家族共通の思い出の品も、自分で判断出来ない場合がよくあります。
想いが凝縮してしまうんですね。

そんな時第三者が入ることで「残す。処分する。誰かに差し上げる。」という判断がつきやすくなると、今までの経験上ではそう思います。

お部屋の片づけだけでなく、さまざまなことを躊躇している人たちが、背中を押すことで、1歩も2歩も踏み出せる。
いや、半歩でも進めるお手伝いが出来るといいな、と感じます。

―ご家族に言われるケースもあるのでしょうか。
お嫁さんや親御さんに言われて、渋々やる方も中にはいらっしゃいます。
「処分する」ことに、どこかためらいがあって「誰かに言われたから、捨てなきゃ。」と。

そういう時は、綺麗にしたい場所や触らないでほしい箇所を伺います。
綺麗にしたら気分が良くなる。だからまずは綺麗にしたい場所からやります。
そこを一緒にやっていく中で「(モノを)整える」と「(ココロも)調う」ことを実感する方が多いのです。

「この方がシンプルで、楽に暮らせる。」
そういう前向きな気持ちが生まれて、整理出来る範囲が加速度的に広がることもあります。
前向きさは、誰にでもどこかにスイッチがあるとに感じております。
誰かの支えで前向きスイッチを押すことができれば、勇気が出るのかもしれません。

ひとりひとり、「出来る形」で「トトノエトトノウ」


―参考に「片づけのコツ」を教えていただけますか?
片づける時に「上手に収納しよう」と考えてしまうと、しまいこんでわかりづらくなってしまいます。
最初は「今、どういうものがあるのかな?」を意識することが大切です。

例えば、シャツは大体何枚あるか数えてみる。
タオルや食器が大量にある!ハサミが、そこにもここにもある!とか。
収納は「充分あるから、買わなくて良いね。」など、モノの量が判断がつくようになってから、考えていくと良いです。

また、近くに置いておきたいモノ、しまっておいても大丈夫なモノは、普段から意識しておくと、どこに収納すればよいかがわかってくるので安心です。
年を重ねた方もそうですが、私たち世代も含め、入院やいざというときのために「残してほしいモノ」「処分しても構わないモノ」をハッキリ伝えておくと、周りの家族だけでなく、ご自身も安心するのではないでしょうか。

私は「スッキリ整理」と言っても、「全部排除する必要はない。」ということに気をつけています。
すごくキッチリたたみたい方もいれば、ポイッと置きたい方もいます。

そこは臨機応変に、「出来る形」にするのが良いでのではないでしょうか。
「○○しなくちゃいけない。」は、ストレスにもなるので。
「必ず維持してね。」ということではなくて、生活している方の暮らしやすさを大切にしています。

―トトノエサービスは、どの位の頻度での利用がオススメですか?
お洋服や、台所は、季節によって装いが変わりますので、四季に合わせて、3か月か、6か月に1度、がオススメです。
思い立った時でも、生活様式が変化する時でも、みなさまの生活に合わせて、ご利用いただければ嬉しい限りです。

―オオタニさんが描く未来像をお聴かせください。
私自身は、ある人に何かのタイミングで、「あ。そういえばオオタニがいたな。」と思い出してもらえるような存在でいたいと、いつも思っています。
その人の人生にちょこっと、スパイス的な要素としてあれば、1番良いなと。

何か困った時。例えば、よろけた時に「手を貸しますよ。」
雨が降ったから「傘を使いますか?」。涙を流した時に「ハンカチをどうぞ。」とか。
そんな黒子のような感じでいられるといいですね。



事業についてですが、屋号の「トトノエトトノウ」は「整え、調う」をイメージしています。
乱れたものを整えることで、ココロも調いますよ、という意味を込めました。

起業塾の講師という面から、働き方にも注力をしているのですが、
働き方やお部屋を整える、整理・収納という「概念」を通じてみんなが整う。
整えることで、調和が生まれる。

働き方を見つめていく。そのお部屋も、見つめていく。
色んな人を整えることで、和が生まれる事業。

ゆくゆくは、同じ志を持った人たちを育てていきたい。
そして皆さんを支えながら、私自身も成長していきたいと思っています。

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団体概要

トトノエトトノウ
ホームページ:http://ttnettnu.com/totonoetotonou

参考文献

「平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査」
http://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h26/sougou/zentai/pdf/s2-1-2.pdf

執筆者

取材・文:gCストーリー株式会社 阿南
画像提供:トトノエトトノウ、pixabay

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